9/29 2003掲載

第五篇  完結篇

イタリア縦断
 
第18日目
アルプスの大自然を満喫し、興奮冷めやらぬ中
トスカーナ地方のフィレンツェを目指し南下していく。
 
スイスとの国境から一気にフィレンツェに向かうのは時間的に
キツイので、やや北部のボローニャを目指す。
 
「ボローニャ」といういかにも美味しそうな名前の街にワクワクしながら
大平原の高速を気持ちよく飛ばしていると、突然「バーン!」という爆発音と
ともに目の前を走るトレーラーのタイヤがバーストし、その破片をまともに受けた。
本当に死ぬかと思った。。。(130〜150kmで走行中)
 
しかも途中のパルマあたりから大渋滞で、全く動けなくなる始末。
ボローニャ行きを断念し、手前のモデナに滞在することに決定。
 
高速の料金所で真っ赤なトラックを発見!
よく見るとフェラーリ。
モデナ近郊にフェラーリ社があるらしい。
 
例によって世界遺産のここモデナも美食の街。パルマ産生ハム&フェトチーネ&ラザーニャを
食す。イタリア万歳!!
2.JPG 3.JPG 4.JPG
 
第19日目
街を歩けばフランスを思わせる佇まいのお洒落な店が並んでいるが、
バカンスシーズンのせいか閉まっているところが多い。美しく、美味しい
街に未練を残しながらもフィレンツェを目指し、また走る。
トスカーナ地方はなだらかな丘が多く、葡萄畑が広がる。
フィレンツェに行く前に他の街も見てみたい!ということで
美しき塔の町サン・ジミニャーノへ行くも、あまりの観光客の
多さに辟易し、早々に退散。フィレンツェに程近いポッジボンシという
超田舎町に宿をとる。観光地ではないので、食事をするにも安い安い!
1リットルのハウスワインが250円?!しかも美味しい!
 
第20日目
いよいよ花の都フィレンツェへ
お馴染みミケランジェロ広場からのフィレンツェ。やはり美しい街です。
毎晩のように飲んでいたワインとフィレンツェの町並みに酔いしれた頃
ふと気付くと一枚のクレジットカードが無い!!!
 
大急ぎでホテルに戻り、車のシートの下から荷物の隅々まで血眼になって
探すも見つからない。。。
朝ポッジボンシのホテルで支払いに使ったことを思い出し、ホテルへ電話。
英語を話せる人に電話を転送してもらうと、「私は今ホテルにいないからあるかどうか
わからない。明朝来てくれ」
などと、いかにもイタリア人らしいのん気なコメント。
今確認を取ってくれと何度も頼むと、やっとフロントに確認してくれて
フロントに保管してあるとのこと!
それから夜の街を飛び出し、高速を飛ばして朝出発したポッジボンシへ。
 
無事カードを受け取りフィレンツェに戻る。
おかげで夜のフィレンツェをたっぷりとドライブできました。
慌てて出発しカメラを忘れていたので、写真はありませんが、
夜のミケランジェロ広場から眺めるフィレンツェの夜景も抜群です。
しかも辺りは地元のカップルだらけで、昼間よりも賑わっています。
 
第21日目
この街はさすがに見所だらけ。すべてを見て回るのは無理だけれども、
その中でもドゥオーモは外せないでしょ?
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この大クーポラに登りたくて、急階段にもめげず頂上を目指す
外へ出るとこの景色!
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ミケランジェロ広場から見るよりも、もっと近い眼下にフィレンツェの町並みが
広がります。
 
ちょっとおのぼりさんもしてきました
フェラガモ本店にて(笑)。店内はコントに出てきそうな
強烈な日本人のマダムだらけで、接客も日本語。
ちょっと興ざめ。。。
 
この時期のフィレンツェもイベント満載。街角のチラシを見ると
今日はアメリカのペニンシュラ・シンフォニー・ユース・オーケストラ
古い教会で演奏するらしい。
教会でのフルオーケストラ。
教会の凛とした空気に響くオーケストラの音色。
最高のひととき。
 
第22日目
今日はフィレンツェからナポリヘ列車で移動。
治安が悪いと評判のナポリ。でも、ナポリを見て死ね!のナポリ。
ピッツァマルゲリータの発祥の地ナポリ。期待と不安でいっぱいの道中。
14.JPG 15.JPG
 
着いてみて、納得&びっくり!
この写真で伝わるでしょうか?
街中ががゴミ箱のようです。
ナポリを見て死ね!は古き良き時代の話では??
今では、ナポリを見たら死にそう・・・です。それくらい汚い街で、
息をするのも苦しい・・・
あぁアルプスの空気が懐かしい・・・
 
