11/30 2001掲載
浄水茶寮のスペシャル膳
先日の紅葉便りに刺激された訳ではないでしょうが
主人、穐吉君から「あさって辺り、お店に来ませんか?」
とのお誘いを受け行ってきました。
今晩はいつもと違うぞ!
お店の雰囲気もなんだか緊張感に溢れていて
掛かっているものも・・・・・
客に思考を問いかけている |
では料理のスタートです。
【宗哲縁高に銀鼓をおいて いちょう・もみじ】
膳菜
車えび・烏賊黄味焼き・慈姑せんべい・カラスミ大根
銀杏・カボス釜にイクラ・辻堂にあん肝
季節の食材を充分に・・・・・
うーん、何かが違う何かが。
【横笛】
お椀
あまだい・蕪・青菜・松葉柚子・紅葉人参
云うまでもないここ浄水茶寮一番の愉しみは、椀。
今晩のは一段と薄味で格調高さに満ち溢れている。
はっきり云って「嵐山吉兆」を凌駕するものを感じ取った。
後で聞いた話によれば、このお椀一客で車一台相当とのこと・・・・・・・
見て!
辛子醤油ですよ、これがマグロにベストマッチ。
器の見事なこと・・・・・やっぱり違う、今日は。
【竜田川】
造り
平目薄造り・縁側・五分葱・ちりず
【祥瑞】
造り
鮪・烏賊・辛子醤油
博多にもこんなに旨い醤油があったなんて・・・
失礼いたしました!
【素山山椒】
したし
驚きは次の盛りだった。
【盛】
味噌漬け
鰆・酢蕪
なんという鰆の肉厚!
生まれてはじめてのこの魚の食感。
えっ?
まさにシーンは起承転結の転。
【土鍋】
炊き合わせ
焼き穴子・大根・水菜・湯葉
サラリと仕上げられたように感じられたが
出汁のレベルの高さには驚き。
【対水朱椀】
飯
肉・香の物
ビックリ
フルーツ
富士柿・ラフランス・苺・グレープ・ゼリー・綿アメ
その詳細
フレンチレストランでも
お目にかかることのない見事な出来栄え。
壊すのが憚られるようで、しばらく見つめていました。
〆は
菓子
餅入りぜんざい・薄茶
いやー、パーフェクト!脱帽です。
全ての皿に料理人の気合と魂が乗った見事な膳が終わりました。
部屋にやってきた穐吉君に今宵の膳の感想を告げると
「たまにはメニューの料理とは違った、分かってくれるお客さんに
おまかせ料理を出すというのをやってみたくなるんですよ。厨房も
接客の方も、いつもと違った緊張感をもって・・・所謂、気が入る
っていうのですかね?たまにはいいでしょう。」
今このページを編集していても昨晩の事が思い出されてなりません。