7/14 2003掲載
穐吉レポーター&編集部共著
たかがトマトと言う無かれ!!
先日もラヴェンナレポートで書きましたが、ある新聞の記事に目を留めました。
野菜つくりは子育てと一緒、欲しいものを言うなりに与えていたら、
ろくな人間にはならない。
植物も厳しくすることで本来の生命力が引き出され、強くなります。
そう言ういきさつで、トマトに関心を抱きました。
日ごろ何とはなしに食べている食物、
私達は、その食物の自然の生命力に恩恵を受けています。
今回取り上げたトマト 何も!何も!イタリアンとは限りません。
食の発想を190度(第3象限)切り替えて献立を立てたんです。
ラヴェンナ試食&研究のあと
編集長に トマト料理をするっちゃけど、試食して貰えん!!!。
っと高々とアドバルーンを上げてしまいました。7月8日の事
そして当日(7月11日)になりました。
初めての経験、前日夜はナカナカ寝付かれず、もう献立は決まっていましたが、
うまく行くかどうか半信半疑、そのことも手伝って当日は朝から胸の動悸が止まりません。
日本料理にトマト!!!っと言う固定した観念が何時も頭を締め付けます。
でもそれは杞憂に終わったことが、次のレポートに現れています。
六時半に編集長到着(いつもは六時のところを六時半に遅らせて貰った。)
食事が始まる前に先ずはトマト談義。
序奏とロンドカプリッチョのはじまりで〜〜〜〜〜す。
これってテンポ良く行かないといけないんです。
先ず膳菜 ラヴェンナの石井君におしえて貰ったフレッシュトマトソースをベースにしたもの
出来るだけ素材の味を出す為に塩、胡椒は控えめにしました。
そして今日のメインとも言うべき「トマトの純正しずく」、これ抽出するのに骨が折れました
まず情熱トマトを1人2個分として冷凍します(これは前の晩にしました。)
そして当日の朝、冷凍庫から取り出しさっと洗って薄皮を剥きます。これ以外と簡単に剥けました。
トマトを四つ割りにして晒しを敷いたざるに載せ、重力に逆らわず自然にトマトの雫が落ちるのを待ちます。
約12時間かけて抽出に成功!!100cc位採れました。時間を掛ければまだ取れたんでしょうけどね。
これがあら不思議!!、最初の想像はトマト色と思っていたのに・・・・。無色透明の液体
もったいないのでスプーンに少量掬ってドキドキ、ワクワクしながら試飲、やあ〜〜。もお〜〜〜〜。
言葉にならない。凝縮された正にトマトの味。やったあ〜〜〜あと、思わず声が出ました。
その液体を赤子を抱くように大切にしながら、その中に溶かした少量のゼラチンを入れ
緩く固めました。
これは大切なもの、愛情いっぱい入ってる、情熱トマトそのものって思うと
それなりのことをしてあげたい!! 夏向きのバカラのカットの蓋物にソット入れてやりました。
季節先取りの栗!?
なまこ形カット向皿に
マリネ風 それにフレッシュトマトソース
1.膳菜 帆立、鯵、トマト、高等ねぎ オリーブオイル
バカラ花カット皿に
玉蜀黍(トウモロコシ)かき揚げ、 新ギンナン揚げて
穐吉主人の
”熟慮を重ねた”上での作品ということが一皿目から充分に伝わってきます。
ダイヤカット蓋物 四つ椀
1.お椀 冷製
トマトの純正しずく 、生うに、オクラ、赤ピーマン
*スタッフの皆さんが骨折ってくれた成果が、作品に見事に反映された一例でした。
未体験ゾーンの料理がまだまだあるんですね。
南蛮捻り向付
1.お造り 車えび洗い、まぐろ あしらい
ハスの葉に盛って
1.しのぎ 水貝(蒸しアワビ) モロ胡、独活、ラディシュ、生姜、 加減土佐酢
備前長四方皿
1.焼物 うなぎの白焼き(男性軍) 山葵 大根卸し
トマトソース添え
かんてきにて
甘鯛若狭焼き(女性軍)
トマトソース添え
木地釣瓶
1.冷麦 温度玉子、胡瓜、椎茸 旨出汁
お釜にて
読者の皆さんにも伝わってきそうなお釜の湯気!
かき混ぜただけで笑顔になるから料理の奥は深いのだ。
1.飯 情熱トマトご飯
プティトマト赤だし・香の物
銀盆に氷を敷いて
1.フルーツ 桃のコンポート 梅酒ゼリー添え
ワイングラスに炭酸入れて 梅酒少々
冷凍マスカット オブ アレキサンドリア、同様にデラウエアー
料理の余韻を残しつつ・・・
あと味をさっぱりとさせてくれる冷製デザート2品でした。
1.お菓子 水羊羹
以上。
スタッフの皆さんご馳走様、アイデアいっぱい有難う。 |
トマトを
あしらう程度と考えて臨んだ今宵の膳、最初の皿からずーっとその熱き心意気が
充分に伝わって来る素晴らしい内容でした。
最近の穐吉主人の食材に対する”愛”
このおすそ分けを大いに受けて幸せな気持ちにさせてもらいました。