でも、とにかくピッツァを!
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地元の人が多い店をリサーチし、食したピッツァマルゲリータは絶品!
見た目は良くありませんが味は最高!!こんなピッツァは日本では食べれません!
私たちはなんと5食続けて食べたほど。生地が違う。トマトが違う。
モッツァレラチーズが違う。すべてが違います。これは一見ならぬ
一食の価値あり!
どこの店にもこんな釜があります。
 
第23日目
せっかくナポリまできたのだから、ポンペイにも行かねば!
と行ってみるも、なにせ記録的な猛暑の炎天下の中。屋根がなく
日陰の少ない遺跡を長時間巡るのは体力的にかなりきつかった。
写真をとる気力も無し。。。
 
第24日目
今回イタリアで最も行ってみたかったカプリ島へ。
ナポリのホテルに明後日戻ってきますと言い、荷物を
預かってもらって、水中翼船でカプリ島へ上陸。
マリーナ・グランデを望むと、なんて可愛い街!一目で魅了される〜。
着いてすぐに、あの青の洞窟へ。この日は快晴、しかも光線の関係で
午前11時ごろが一番綺麗だと聞き、すぐに乗船。
海が異常に青い!なんともいえない青さ。たまらなく美しい!
青の洞窟の前では小さなボートが順番待ち
 
洞窟の入り口は
波によっては塞がってしまうこんな小さな穴。
波が切れるタイミングを見計らって・・・
GO!  アミーゴー!!
船頭さんも仰け反っていますが、ボートに乗っている観光客は
もっとです。4〜5人が船底にぴったりとへばりつき、外からは見えませんね〜。
 
洞窟内に入り後ろを振り返ると・・・
思わず「うぉーっ!!」と叫んでしまった。
洞窟の中は幻想的。。。青く光っているし、海底も透けて見えます。

本当に、美しくて溜息がでるほど感動!
 
今日の宿は、ナポリから予約しておいたホテル。
28.jpg
せっかくなら地中海の島でゆっくり過ごしたいと思い、とったホテルは
予想外に良いロケーションで大満足!
 
フニクラーレに乗って

島の高台にある中心街へ
かわいらしい街と見下ろせば辺り一面の海。絶景です。

これぞヨーロッパの高級リゾート!
こんなに小さな島なのに一流ブランドの店が並び、来ている観光客の
層が違います!こんなにリッチな人々を見たのは、トレドのパラドールと
モナコくらいです。のんびりとリゾート気分を味わい、しかもショッピングも
楽しめるという点では、このカプリ島は一番のお薦めです。
 
今日のディナーは、地元の人お薦めのレストランで海を見ながら。
開店と同時に入って特等席を確保
 
本家本元、カプレーゼ
カプレーゼの名前はこのカプリ島からきているんだそう。
フォークで切れないモッツァレラチーズを食べたことがありますか??
ものすごい弾力でプリプリしてるんです!ナイフでないと切れないんですよ〜。
カプレーゼも美味しくて、やっぱりほぼ毎食食べてました。
 
お店の人お薦めの魚介の手打ちパスタ
うどんのようなパスタに
魚介の旨みがからまり、ヴォーノ!
 
これまたお薦めのモッツァレラチーズメインのピッツァ
メニューには載っていません。「特別の美味しいピッツァが
食べたい!」と言って、作ってもらったのです。もちろん、絶品です!
 
第25日目
今日はホテルで朝食。海を見ながらの食事はこれで最後。。。
一週間くらいはここで過ごしたかった。でも、ホテル代が
他の2倍はしますから、一泊できただけでもヨカッタ。
 
カプリ島の記念に
リフトで島の頂上に登ります。高台の街から15分かけて
登るのですが、この景色がまたすごい!海の青と空の青が交じり合って
溶けています。

38.JPGイスキア島を望む
39.JPGソレントやアマルフィ海岸が見えます
 
美しいカプリ島から、あのナポリヘ戻るのはひじょ〜に悲しい気持ちでした。
 
第26日目
ナポリからいよいよ最終目的地のローマへ。
ローマへ行く=日本に帰る日が近い。ので、本当にローマへ
行くのが嫌でした(笑)
しかもやはり世界中から観光客が集まっているので、街中の
観光客相手の店の人達の愛想のないこと。サービスが悪くても
お客はいくらでも来ますからね〜。
かなりテンション下がって、ローマ初日はリサーチもせずに
観光地で食事をしたため、とても食べれたものではありませんでした。
よって、写真もなし。。。
 
