冬の高桐院 2001年2月
2月19日、京都の大徳寺・高桐院に行ってきました。
大徳寺は武藤和尚さんが若き日に住まわれた第二の実家とでも言うところでして、
私なんかが説明をするのは烏滸がましいのですが、そこはデジカメで撮影してきた者と
してコメントすることをお許しください。
(和尚さん、私の解説で間違っているところがあったら是非、訂正をお願いいたします)
高桐院は大徳寺内で公開されている三つの寺院の一つで、 細川忠興が父幽斎を弔う
ために、1601年に創建されたものです。
・正門前。
写真の女性は大徳寺そばに住むYさん。(歩いて5分のところ) 高桐院は彼女の一番のお気に入りの塔頭だそうです |
・客殿入口
正門から客殿への通路は大変雰囲気が良いです |
・建物入口 ・建物入口横の部屋
客殿入口を上がったところの庭と、それに面する室内です |
・本殿からカエデの庭1 ・楓の庭を部屋から
客殿から見る南の庭です |
・傾くカエデ ・庭の灯籠
いずれも客殿南の庭です |
後ろは竹藪で、夏に来ると蚊にひどくなやまされます、とYさんのお話でした。
・室内1
利休邸の部屋を移したそうです |
・書院
Yさんはここでぼんやりと物思いに耽りながら長い時間を過ごすことがあるとか |
・熊笹の庭
客殿からスリッパを履いて庭に降りました |
寺院では珍しい熊笹が茂っております。
・細川忠興ガラシャ夫妻の墓1
細川忠興・ガラシャ夫妻の墓です |
由紀子さんが見られたのはここの墓では?
利休から遺贈された灯籠が墓石として使われてます。
普通、大名の墓は夫婦別々に墓石は建てられると思うのですが、一緒の墓石になって
いるところに忠興の妻ガラシャへの追慕の深さを感じ、胸を打たれました。
ガラシャの墓に祈りを捧げるのは初めてのことでして、ひざまずいて拝みました。
感 無量でした。
(エリザベート皇后の墓にも詣でたいな・・・しかし飛行機に乗れないからこれは
かなえられぬ夢でしょう)
・細川夫妻墓横から
墓石に使われた灯籠は利休が大変愛したもので、秀吉に所望されたところ、自ら灯
籠の裏面を三分の一ほど欠いて「傷物であるため殿下に贈呈するのは恐れ多い」と
言って断り、切腹するときに忠興に贈ったということです。
利休と秀吉の凄まじいまでの確執、そして利休七哲の1人である愛弟子忠興への深
い愛着を眼前に見るような思いでした。
・本殿笹の庭から2
細川夫妻の墓がある方角からの客殿の眺めです |
・細川家代々の墓
忠興・ガラシャ夫妻墓の奥にあります |
数から見て、細川家歴代すべてのものではないと思います。
・手水石
加藤清正が朝鮮から持ち帰った王城の礎石を贈呈したもので、忠興は大変気に入
り、 参勤交代のたびに携行したそうです。
「家来たちの苦労も考えずに、ずいぶんわがままな殿様だこと」とのYさんの弁。
「殿様、あんたが背負って運んだら?と家来たちは思ったことでしょうね」とは私
の弁。
・古い茶室外観 ・古い茶室
茶室・松向軒です |
忠興が作らせたもの。利休邸を移築した隣にあります。
・高桐院全景
笹の庭からの客殿建物の全景です。
高桐院は楓が多いことから秋が一番見物だと思うのですが、Yさんは新緑の時が一
番好きだとのことでした。
一時間半もの滞在でした。