この手記は昨日、アルバトロス・クラブMLに流されたメンバーのものです。
あんまりひどいので、本人の了解を得て転載させていただきました。
そのメールでは店の名は実名で記されておりますが、穏当さを欠くのでここでは伏せ
させていただきます。
店の名を知りたい方はDMで、私、森脇久雄までお問い合わせ下さい。
「アルバトロス・クラブ仲間のメールからの抜粋」
さて、話はまったく別なのですが、先日経験した不愉快な事件(?)のお話を一席。
名づけて「食い物の恨みは恐ろしい」
頭に来たので実名で書いてやりましょう。
先の日曜日の昼前、家族でうまい豆腐が食いたいという話になった。乏しい知識で言
えばこのあたりでは(東東京)やはり、鴬谷の「笹の雪」だろう、などど考えている
と、妻が「HANAKO」を持ってきて、「車で行くならこれに載っている浅草の○○
という店にいってみたい。」というわけで、その店へ地図を便りに出かけたわけである。
12時10分到着。空腹である。
ところが、その店の対応が、最悪、というかここ10年で経験したことの無いほどの
ものであった。
その店は高級割烹「△△」の姉妹店で、その地下にあった。
暖簾とお品書きは店頭に出しているにもかかわらず、入り口は「準備中」。しかも店内
の帳場の表示は「営業中」。
中に入ってみると全て座敷席で、半数ぐらいが空席。
準備中ではないじゃないかと妻が声を掛けると中から、無愛想な、女将とおぼしき女
が出てきた。
以下はその女と妻との会話
妻:すいません。入れますか。
女:30分くらい待ちますよ。
妻:30分なら待ちますよ。
女、何も言わず奥へ。そのまま1−2分経過。
そこで、妻が30分ぐらい待てばOKだと我々(義母、息子、私)に伝え、それなら
ばとぞろぞろ入り口から座敷への上がり口に移動した。と、奥から例の女が血相を変
え小走りにやってきて、小声で独り言のように「OKってねえ、OKじゃないんだけ
ど..」
妻:「30分くらい待てばいいんですよねえ。」
女:「30分って言ってもねえ、何もしないで待つのは辛いですよ。」
これは果たして、帰れといっているのであろうか?
この時、この店は駄目だと引き上げればよかったのであるが、空腹には勝てず、また、
多少意地にもなって、30分なら待とうということになったのである。
我々:どこで待てばいいんですか?
女:そこで待たれては困ります。
我々:上がってもいいんですね。
女:無言。
別の仲居さんがでてきて、「靴箱はそちらです」と案内。
我々が、適当に靴をいれようとすると、
女:そこは予約のお客さんのところです。
とぶすっと、不愉快そうに一言いうと、そのまま奥へ。我々は、とりあえず別の愛想
の良い仲居さんの案内で、靴をしまい、空いている座卓についた。
いったい、今の態度の悪い女は何なのか?と妻と私で文句をいっていると、一向に注
文をとりにこず、それどころか茶も出てこない。もうすでにかなり嫌な気分になって
いたが、
それはまだ、序幕にすぎなかったのである。
20歳くらいの愛想の良い仲居さんが注文を取りに来た。
我々はミニ会席膳3000円也を、息子(3歳)には、刺し身丼を注文した。
着席後、5分経過。やっとお茶とお絞りがでてきた。
10分経過、やっと付出しがでてきた。
この後、一皿につき30分間隔で出された。
その間、他の予約の客には次々と、我々のメニューと同じ物が運ばれ、終わった客は
帰っていった。
例の女は、帰る予約客には「xxxさんはお得意様だから...」
などと愛想良く接し、我々への態度とは180度違っていた。
他の2人の仲居さんは、息子の相手をしてくれたり、愛想よく接したり、「お待たせし
ました」などと、いいながら配膳してくれたが、例の女はほとんどでてこず、でてき
ても、私の頭越しに息子の膳を置いていき、「すみません」の一言もない。店の構えか
らは想像できない粗雑な接客態度である。3皿目が出てきた後、ぴたりと止まり、約
