【根治苦笑'99番外編】

 30数年ぶりに高校の同窓会に出ることにした。
  会場に着くと、ボーイが「こちらです」と案内してくれたが男女十数人のこじ
  んまりした会であった。「児玉です・・・」と言うと幹事が席を譲ってくれてビール
  を注がれた。「千代や妹尾は来てないのですか?」と聞くと「彼らは来ませんよ」
  と、幹事が言う。そんなことはないはず、と思ったがもともと二人とも性格が
  いい加減なところがあるから突然予定を変えることもありうるとも考えた。
  幹事は・・・安田は・・・高校の時と随分変わってしまっているがあれがこう
  ならないとは限らないし・・・等と思いながら隣の女性に「今日は鎌倉に行か
  れたのですか?」と聞くと「いえ、私は行ってません」と答える。見渡すと、
  坊主頭もいないので到着が遅れているのか、と考える事にした。
  会話の中に修猷や博多と言う単語を探したが・・・美術と演劇と演奏会の話ば
  かりでカタカナが飛び交う。あのガサツな連中も東京に出て長くいると変わるもの
  だ、まるで文化人じゃないか、さすが名門修猷館のOBであると尊敬した。
  初めて出席する人もいて名刺交換もした。医者・絵描き・料亭の女将・・。
  何故か、脂汗が出る。来なければ良かった、と思いながら私はただ飲み食いに
  専心することにした。私は、耳に入る話に目で頷きながら飲んで食べた。
  席について20分程たったところで奥の部屋に繋がる廊下を歩く男達の姿が目
  に入った。見覚えのある顔もあった。脂汗がドッと体中に広がった。

       部屋ちがい   只で飲み食い   同窓会
  (ボーイが私を教養ある文化人の仲間と間違えたことは許すことにした)


 帰宅時でもいつも満員の電車ががら空きで「シメタ!」と飛び乗りシートに
  座った。見ると通路の真ん中にコンモリとUNNTIがとぐろを巻いている。
  ちり紙を使った跡はない。状況を想像すると可笑しいがやはりきたない。
  後から来た客も座ってはすぐ席をたつ。人によってはUNNTIを踏みそうに
  なる。私はその人々に目や手で合図をして更なる悲劇が起こらぬように
  交通整理をしていた。実に親切な男だと思ったが、なんだか私がしたこと
  のように思われてきたので・・・・、席を立ちとなりの車両に移った。

      野グソなら   小川の水で   ウォシュレット


 Y君は、お酒を飲んだ翌日に必ず緊急状態になる。
  駅のトイレに飛び込むと長い列ができていたので後ろに並んだが
  我慢できない。先頭の人の所に行ってお尻を手で押さえながら、
  「緊急状態です。先にお願いします。」と言うと、その人も
  顔に脂汗を浮かべて「わ・た・し・も・で・す」と言った。

       堪(こら)えつつ   たどり着いたら    清掃中


 我慢の限界を越えたY氏は、駅のトイレの小便用の便器を代用した。
  後ろ向きにお尻を乗せアウトプットを済ませたが、紙がない。
  仕方がないのでお尻をだしたままウサギ飛びで入り口のちり紙販売機
  まで行ったが、女性用のトイレの入り口でもあったため数人の女性と
  目が合ってしまった。とても恥ずかしかった、と本人は言っている。

       恥・外聞  全てを捨て去る  腹具合


 T氏は、会社のトイレまで何とか頑張ろうと思ったが、途中で挫折した。
  一つ手前のビルの植木の裏に穴を掘り、紙がなかったので下着で
  拭いてその下着も穴にチャンと埋めて出社した。
  自分は紳士だ、と主張していたが、せいぜい犬並であると思う。

       恥・外聞   少し残して   腹具合


   (恥ずかしいバージョンであったが、このようなテーマは嫌いなので
       送ってこないよう・・・・お願いします   児玉 無休)

