【美味しんぼ情報第一弾】
6/17 2000

編集部から大阪の美味しい店情報を出してくれ、としきりに催促が入るのですが、
グルメ通の皆さんと違って私は日本酒以外は食に関してはまったくの無関心派な
もんですからこれはと言う店を知らず、ほとほと困り抜いていておりました。

ところが先月、東京に行ったおりに本格的鯨料理の店を見つけましたのでそのこ
とをご紹介したいと思います。
関西に30年も住んでいながら唯一紹介する店が東京とは、いかにその方面に
疎いかがお解りでしょう。

kujira03.jpg 店の名前:浦霞と全国吟醸酒・三陸の味処「酒蔵・樽一」
住所:東京都新宿区歌舞伎町1?17?12浅川ビル
TEL:3208-9772?3

私の所属しているアルバトロス・クラブという団体が、鯨食文化と捕鯨問題につ
いてのシンポジウムをやるに際してこの鯨料理の店を利用したのですが、そこで
出た料理のバラエティの富んでいること!圧倒されるものがありました。
鯨は捨てる部分が無いほど完全利用できるということを聞いておりましたが、肉
だけではなく、それこそあるゆる臓物が何枚ものの大皿に盛り込まれ、上は脳み
そから下はペニスや睾丸(この二つはスライスされている)まで出てくるのです。
ペニスの海綿体は非常に噛みづらいのでボイリングを何度も重ねて柔らかくする
とかの工夫がされており、とにかくどの部分もこれ珍味というべきものばかりでした。

ただ、参加者の中の若い女性たちが「これペニスらしいよ」「この睾丸、ちょっと変
な味」と物怖じもせずに好奇心丸出しでぱくついているのにはいささか驚きましたがね。
もっともこれらすべての臓物の提供は我々のシンポジウムのための特別なものら
しく、一元のお客に出すことは滅多にないそうですが、ゲストとして出席された
日本を代表する鯨学者、大隅清治氏がここの鯨料理は日本一と太鼓判を押される
ほどの店ですから、鯨好きの人は一度行ってみる価値はありそうです。
鯨以外の他の料理も用意されております。

kujira01.jpg kujira02.jpg

なお、この店のオーナーは日本酒にこだわることでも有名らしく、なかなかお目
にかかれない銘酒が色々取りそろえてあります。巨大な冷蔵庫に保管しています
ので、品質が落ちていることは無いようです。店名のうたい文句になっている宮
城県の銘酒、浦霞は有名な酒ですが、この店で私らにふるまわれたものは極上の
ものでした。ただし、値段は張るらしいので、確かめて納得のうえ、飲みましょう。
私たちのときはお酒は無料だったので詳しい値段は知りません。
アルバトロス・クラブの人の紹介で来た、と言えば多少は便宜を図ってくれるか
も知れません。(いや、そんなことないかな?)

森脇久雄