井手の玉川の桜  2006.04.13

4月13日、京田辺市に仕事に行ったついでに桜の名所、井手の玉川に寄ってきました。
京都府綴喜郡井手町は京都府と奈良県の境の木津川に玉川が合流する地点にある小さな
村落ですが、奈良街道の古い町として万葉の時代から歌に詠まれたところであります。

玉藻刈る井堤ゐでのしがらみ薄みかも恋の淀める我が心かも(万葉集巻十一)

 

井手は本来は山吹の名所でして、左大臣橘諸兄がこの地に別荘を構え、山吹の花を植えた
ことが始まりだったようです。

古今和歌集の時代から井手の地名は歌枕にもなり、山吹の花ととりあわせて多くの歌人が和歌
を詠んでます。

かはづ鳴く井手の山吹散りにけり花の盛りにあはましものを(読人不知「古今集」)

色も香もなつかしきかな蛙鳴く井手のわたりの山吹の花(小野小町「小町集」)

春ふかみ井手の川波たちかへり見てこそゆかめ山吹の花(源順「拾遺集」)

駒とめてなほ水かはん山吹の花の露そふ井手の玉川(俊成「新古今集」)

玉もかる井手のしがらみ春かけて咲くや川瀬のやまぶきの花(源実朝「新勅撰集」)

源実朝は関西に来たことが無いはずですから想像して歌ったのでしょうね。実朝が如何に関西の
地に憧れたかが推察される歌です。

玉川左岸の桜並木

右岸の桜並木


このような木製の橋が両岸を繋いでおります。そばの柳の佇まいも風流でした。


井手の玉川は日本六玉川(むたまがわ)の一つだそうです。
因みに他の六玉川を調べたら@野田(宮城)の玉川、A調布(東京)の玉川、B野路(滋賀)の玉川、C高野(和歌山)の玉川、
D砧(大阪)の玉川とありました。
後から知ったのですが、近くには小野小町の墓もあるとか。

最寄り駅はJR奈良線「玉水」。駅から徒歩5分。駐車場はなく、堤の上も軽自動車以外は駐めるべきではないです。
ただし、思いっきり小さな声で・・・「堤の左岸下に井手町役場があり、平日で空いていたらちょっとの間の時間でした
ら停めても大丈夫かな〜、という感じです」
桜のシーズンの土日はかなり混雑するそうですから決して車では行かれないように。