9/10 2002掲載

by 舩津邦比古

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ここはミュンヘン中心の歩行者天国。
コンクリートのフラワーポットは20年前からあります。花の交換はというと、、花の部分は針金の籠に入っています。
その籠をクレーンで吊り上げて、新しいのをドスンと入れてゆく。

 
今日は教会を幾つか見て、それから美術館博物館巡りをします。コンサートについても少し触れましょう。

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まずやって来たのが、南ドイツ・バロック建築で有名なアザム兄弟の名を冠したアザム教会。
イタリア産の大理石をふんだんに使っています。左隣の建物もアザム兄弟の作です。
いずれも18世紀に建てられたものですが内部は最新設備を施し、今日もオフィスビルとして使用されています。
右隣のルネサンス風ファサードの建物にしても、日本だったら文化財扱いでオフィスには使わせてくれないでしょう。

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アザム教会内部に一歩踏み入れると、その絢爛豪華さに息を呑むか、でなければそのごてごてさにお腹がいっぱいになります。
何も装飾がない空間は無駄でしかないらしい。ここもイタリア産大理石がふんだんに使ってあります。
教会音楽も加わると、一言で言えば視聴覚教育です。教会の中はこの世に天国を現出させたものでした。


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天井はフレスコ画のだまし絵です。善良な人の中には遙かに高い天国に神の姿を見た人もいるかも。


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この世に戻って来たところ。

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アザム兄弟の作品ディテールを紹介しておきましょう。よく意味の判らないフレスコ画。


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彩色木彫「二人の天使に支えられて昇天するマリア」


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次に訪れるのがミュンヘン大聖堂聖母教会。ロマネスク様式の残る早期ゴシック建築です。
煉瓦造りの教会は石の少ない北ドイツにはよく見られますが、南ドイツにはあまりありません。
南ドイツではバロック教会が盛んに建立されましたが、煉瓦はバロック建築に適してないのも理由の一つでしょう。
煉瓦は「焼いた石 Backstein」と言います。
ここではよくパイプオルガン・コンサートが開かれます。


 
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マリエン広場から見た聖母教会の塔。右手前は新市庁舎。
この写真は20年前に撮影したもので、気に入ってるアングルの一枚です。塔の時計が11時少し前を指しているところから、例の
市庁舎仕掛け人形(午前11時に動く)を撮影するために待機していたのでしょう。

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三番目に紹介するのはルネサンス期の代表作、聖ミヒャエル教会です。
前面ファサード中央に悪魔を退治する大天使ミヒャエル(ミカエル、マイケル)の像があります。

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ここでもオルガン・コンサートが催されます。
この地下にバイエルン王ルートヴィヒ2世が眠っています。


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説教壇と側廊の小さな祭壇。大きな教会の側廊にあるこのような小さな祭壇は、内輪の冠婚葬祭に使われます。


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第二次世界大戦終結時にはこのように廃墟と化していましたが、見事に元の姿に復元しました。


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やって来たのはドイツ博物館。最新の科学技術とその歴史が分かり易く展示してあります。
日本にも青少年科学館などがありますが、ここは世界屈指の巨大規模です。玄関前に巨大スクリューが展示してある。

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昔の戦闘機
 
次に美術館を紹介します。人口約130万人、福岡市と同規模のミュンヘンには主な美術館だけでも
旧ピナコテーク 新ピナコテーク 最近完成した現代ピナコテーク 芸術の館 国立バイエルン彫塑像蒐集館(古代ギリシア彫刻)
レンバッハ美術館(カンディンスキー、ボイス)等があり、博物館では前出ドイツ博物館の他、国立民俗学博物館、市立博物館などがあります。

 
旧+新ピナコテークはヨーロッパで十指に入る美術館で、旧ピナコテークにはドイツ・ルネサンスの代表デューラーや、フランドル派の大家
ルーベンスなどが蒐集されています。

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アルブレヒト・デューラー:四人の使徒、1526年
旧ピナコテークを代表する1枚。右端パウロの表情には、ドイツ民族の性格が端的に表現されていると云われます。


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ペーター・パウル・ルーベンス:略奪されるロイキポス王の娘達、1618年
裸体の娘達も戦士(実はゼウスの息子達)も馬も全てがねじれている。この捻れこそバロック絵画の特徴だ、、と解説書に書いてありました。。


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ペーター・パウル・ルーベンス:罰された者達の地獄堕ち(部分)、1620年頃
288 x 225 cm の大祭壇画。上部に戦う大天使ミヒャエル。これもねじれてるが、凄い迫力の絵ですね。


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レンブラント・ヴァン・リイン:十字架から降ろされるキリスト、1620年頃
8枚組シリーズ中5枚(だったかな?)がここに蒐集されています。


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旧ピナコテークは第2次世界大戦後元の姿に復旧されましたが、破壊が甚大だった新ピナコテークはモダンな姿に生まれ変わりました。
ここには19世紀以降の絵画が収められてあり、日本人にもおなじみのマネ、モネ、ルノアール、セザンヌ、ゴーギャン、ヴァン・ゴッホらの作品もあります。

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キオスクでこの観光客必携「月間プログラム」を一冊買っておくと便利です。
以下のような案内が乗っています: 警察 消防 病院、ホテル、演劇とコンサート、展示会やスポーツ催し物、美術館と博物館、城と宮殿その他の観光、
教会とミサ、図書館等々。このプログラムに載っている劇場は国立オペラ劇場から子供劇場あるいは人形劇場まで、53ありました。

コンサートホールは
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ガスタイク文化センターが代表的です。ミュンヘンのオーケストラは国立オペラ劇場所属のミュンヘン・フィルと、バイエルン放送オーケストラがあります。


市内至る所で 室内楽、オルガンコンサートがあっています。特に教会のオルガンコンサートは日本では聴くことが出来ません。
いずれも夏の午後5時から10時頃の長い薄暮の光の中でイヴニング・コンサートが好んで催されます。
室内楽はレジデンツ(屋形)や宮殿、教会で催されるものが雰囲気があります。

 
クラシックばかりではありません。ジャズやロックコンサートも盛んです。
「月間プログラム」によると週末は約20カ所でコンサートがありますが、レジデンツのアトリウムでは2002年6月には懐かしのグレン・ミラー楽団や、
ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」が催されています。


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オルガン・コンサートが終わって市庁舎前に戻って来ると、午後9時を回り暗くなってきました。今から食事。


 

私はガイド兼務。付いて来るだけの人はいいなー。

 
まだまだドイツの旅を続けます。