2/15 2003掲載

児玉俊史

    今日 苦笑 (「驚き」をテーマに)            2003@

 アッと驚く記事を見つけトイレで読み耽ったり、鼻をカムと鼻先が真っ黒になったり、いろいろ
あったがいずれにしても新聞紙は昔から貴重な環境リサイクル資源であった。

      新聞紙   昔は便所で  リサイクル

 社員旅行でグァム島に行った時のこと。入国審査で顔写真のチェックが始まり長い列が出来てし
まった。私は、凶悪犯に間違われはしないかとヒヤヒヤしながら満面の笑みを浮かべて審査官にパ
スポートを差し出した。審査官は無言で私の顔と顔写真を何度も見比べていた。写真が古くまだ毛
髪が十分あった時のもであることを悔やんだ。その時、無愛想な審査官は突然大声で叫んび、「誕
生日の入国おめでとう!」と周りの皆に笑顔で紹介した。確かに私の誕生日であったが景品でも貰
えるならともかく…、と腹が立った。

      いい子ぶり  笑顔で通る  入国審査


 クェートの関税で捕まりそうになった。ダイナマイトの原料を持ち込もうとしている、と言い張
る検査官の前で、私はお土産の「羊羹」を食べて見せるしかなかった。

 ジャカルタの関税では、「裸の女の写真が掲載されている本」を取り上げられた。年配の係員が
来て、おいおいそれは「旅行のガイドブック」だからカネにならないよ、と返してくれた。砂浜に
横たわる水着の女性が引っかかったらしい。

 シンガポールで、私は如何にも隠し事があるように税関の前で振舞う役を割り当てられた。ワッ
と大勢の税関職員がわたしを取り囲んでいる最中に、同僚が工事で使用する機械類を持ち込む段取
りであった。大衆の面前でカバンを開けパンツまで広げてみせた私は密貿易に加担したことになる
のだろうか?

      いい子ぶり  笑顔で通ろう  税関を


 夫は癌保険には入っているので何とか癌ということにしてもらえないか、と言う奥さんに医者は
悪性の胃炎であるとしか言えない、とガンとして言い張った。最近の医者は融通がきかない、と奥
さんは嘆いていた。

        頑(ガン)として   胃炎は癌とは  胃炎(イエン)です

 


 この前海外旅行から帰ったばかりなのに、またまた、同窓会のメンバーで温泉旅行に行くことに
なったと女房殿がいう。海外旅行の疲れを癒すためだと言うが…。

        いいかしら?  勝手に決めて   念押され


 右頭に脳溢血を生じ左半身に軽度の麻痺を感じたNEPSのK社長はリハビリ効果もあり順調に回
復している。ところで真中のあれは麻痺しなかったか?と聞くと、「幸いあれは
右に曲がっていた」
と喜んでいた。

        リハビリも  右と左と  真中と 


 街角で古い友人にばったり会ったと奇遇を喜んだが、待ち合わせの場所で待ち人に会っただけと気
が付いた、と言うボケが始まった人の話を新聞の投稿欄で読んだ。私もどこか見覚えのある男が笑顔
で此方に近づいてきたので声をかけてみると・・、

        街角で   声掛けみれば    我が息子


 不景気を嘆く銀座のママが「今年こそ頑張ろう」と、きめパンはいて初詣でに行った、、と言う健
気で痛々しいお話のメールを元旦に頂いた。どんな願をかけたのかな?

      

         初詣で   併せた両手に   願あまり(初好 作)


 相変わらず、しょうもない駄洒落をいっては「止めな洒落」と自分で言っている堀籠課長が部下の秋
田君に言った。

  

         今夜は  会社内(かいしゃない)からね  残業だよ


 新任の部長の名は「有留(アリドメ)」であり,課長の「堀籠(ホリゴメ)」と、紛らわしいこと甚だ
しい。どっちか名前を変えろ、と言っているがちっとも言うことを聞かない。

         ありごめ  ほりどめ   あほどりめ


 潰れた会社を再興させる秘訣は、家庭円満にあり、「奇跡の源は女房」と説く「八起会の野田会長」の
話は面白かった。六畳一間に親子4人で転がり込んだ時「子供の顔がいつも
見えるようになって嬉しい」
といい、子供が悪い点数を持って学校から帰ってきたときは「私の血が混ざっていてごめんね」と、如何
なる時でも夫を立ってて、浮気しても殴っても反抗せずに付いてきて黙々と仕事をする奥さんのお陰だと
言う。

 そんな女性に出会うことの方が社長になるより難しいわい!

       社長業   たいがい女で   廃業し


 髪と眉が濃くて多い(おかっぱ頭で三馬鹿大将のリーダーみたいな感じの)H課長は最初の子供が出来た
時、本当にビックリした、と言う。産児室に連れて行かれると、看護婦に言われるまでもなく、異常に髪が
濃く眉も太い赤ん坊が自分の子だとすぐ判った。気持ちが悪い程自分に似ていたと言うことである。

       おれの子と   幸か不幸か   すぐ判り


 会社の一泊旅行で大部屋に寝ることになった。夜中に皆出たり入ったり煩くて一睡も出来なかった、と朝
起きて言うと、「あなたのいびきがひどく皆退避しただけだ」とか「児玉さんはいろんな音を出すので面白
かったです」と言われた。私には全然聞こえなかった。

 

       我がいびき   天使のラッパと   誉められた


 結婚式の披露宴で、ある人が尺八を披露することになった。頭をふりふりするが音はまともに出ない。誰か
が「わしの風呂場でする屁の方がマシだ」と言ったので会場の一画大笑いとなった、と言う話をきいた。

 その後、姪の三々九度が始まり、神官が横笛を取り出し吹き始めたがまともな音は出ない。私は前の話を思
い出して神聖な神前であることから堪えに堪え唇を噛み噛みもしたが、「ぷっ」とか「すっ」とかわずかに声
が漏れてしまった。

      神妙な   三々九度は    へ長調  


 当社九州支店の0氏は3回目の結婚でしかも出来ちゃった結婚であるにも拘わらず三度目の結婚祝金を会社
からしっかりと受領した。まだ一度も結婚できない者にとって不公平感がつのる、と正式な申し入れがあった。
私は、会社のルール上祝うべきものは祝う、が離婚の段階で返上すべきである、と仲裁したが、貰った本人は
使ってしまって残っていない、と主張した。どうでも良いような悪いようないい加減にしろ、と言うべき事柄
のような気がする。


       祝事なれど  三回目には    そっと出し
 新日鉄九州支店の保田部長の奥さんは気立て
良くエレガントな体育会系の美人であるが、奥さんの「あら(別名クエとも言う高級魚)を食べてみたい」と
いう願望を氏は結婚記念日にやっと叶えてあげた。帰りに請求書をみてビックリ、二人で6万円もした。

       あら食べた  女房が「アラーッ」で  おれは「ギョッ」だ

               (保田さん 博多「藤本」の鯨コースご馳走様でした)

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