第27日目
一応、ローマへ来たのだから、一通りのものは見ておこうということで
40.JPGヴェネチア広場
41.JPGスペイン広場
42.JPGコロッセオ
43.JPGヴァチカン市国
44.JPG
ここだけを見れば、おぉー!と思うのでしょうが、一ヶ月の放浪で様々なものを見てきて、
最後に見ているので、感動が薄くて・・・
 
名だたる観光地を見ても心に響かないので、観光客がいないところへ
行こう、とテヴェレ川を渡り、地元の人お薦めの美食地区トラステヴェレへ
こういうなんでもない静かな佇まいの町並みのほうが好きです。
 
ここですごいものを発見!
イタリアはジェラート発祥の地ですから、
至るところににジェラート屋はあるのですが、観光地周辺では自家製の
店は全く見かけませんでした。が、ここトラステヴェレは地元の人が
集う街。自家製ジェラート屋を見つけたのです。早速食べてみると、
「今まで食べたジェラートとぜんぜん違う!!!」美味しくて2日続けて
通いました。イタリアに行ってジェラートを食べるときは、自家製の店を
是非見つけてください!美味しさにショックを受けますよ!
 
第28日目
今までどこへ行ってもショッピングはしなかったのですが、(移動が
多いし、盗まれても嫌だし)もう、明日は機上の人なので、今回の
旅の記念にと少しだけショッピングを楽しみました。
またまた、テヴェレ川を渡り、トラステヴェレへ。
 
最後のディナーはピッツァ。
しみじみと一ヶ月の思い出に浸りながら
やっぱりワインを飲みました。
そして、またまた自家製ジェラートを食べてヨーロッパ最後の夜は
終わり。
 
第29日目
テルミニ駅からレオナルドエクスプレス(定刻に来ないし、遅い!)で
フィウミチーノ空港へ。ヨーロッパに「絶対また来るぞー!」と言い、
機上の人となりました。
 
第30日目
帰路は、シンガポールでのトランジットにほぼ1日あったので、
シンガポール航空が無料で行っているバス観光に出かけました。
マーライオンやゴミ一つ落ちていない美しい街を見て楽しみました。
 
第31日目
午前8時福岡空港へ到着。
漢字が並ぶ看板に非常に違和感を感じ、すべてが日本語なのが
なにかおかしく思えた。
外へ出た瞬間、「暑い!!!!!」
熱波のヨーロッパから帰ってきたのだけれど、台風が来る前の
日本の蒸し暑さに比べればまだ過ごしやすかった!?
日本は冷夏だと聞いていたのに、私たちが帰ってきてから数日は
いつもの日本の夏だったので、本当につらかった〜。
 
《終わりに》
突然決めた旅行。新婚旅行に行くならヨーロッパと決めていたが
せっかく行くなら長く滞在し、しかも今しかできない旅を! と思い
航空券と一泊目のホテルのみを確保してスタートした今回の旅。
 
日本人どころかアジア人が全くいないところも多く、
最初は不安もあったが、「まぁなんとかなるやろ!」という気持ちで突き進み
いろんなことに体当たりでチャレンジしてみた。
ホテルの交渉、レンタカーの確保、運転、列車・バスでの移動、食事など
様々な場面で困ったことは枚挙に暇が無いが、それぞれで文化の違いを
肌で感じることができたし、2人で考え、乗り越えていったこともよき思い出となりました。
 
今回は初めから旅行記を出すつもりで数多くの写真を撮っていましたが
歴史的建造物の内部や絵画などは撮影禁止のものも多く、また移動中の車窓から
見えた刻々と変わる風景をお伝えすることができないのが残念です。
 
この旅行記を書きながら旅の始終を思い出し、再度楽しむことができました。
また、いろいろな方からコメントを頂戴し大変楽しませて頂きました。
「これは一生の思い出」と胸を張れる旅の様子をお伝えしたく、大変長い旅行記
となってしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございました。
 
最後に今回の旅で最もお薦めのところは・・・
  スペイン・・・ほぼすべて(ただし真夏以外)。とくにトレドとフラメンコとガウディ建築
  南仏  ・・・演劇祭の時のアビニョン。エクスアンプロヴァンス。
  イタリア・・・アオスタ、カプリ島
もし今すぐにもう一度行けるなら、迷わずスペインに行きます!!
 
皆さんが旅行に行かれる際の参考にしていただければ幸いです。
 
    Hiro&麻美

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