2/4 2004掲載

京都行きをレポートします・・・・・時代

ここ数年、毎年お参りをしているのが京都の赤山禅院(せきざんぜんいん)です。
妹のお友達がお参りをしだして、とても霊験あらたかだということで、
「お姉ちゃんもぜひお参りしたら」と勧められたのが最初でした。
そのおかげで細々ながらも仕事が続いてやってくるので、今度はやめられなくなってしまいました。
妹達が福岡に引っ越したので、もうお正月に京都に行くこともなくなったのですが、
これはやっぱりお参りに行っておいたほうが良いと、先週の福岡行きの帰りに京都に寄って来ました。
 
1番の飛行機で妹と福岡から大阪へ飛び、そこからは姪の車で一路京都の
修学院離宮北隣の赤山禅院へと向いました。
 
バス停”修学院道”から音羽川沿いに修学院離宮道を東へ進むと右手に赤山
禅院と書かれた鳥居があります。鳥居をくぐると緩やかな坂道があり、これ
をあがっていくと社殿の前に出ます。そこで下車して石段を登ると本殿です。
これが皇城表鬼門、比叡山延暦寺赤山禅院です
 
 
本殿屋根に祀られた皇城守護の猿。
この屋根の猿は、京都御所の鬼門守護
「猿が辻」の猿と向かい合っています。金網の中に入れられているのは遊びに
出歩かないようにという理由だそうですが、既に何度か遊びに出ていって、所々傷ついているそうな。
 
 
本殿裏に祀られた赤山大明神。都の東北表鬼門を守護する「方除けのお寺」でもあります。
 
いつもはお正月にお参りに来ていたので、人で大いに賑わっており、
お神酒を頂いたり、粕汁を頂いたりするのだが、今回は月曜日とい
うこともあってひっそりとしている。
寒い中で頂く熱い、熱い粕汁が
楽しみの一つだったのだけど、これはいたしかたない。
 
ここは日本最古の『都七福神』のお寺の一つで福禄寿が祀られています。
 
順路に従い各お堂にお参りする。福禄寿が祀られている五つ目のお堂横
のご朱印所で毎年「宝船」の色紙を買っていたので、
今年も買おうと思い
、まづは「今までに貯まった宝船はどうすればいいのですか」と尋ねたら、
「あれは1つあれば充分なんですよ」とのこと。がーん。
すかさず妹が「各部屋に飾ったらいいやん」。なるほど、それが良いとい
うことで今回は買いませなんだ。しかし、この宝船、部屋にあるだけで福
が来ているような気がしてます。
 
さて、お参りの後はお決まりのお昼。
大徳寺横の松屋で「みそ松風」を買った後、お昼をどこにしようかということになった。
「このまま走って行って嵐山の大河内山荘でお昼ってどうぉ?」「いいねぇ」
ということで走っていたが、ふと「でも電話で確かめたほうがいいんじゃない、今日は月曜日だし・・・」
確かに冬の間は土日だけだって。
 
そこで、次に妹が思いついたのが
「編集長にお薦めを聞こう。困ったときの編集長や!」
そして編集長のお薦めは、京都ホテルの中華か瓢亭のお弁当ということ。
私が「京都にいるんだから懐石が食べたい」というと、西に向って走っ
ていた車は東へ大きく方向転換。目指すは南禅寺。
 
1時半ぎりぎりに瓢亭別館にたどり着く。
瓢亭の暖簾をわけて入った建物の中庭に面した戸はガラス戸のまま。
冬だからといって襖が入れられてはいなかった。
中庭を流れる琵琶湖疎水の水も心なしか凛としていて、そこを泳ぐ鯉は
普通の池の鯉のように口をパクパクさせるで無く、ゆうゆうと泳いでいる。
京都の借景ならぬ借水をガラス戸越しに楽しめるようになっていた。
しかし、これでは暖房が効くわけもなく、懐かしのガスストーブがお座敷
にでんと座って懸命に部屋を暖めようとがんばるが、いかんせん京都の冬だもの間に合わない。
姪の貴子は寒い、寒いと言ってストーブにかじりつきっぱなし。
肉襦袢を1枚余計に着ている私だけが、寒さなど感じる風も無く幸せにお昼を
頂いたのでした。もちろん例の瓢亭玉子もしっかりと頂きましたよ。
 
瓢亭の松花堂弁当 これに白味噌仕立てのお椀、じゃこえのき入りのご飯、香の物がつきます
 
 
食後のお散歩は南禅寺。車を瓢亭の駐車場において、歩いて南禅寺へ。
五右衛門で有名な山門や名園を持つ方丈が建ち並ぶ南禅寺の境内に、なぜか
ヨーロッパ調のレンガ作りの橋がある、これが全長93メートル、幅4mの水路閣です。

 
この水路閣の脇の石段を登りました。
日ごろは観光客が多くてなかなか写真が撮れません。それにドラマや映画の恰好の
ロケ地にもなっていてこの石段すら通れないときがあります。
水路幅が2m弱の水路を疎水からの水がすごい勢いで流れていました
おまけに上は風をさえぎるものが何も無いので吹きさらし。うぅ寒!!。
その中を水路脇をずーっと歩いていくと、水路よりも南禅寺の庭のほうへ
吸い込まれて落ちていきそうな感じがしてきます。
 
琵琶湖疎水---参考
三方を山に囲まれ、その中心を鴨川と桂川が流れる京都は水に恵まれている。
しかし、この2つの川の水量は必ずしも十分ではなかった。そこで、琵琶湖から水を導く計画がされたのだった。
 
このアーチ型をした橋桁15基の中央の橋桁の下に立ってみると、左右どちらも
奥までずいっと見渡せるように、アーチの大きさが少しずつ狭まって建てられて
いるのがよく分かります。ちょうど鏡を2枚向き合わせたときに見える世界のよ
うです。南禅寺に不思議の国のアリスが遊ぶのかもしれません。
 
帰りに河原町の「村上重」でお漬物を買って、そうそう、そこで頂いた昆布茶が
冷えた体には何よりでした。その日のうちに東京に帰り着いて、お茶の稽古に顔を
出して、先生に姪のお薦め「フルーツ餅」をお土産にお渡ししてきました。
長い長い一日でした。

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