1999年 final

  E部長は 10歳以上若い劇団四季の女優さんと再婚された。
  「あと20年は生きたい」と、言っていると聞いたので本人に
  確認すると「いや、30年は生きたい」と言った。
  その次にその話しを持ち出すと「40年・・・」と言う。
  アホくさくなって、二度とその話しはしない事にした。

      再婚も  最初のうちは 新婚だ



   大阪支店のT副支店長と回転杭のS部長と私の3人で立ち話
  をしていると、通りかかったM部長が「坊主が3人集まって何してるの?」
  と言ったので、「貴男の葬式をやろうと待っているところです。」
  と、言ってやった。

     ありがたい  お経もたっぷり  あげてやる



   急遽海外出張となったK部長が準備のため帰宅したが、朝出がけに鍵
  忘れていて、奥さん留守のため家に入れない。しばらく待ったが、奥さんは帰っ
  てこない。仕方がないので、自転車で鍵屋を探しに行き、鍵屋に頼んでドア
  をこじ開けてもらった。
  やっとドアがあいた時、奥さんが帰ってきたので思わず、「バカヤロウ!
  もっと早く帰ってこい」 と怒鳴ってしまったが、奥さんの猛反撃を受けた。
   鍵の修理代と奥さんへのおみやげ(香水)代計3万円かかったので
  出張原因を作った事業部でこの経費をみてほしい、と言われたが丁寧にお断りした。

        バカヤロと   女房に言えば   倍返えし



   その海外出張で、K氏は10万円入りの財布を取られてしまった。
  中国本土に入国しイミグレを通過した時点で、飛行機の中からずっと我慢し
  ていた尿意が我慢の限界を越えてしまったので、慌ててトイレに飛び込んだ。
  入り口で数人の男性に囲まれ、後ろポケットに入れていた財布を抜かれた、
  と気がついたが、小用を終えてからスリを追おうとした。
  しかしながら、なかなか終わらない。止まらない。止められない。
   彼は、「スリだ〜!捕まえてくれ!!」と放尿しつつ空しく叫んだ。

       放尿を  しつつ「スリだ」と  叫ぶ我



   某支店の某氏が、小学校の娘に「ちゃんと復習しなさい」と言うと、
  「フクシュウってなに?」と聞かれた。「そんなこと辞書で調べなさい」と、
  いうと、調べに行って帰ってきて又テレビを見ている。
  「復習の意味は判ったのか?」というと、娘は寝ころんだまま、
  「仕返し」と答えた。

       復習も  服従もしない  反抗期



  一部リーグへの昇格が確実となったK大バスケット部の連中は、前祝い
 する事にした。最終戦は、前回の試合で勝っている弱小チームだし、負けても
 24ポイント差以内であれば昇格できる。決まったも同然である。
  翌日の試合、チーム全員が二日酔いでメロメロのため、26ポイント差で
 負けてしまった彼は、二度と前祝いはやらないと誓い今でも守っている。



      前祝い   勝っても負けても   前祝い


1999年版

   残業をしていたN君に ウォシュレットは使ったか
    と聞くと、「まだで〜す。癖になりそうなので」と、
    また、ビジュワル系の顔を歪めて笑った。そこで
    みんなの議論となった。

    I氏  「あれは清潔だし、快適だよ」
    N君  「でしょう?気持ちいいんですよね」
    I氏  「君は快感と快適を勘違いしている」
    K氏  「君は不潔だ!下着も汚れているのだろう」
          チャンと拭けるはずがない」
    Y君  「お言葉ですが、きちんと拭けば全てとれます
         拭き方しだいです・・・。具体的にいうと・・・」」

