讀賣新聞の11月18日夕刊のコラム「よみうり寸評」に載った記事です。 東北地方の人たちの律儀さ、優しさを表しているようで東北地方に深い思い入れがある 私は心がほのぼのとする思いでした。
(寸評記事) 2013年に公開された映画「謝罪の王様」には、様々なお 詫わ びのテクニックを指南す る〈謝罪師〉が登場する◆起こしてしまった失敗の重大さに応じて、頭を下げる角度と時 間を変える。パフォーマンスを駆使して窮地をしのごうとするそんな姿勢と対極にある のが、秋田の人々の姿だろう◆秋田の知事が愛媛の名物「じゃこ天」を「貧乏くさい」と けなした。すると秋田県民の皆さんは、誰に指南されたわけでもないのに「うちの知事 が大変な失礼を…」と平謝りして次々とじゃこ天を買い求めた。おかげでじゃこ天の知名 度は一気に上がって、今週には秋田と四国4県の合同物産展が東京で開かれるまでに◆今 回の騒動と映画の世界には、通じる部分がないわけでもない。阿部サダヲさん演じる謝 罪師いわく、〈謝りたい人が謝れば、謝ってほしい人は笑顔になる。世界はもっと平和 になる〉◆物産展で愛媛の知事は、秋田の知事に「じゃこ天入りのきりたんぽ鍋を」と笑 顔で提案していた。平和な落としどころである。
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