45分が経過した。入店後もうすぐ2時間経過である。
さすがに温厚な私も、自分の頭のなかの何かが、ブツッと音を立てて切れて、息子の
相手をしてくれていた仲居さんに
「すみませんが、責任のある方を呼んでいただけないですか」
仲居さん:いま、たてこんでて、手が離せないようなのですが
私:手が離せないとか、そういう問題では無いでしょう。もう入ってからもう2時間
以上たつのに、待たせすぎでしょう。どこに昼飯に2時間もかける店があるんで
すか。
仲居さん:(ちょっと困って)言ってきますので少々お待ちください。といい奥へ。
その後また、無しのつぶて。
若い方の仲居さんをつかまえ、声をかけると、
「もう、すぐ次ぎがご用意できますので..」
私はもうぶち切れているので
「すぐ用意とか、そういう話じゃないでしょう。私は、責任者を、女将でも板長でも、
とにかく、呼んでるんです。予約してないから、時間がかかるのかもしれないけど、
それなら、何か説明があってもいいんじゃないか。それとも、あんたの店は予約の客
以外は、客じゃないのか?そう言うのなら最初から断って、上げないべきじゃないの
か。」
とまくしたて、
「まあ、あなたに言っても仕方ないね。こめんね。いま言ったことを、責任者に伝え
て、呼んできて。」
その仲居さんはすぐに奥に引っ込んだ。
また、2分経過。やっと、例の女のお出ましだ。
しかし、この女、座卓横に座るでもなく、立ったまま次の皿をならべたので、私も目
が点になって、一瞬呆然としてしまった。(この店は俺に喧嘩売っとんのか...)
次の瞬間怒りがわきおこり、
「ちょっと待て!始めから、通常のサービスができないのなら店へ上げるな!入れた
以上は客とちゃうんか。」
その女は不服そうにたったままで、「すみません」と言い捨てるとまた早足で奥へ引っ
込み2度とでてこなかった。
私は彼女が女将だと思っていたので、この店の経営方針、接客態度が信じられなかっ
た。
こんな店でも営業していけるとは....東京下町は異常や!
もう途中で出よう、金は食った分だけ払おうと思い、支度をしかけると、
残りの4品が全部一度に出てきて、並んだ。2度びっくり。ごねたら出すんか。もう
1分もこの店にいたくなくなった我々は、速攻ですべての皿を平らげ、帳場へ向かっ
た。
最後くらい、お詫びに出てくるかと思われたが、例の女は出てこず、
愛想の良い、年かさの方の仲居さんがレジに出てきた。
仲居さんは日本手ぬぐいを3本だしながら、「お詫びのしるしです。」
妻が「HANAKOに掲載されてますよね」
「はい、それでお見えのお客さんも最近は多いですよ」
妻:HANAKOには要予約と書いてなかったんですが、もし、予約しなければまず
いのなら、入り口で言ってくれればよかったんです。
仲居:いえ、予約無しのお客さまでもいいんですよ。
今日は何だか板場の段取りが狂ってしまって..申し訳在りませんでした。
私:そうならそうと、席まで説明に来てくれればこちらも納得して待てるんじゃ
ないですか。お互いのためでしょう。
妻:あの違う和服を着たひとは女将さん?あの人が最初に説明してれば問題なか
ったのにねえ。
仲居:いいえ、女将ではないんですが...(と歯切れが悪い)
私:店長か板長か、とにかく責任者に伝えといてください。味は良かったので残念で
す。
仲居:はい、ミーティングで話し合います。
そして、我々の長い、2時間半の昼食は終わったのであった。
後で、妻が、「だから下町の店は当たりはずれがあって怖いのよね。こんな店、接待じ
ゃ絶対つかえないわ。」
それじゃあ、君は家族を実験台にしたのか...ひえー。
その夜、妻はグルメHPを検索し、掲示板にことの顛末と、要注意店として投稿した
ことは言うまでもない。
こんな時、皆さんならどうします。
ちなみに、味はよかったです。ほんとうに残念でした。
2001年3月