11/4 2004掲載
楽しかった鹿児島・熊本の旅 川島道子
10月25日恒例の秋の登山に、鹿児島の開聞岳に
登山の予定で妹夫婦と3人で出かけました。
朝6時半に家を出て現地に着いたのは夕方の
4時半ごろでした。
開聞岳
まじかに見る開聞岳は、妹や私の予想を超える高さと
大きさで圧倒されて、いつも山々の連なりとして見ていた
山と違って、海から立ち上がった独立峰のスケールの大きさに
ひるんでしまいました。台風24号の接近で翌日は風雨が強く、
登山はあきらめざるをえませんでした。
平和会館
一日あきましたので念願だった「知覧特攻平和会館」に
行ってきました。私の尊敬していた方(4年前に亡くなられて
います。)の弟さんの遺影にお参りすることが目的でした。
たくさんの遺影の中からやっと写真を見つけたとき、9人姉弟の
たった一人の男である弟さんが、昭和20年5月22歳の若さで
沖縄戦で戦死されたことに、こみあげる涙を抑えきれませんでした。
風雨の強い日でしたが小学生から高齢者まで、多勢の方が
熱心に見学していました。
石碑
その後知覧の武家屋敷群を見てまわりました。
武家屋敷
美しく整然とした町並みは、「薩摩の小京都」と言われているようです。
武家屋敷
250年前に建造された7つの屋敷が、現在でも人が住み続ける家として保存されています。
武家屋敷
武家屋敷
延々と続く石垣は、家々を区切る塀というよりはこの地域全体の城砦のような感じがしました。
武家屋敷
武家屋敷群のうち7庭園が名勝に指定され、上記の森氏庭園は池泉式庭園、
他は枯山水式庭園になっています。武家屋敷群は、「人をもって城となす」
という島津藩政時代の政策として築かれた外城のひとつとなっていました。
石垣の見事さにうなずけるものがありました。
日の出
翌日ホテルの窓から見た日の出にあわててシャッターをきりました。
日の出
大隈半島から登る朝日の素晴らしさに見とれてしまい、前日の風雨が
信じられないような快晴を予想させる日の出でした。
神社
快晴の一日のスタートは、薩摩一の宮と言われる、「枚聞神社」
(ひらききじんじゃ)にお参りすることから始まりました。
創建は古く(和銅元年(708)といわれ)航海、交通、漁業の守護神として
崇敬されていました。地域の方たちのよって掃き清められた神域の中に朱塗りの
拝殿が映えて壮麗な印象を受けました。
開聞岳
長崎鼻から見た開聞岳(922m)。海面からせりあがった見事な円錐形の
山容が「薩摩富士」と言われ、1000mに満たないこの山が日本百名山に
なっているのもうなずけるところです。
開聞岳を百名山に選んだ理由として、深田久弥は『高さこそ劣れ、これほど
完璧な円錐形もなければ、全身を海中に乗り出した、これほど卓抜な構造も
あるまい。名山としてあげるのに私は躊躇しない。』と述べているそうです。
薩摩半島最南端のそれも錦江湾の出口に位置いているために、外洋に
出る船入る船にとって大きな目印になっているようです。
長崎鼻は薩摩半島の最南端にあり、岩場は溶岩でできています。
又浦島太郎伝説の発祥の地としても知られており、岬の先端部には乙姫様を
祀っている竜宮神社があります。開聞岳はどこから見ても美しいのですが
ここからの眺めが最高のようです。
指宿スカイライン
いつまで見ても見飽きない開聞岳を後にして、指宿スカイラインを走行中
進行方向の左側には開聞岳、
右側には桜島が見えていました。同時期に撮った写真ですが、
光線の具合でしょうか色合いがずいぶん違っています。
次の場所阿蘇にむけての移動中、高速道路からはるか遠くに
高千穂の峰や韓国岳などの霧島連山が見えていました。
阿蘇
夕方南阿蘇の垂玉温泉に着きましたが紅葉は
もうひとつという状況でした。阿蘇は滝が多く
この場所もいく筋もの滝が並行して落ちていました。
翌朝阿蘇中岳の火口をめざしました。今日も快晴です。
荒々しい中岳の火口壁。今日は一週間ぶりに立ち入り禁止が解けて
火口まで来れました。風向きによって有毒ガスの影響がある場合は
立ち入り禁止になるそうです。
今日は幸運なことに煙は私たちとは反対の方向に流れていました。
修学旅行生が大勢来ていました。
火口の底にはエメラルドグリーンの水溜りがあり、その底は8000mと
聞いて驚いてしまいました。ガイドのような方から自殺を試みる人が
時々居るが、火口がすり鉢状なのでほとんど途中で引っかかり、
自分達が救助していると言う話にはショックを受けました。
火口のそばで記念撮影。
火口から離れて草千里に立つと青い空広々とした草原に、先ほどの
緊張も解け心がやすらぐようでした。
大観峰に向かう途中見えた九重連山、煙が見えるところは硫黄山です。
九重の山に登る度に阿蘇の山々を見ていましたが、阿蘇から見るのは
初めてです。反対の方向には
阿蘇の猫岳、高岳、などがかすんで見えていました。
世界有数の(昔は世界一と言われいました)のカルデラ。外輪山の
大観峰から見ますとその雄大さにいつ見ても胸を揺さぶられます。
菊池渓谷
阿蘇を見たあと菊池渓谷にまわりましたが、ここは紅葉にはほど遠く
まるで新緑の季節のようでした。ここはまわりが紅葉していると
絶好のポイントのようですが、残念でした。
菊池渓谷で妹が見つけた花。サイヨウシャジンと言うそうです。
3泊4日の旅は前半は雨又は曇天後半は快晴と分かれ、目的の
開聞岳には登れませんでしたが、九州の北から南まで変化に
富んだ行程で、快晴のお陰で霧島連山、九重連山まで見ることができ
私は大満足でした。これもひとえに義弟のお陰と感謝しております。
いつものことながら今回の写真も提供してもらえてこのレポートを
まとめることができました。全長900kのドライブでした。