    と、議論がエスカレートしていったとき、それまで黙々と
    残業食のおにぎりを頬張っていた野崎君が

    「止めて下さい!わたし食事中です。ほんとにもうー
     カレーヌードルにしようかと思ったけど止めて良かった。」

     といった。



    呼び出しを受け保健室に行くと、27〜28歳の美女がインストラクター
    として私の前に座った。彼女は、もう少し痩せるように私を指導したが
    私は抵抗した。
    一部(お腹周り)を除いて私は決してデブではない、と主張し、顔も
    今ぐらいが丁度良いと思う、と付け加えた。

    なかなか言うことを聞かない私に、彼女は

     「私は、2キロ痩せた児玉さんの顔が見たい」 と、言った。

    生意気なァ、と思ったが「努力します」と答えてしまった私は
    やはり美女に弱いのではないか、と反省したが遅かった。



    健康診断の血液検査の時、ずーっと前からいる保健婦さんに

    「随分、注射が旨くなりましたね。全然痛くありませんでした。」
     と、誉めると、

    「長くやってますからね、お陰様で。もう一本打つときますか?」
     と返された。




   床屋に行って、五分刈りにして欲しい言うと、

   「お客さん この辺無理です」と、頭のてっぺんを指さされた。


         料金は  髪がなくとも  一人前



  「豚の人生」と言う本がでていた。本来、「とん生」ではないかと言うと

   人が走るとき「とん走」と言うでしょ、との答えが返ってきた。


       ダイエット   ブタと言われて   開始する




  総括部の企画財務GLの某氏は、酷いいびきで奥さんに「我慢出来ない」
  と言われて病院に行った。すると、ドラマに出てくるような素敵な女医が
  出てきて、彼の口内を診察しながら、

   「貴男のnodotinnkoは、大きくて立派ですね。」と、言われたと自慢
    して言いふらしていた。
   「それがどうした?」と、聞くと、「うれしッス」と肩を揺すって喜んでいた。


       なにもかも  肥大化してる  だけなのに




  nodotinnkoは女性にはないのではないか、と大議論になり、ある女性に
  直接聞くことになった。

   「ノドボトケとの勘違いではないでしょうか?」と、センスの良い答えが
  帰ってきた。言外に、馬鹿なこと聞かないでください、と言っていたよう
  だった。

       学問的  見知で問えど  セクハラだ




  「新日鐵はゼネコンでィ」と主張した時代もあったが、まだまだだと思う。
   若い営業マンが現説に出かけたところ、施主側が

    「それでは現場に行きましょう」と、言った。

   数十社いた他のゼネコンの人達はぞろぞろと黒塗りの自社の車に
   乗り込んだが、タクシーを返してしまった当社営業マンは途方に
   くれていた。
   かわいそう、と思った施主側の人が声を掛けてくれたが、丁寧に
   お断りして、競合会社の車に便乗させて貰った。
   受注には失敗した。


        しきたりも  縄張りもない   営業マン




   特命と言うことで、若い営業マンが一人で施主の会社に出かけて
   挨拶に行くと、だっだ広い応接室に通された。担当の人が出てきて、

    「前のゼネコンさんは、10人程来ていましたから広い部屋を用意
     したのですが・・・」と、言った。
    「うちは、普通のゼネコンと違いまして・・・、無駄な経費は・・・」
     と、言うと担当の人は何故か不機嫌になった。


         もてなし分  他で下げよと  施主意向




  大変豊かなボデーの持ち主であるD嬢は、職場が変わって13階から
  14階に一つ上の階にあがった。
   彼女は、「社食が遠くなった。」と、嘆いていた。


         二人分  食べてもどれば  腹がへる





  生前の父が長く入院していたとき、見舞いに行ってついでに小水をとって
  あげた。父がニコニコ笑って何か言いたそうだったので紙とペンを渡すと

    「ムスコがムスコいらってらァ」と、書いた。



         筆談で   笑いをとって    父笑い




  N社長は、ウイスキーの水割りの濃さを聞かれると、頭のてっぺんを指さし
  「これくらい」と必ず言う。そして

    「僕の髪の毛は、少数精鋭だい」と、続ける。


       ハゲハゲと   言われる前に  先手打つ




  環境水道事業部の某リーダーは、出張用カバンに隠していた1瓶のバイアグラ
  をムスコに見つけられてしまった。おまけに「おかーさん、これ何だろう」と、
  彼は母親のところに持っていってしまった。

