「不思議な玉手箱Ⅱルワンダ編」 by もりぞのとしこ
「インド並びにルワンダの紀行文を高覧くださる皆様、
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プロローグ
たいていの子どもがそうであるように、小さいころから私にもアフリカへの淡い憧れがあった。
大人になっても訪れるチャンスがないまま、昨年(2012年)までは遠い叶わない夢であった。ところ
が突然、降ってわいたように、ルワンダという国に行く話が持ちあがった。
2011年の夏に、ルワンダに赴任している友人から、「ルワンダに来てみませんか?」とお誘いを受け
たのだ。見知らぬ地へのいくばくかの懸念はあったものの喜んで承諾すると、友人は早速、マウンテ
ンゴリラを見るツアーの許可証を購入してくれた。
2012年2月12日のゴリラツアーだった。
ルワンダという言葉で思い出すのは、十数年前に全世界を震撼させた「大虐殺」のこと、大々的に報
道された当時の様子や、そののちに見た映画『ホテル・ルワンダ』のことだ。そして北の火山地帯に
生息するマウンテンゴリラのこと。さらに、エマージングエコノミーの国として、驚くべき発展を見
せているということ。そういう知識以外には、私にはまったく関係のない場所であった。
だが、マウンテンゴリラの生息地への入園許可証を入手したという友人からの知らせをもらってから
というもの、私の期待と喜びはどんどん膨らんでいった。
『この幸福感は、アフリカの土をまた踏みたいと太古への回帰を願うDNAの仕業かもしれない』・・
などと大げさな気分になったのも夢を実現できると有頂天になっていたからにほかならない。