2001年2月
宝塚歌劇のことを写真入りで簡単に紹介したいと思います。
2月8日、江口君推奨の星組公演「花の業平」を友人I.リエさんと一緒に観てきました。
歌劇場玄関のところからこのコンコースの両側にはおびただしいご婦人達の群。
待ち合わせをする人、ファンクラブ割り当てのチケットのおこぼれを頂戴するために待っている人
(私もかつて顧客の紹介で見知らぬファンクラブの人からチケットを求めるため、たった1人でここ
に立ったことがあります)、手に手にプラカードを持ったファンクラブの女の子たち、この中を男性が
通過すると背中や後頭部にすごい視線の集中を感じるのです。
同行の初めて来るI.リエさんも「凄い!独特の雰囲気ですね!」とタジタジの様子でした。
天上のシャンデリアが非常に豪華で、正面に大劇場の入口が見えています。
劇場内、2階ロビーの踊り場
ここからの階下の眺めは素晴らしい!
歌劇が終わると次のレビューまで30分間の休憩があり、観客らは外に出て喫茶店で
コーヒを飲みながら歌劇の感想を語り合うのです。
3階ロビー
ゴージャスな雰囲気でして、愛煙家の私にとって宝塚歌劇場の一番嬉しいところは、立派な喫煙
所が随所に設けてあることです。
前回「ルートヴィッヒ2世」の時は、このロビーをグレーの制服を着た音楽学校の生徒達がたむろし
ていて、とても目の保養になりました。なんせ、可愛く凛々しいのですから。
大劇場内は写真撮影禁止なので、パンフレットの一部をご紹介します。
「花の業平」の主役達です。業平が稔幸、高子が星奈優里。
高子の衣装についてI.リエさんから「あれって、天平時代の衣装じゃありません?」と私が江口君
に投げかけた質問をされました。
「そういう細かいことを言っていたら宝塚歌劇は成立しないの」と江口君に答えられたので私も同じ
ように返事しました。
素顔の稔幸
凛々しい風貌でしょう?
タカラジェンヌ全般に感じることなのですが、映画俳優やテレビタレントによく見かける単なるカワイ
子ちゃんというのはあまりおらず、皆、なにがしかの気概を持った知性ある風貌の女性が多く、そ
こに私はとても惹かれるのです。
ミーハーの集まりでは絶対にありません。
(ファンの中にはそりゃミーハーもいるでしょうけれど)
陽月華
江口君が目をつけた将来有望視される端役さんです。
ここで江口君がタカラジェンヌを可愛がっている、という本当の意味を説明しておきましょう。
江口君は既にスターとなっている女優にはあまり関心を示さず、端役の中から有能な人材
を見つけだすことに情熱を傾けているのです。
それは大相撲のファンが序の口からの取り組みを見続けてき、その中に将来大関、横綱
になる逸材を見つけることに喜びを見出すのに似ており、江口君は今までに、無名の時
代から目にかけていた子が後に有名になっていった経験を何度もしているそうです。
彼に励ましの言葉や演技に対する率直な批評をもらい続けてきた女優たちは、彼の恩義
を忘れず、また、有名になった後も彼の適切な感想、アドバイスを常に求め続けてくるそ
うで、だからこそ、彼が声をかけると時間の許す限り会いに来てくれるとのこと。
1月30日に江口君と飲んだとき、「タカラジェンヌを可愛がっていたら金銭的出費は相当
なものだろうに」と聞くと、「そんなことは全くない。彼女らは私にご馳走してもらうために
来るのではなく、話を聞きにくるだけなのだから、どんな安居酒屋でも喫茶店でも来てく
れるよ」と言ったのですが、そんな話をしていた9時過ぎころに彼の携帯にタカラジェンヌ
から「今練習が終わったところです」と電話が入ったのです。
「今日は誘ったわけじゃないのに、大阪に来ているということを知っただけでこのように電
話をしてくるんだ。彼女らとても義理堅いんだよ」と彼の言うのを聞いて、なるほど、と思っ
たものでした。
稽古風景
パンフレット(\1.000)を買うと、必ず、その演目の練習風景写真が載っているのですが、これがま
た実にいいのです。
宝塚歌劇について江口君が言った言葉、
宝塚歌劇を観たことはないからノーコメントで通す人はいい。
観たけれど、自分の趣味にあわない、と言うのもそれはそれでいい。
しかし観もしないで、やれクサイセリフだの、どぎつい化粧だの、ミーハーだの、
と否定的発言をする人間は許せない。
私もまさに同感です。
宝塚歌劇は関西の産んだ優れた文化です。
今や関西人となりきった私の誇りです。
因みに同行した歌舞伎大ファンのI.リエさんのメールの一部をご本人の了解のもと、ご紹介いたし
ます。
初めての宝塚歌劇は、案外自然に楽しめました。
どちらが好きかと聞かれれば、やはり、女形の歌舞伎の方が好きですが、
宝塚の独特の世界も、森脇さんが言うように「一見の価値あり」でした。