   「年取った親戚のおじさんからたのまれて・・・・」と言い訳したが、全く信じて
     貰えなっかた。当たり前だと、思う。   その後の悲劇について彼は一切
     語ろうとしない。


        バイアグラ   オレには不要と  持ち歩き




   パリの高級ホテルでは、その手の女性が必ずやってくる、と聞いていたので
  強引に侵入されたらどうしょうと、待ちかまえていた私に電話があった。
   若い女性の声で、「ウンヌン・カンヌン・・・ホンバンOK?」というので
  「ノウ!ノウサンキュウ!」と、言って電話を切った。
  更に二度、同じ電話があったが、私は毅然として誘惑に負けなかった。
   四度目の電話にしつこいなと思いながら出ると、ローマで別れた先輩の声が聞こえ、
   「どうして電話に出ないんだ!交換手がホーンオンOK?と聞くとガチャンと
     切ると怒っていたぞ。居るなら出ろ!」と怒鳴った。


         誘惑に   負ければ良かった   パリの夜



   イタリアのタラントの街を案内してくれた当社社員(長期出張)のS君に、
    「貴男のイタリア語に頻繁にでてくる エート ってどういう意味ですか?」
   と聞くと、彼は赤くなって
    「えーと、エートは・・・日本語です。」



          良く聞けば   エートの多い   イタリア語




 九州支店の営業のY氏がある夜午前様で帰宅すると、
 洗面所の鏡にルージュで「どうせ 我が家は母子家庭」
 と書いてあった。それから、毎日のように書いてあり、消す
 のに苦労した。何日かしてルージュのいたずら書きが消えた
 のでホッとして寝床に入ろうと布団をめくると、巻紙に大きな
 字で、「どうせ 我が家は母子家庭」と書いてあった。

    このオレは  夜だけ帰る  下宿人




  都会のマンションがいいか、すごい辺鄙な田舎の一戸建てが
 良いかの議論になった。私が、「マンションの近くには最近流行の
 ガングロだってうろうろしてます。」というと、負けず嫌いの
 某副事業部長は、「オレんチなんか、家の中にいるゾ」と威張った。

   ガングロの  化粧おとせど  ガングロだ




 博多うどん食べに行こう、と言うと「昼もうどんでしたが、是非行きたい」
と言う。そんなにうどんが好きなのか、と問うと「豚骨のうどんは未経験
ですから・・・」と、東北出身の某氏は言った。

   めんたいと  ラーメンだけの  博多です




 千葉の稲毛に新居を構えたI氏は、一年に2度横浜駅で目をさます。
東京駅から千葉行きにのったのだから130分電車に乗っていたこと
になるが、いつも全く記憶がない。駅の交番に「何とかして欲しい」
といっても「何ともできない」と答えるだけなのでタクシーで帰る(料金は3万円)。

   最近は  君津で目覚めた   こともあり




 鉄海の某事業部長の就任挨拶を読んだ後、経理担当の若手マネジャーY氏に
「君はワクワクしながら仕事をしているか?」と聞いてみた。
「イヤー・・・いつもドキドキはしているのですが・・・・」と彼は肩を落として、
国税調査官の待つ部屋に向かっていった。

   調査官  イライラさせては   いけません




 Iさんのお父様がまだお元気だった頃、朝食に出された卵焼き(お母様が作った)
について、以下のようにコメントされた。
「まずいと思って、メル(可愛い座敷犬)にあげてみたが、やはりメルも食べなかった」
お母様はメルを叱ったが、メルは何故自分が叱られているか理解出来なかった。

   味付けは  夫婦喧嘩の  卵焼き