4/3 2002掲載
by 時代
4月1日、月曜日、諏訪湖のほとりから歩いて15分あまりのところにある
指月庵に出かけてまいりました。
この指月庵は元は諏訪藩主の別邸であったのですが、製糸工業はなや
かなりしころに、シルク・エンペラーと言われた片倉家が手に入れたのです。
代変りのたびに相続税に悩まされたのか、規模も小さくなり、5年前からは
長野県の名所の一つとして、庭園と茶室を公開しています。
しかしただ公開しているだけでは、人がなかなか来ない、ならばお茶会をし
ようということで、私のお茶の先生がボランティアとして、年に1回か2回、
東京から諏訪まで出張して、略式の茶事を催しています。
で、弟子の私達が交代で、お点前やお客の役をするために、また台所で料
理をするために、諏訪まで行くのです。
指月庵に入る門は、重たそうな石門。その説明が下にあります。
今回のお茶事の最大の理由が「お雛様の掛け軸」です。
この片倉家には、香淳皇后が、天皇家にお嫁入りされる前にお描きになった
という立ち雛の掛け軸が下賜されているのです。
それで、1月遅れではありますが、亡き皇太后を偲ぼうという趣旨でこの立ち
雛のお軸をかけてお茶事をしたのです。
略式の茶事ではありますが、正客がお花をいけ、次客が香をたき、亭主が供
茶をして、床の間、掛け軸の前にお供えします。
また御膳もお供えします。
お客は拝復茶を頂き、御膳のお相伴をさせていただきました。
「良子女王」と自署されています。
その有り難いお軸を背に、お当番をやり終え安堵の亭主や客でございます。
さて、指月庵はといいますと、築山と池を残して後ろは税金を払うために売っ
てしまった(?)後に建てられたと思しきマンションです。
そして諏訪はまだ寒い、桃かしらと寄って行けば、梅でした。
そして桜はまだしっかりとつぼんだままです。
さて片倉家の優雅な住居の次は、片倉館という従業員用の温泉浴場です。
女工哀史に出てくる女工さんたちが入ったと言われる千人風呂、風呂の床
は、玉砂利よりずっと大きな石が敷き詰められていて、疲れた足を刺激した
ことでしょう。
同じ敷地内に、片倉館に関する2つの説明を見つけました。
一つは教育委員会の立て札。そこには、片倉家が従業員の福祉施設として
温泉浴場を建てたとなっています。
もう一つには、片倉家の二代当主が欧米視察旅行のときに、企業の地域貢
献を見て心を動かされ、この諏訪の地にもと、温泉保養施設と講演会や各種
会合ができる会館を併設した片倉館を建てたとあります。
これは片倉館の裏側。
そして温泉があるということは、間欠泉もあるということで、
足湯もあります。これは諏訪湖の前の公園に無料の温泉を楽しむ場所があるのです。
温かい日差しを浴びて、30分以上も温泉に足をつけ、ふやけるのに任せていました。
諏訪湖もなかなか広く、左から順次撮って行ったのですが、逆行で、湖の真中だけが
取れていません。
月曜日だったため、閉館でしたが、
ここにはセイコーの社長の故服部さんのサンリツ服部美術館があります。
ここには、国宝の「不二山」〔光悦作〕という茶碗や、大名物、「紹鴎茄子」の茶入れなどお茶関係の展示物が多数あります。
また北澤美術館には、アールヌーヴォーのガラス工芸がいっぱい。ガレの「ひとよ茸ランプ」など、ガレの作品がいっぱいあります。
新宿から、スーパーあずさで2時間とちょっとでした。
日中はお茶をしていてもこれだけみることが出来たので、普通に旅すれば、きっちり回れると思いますよ。
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