7/2 2003掲載
森脇久雄
「11年前に出した手紙が・・・」
先週24日の火曜日、和歌山県橋本市まで行きながら工具鞄を忘れたために無為に引き返
したことはこの伝言板で記しましたが、その後の一寸したエピソードを記し忘れましたのでこ
こに書きます。(その橋本市の顧客の仕事は昨日午前中に再訪し、完了しました)
午後の高槻市での仕事を終えて夕方遅くに帰宅した私に家内が言います。
「読売新聞の和歌山支局の村田さんって人が電話してきたのだけれど心当たりある?」
「読売新聞?和歌山支局?村田さん?いや、全然心当たりが無いが・・・」
「熊野担当だと言ってたけれど、あなたの書いた手紙のことで問い合わせてきたみたい。今日、
あなた、和歌山の方に仕事行くって言ってたでしょう?何か思い当たることがあるのじゃない?」
「手紙?そんなもの読売新聞に送った覚えは無いぞ。今日、和歌山県に仕事に行ったのは事
実だけれど」
とそう言いながら私は工具鞄を忘れた自分のしくじりのことを家内に話しました。あきれかえっ
た家内は「きっとそのしくじりのことを耳にしたのではないかしら」と言います。
「アホな!なんで読売新聞みたいな大手新聞社が一調律師のささいなしくじりを取材しようと
するんだよ」
「じゃ、何であなたに電話してきたのかしら」
と家内はかなり不安な表情になります。
なにしろ、我が郷里、福岡では一家が皆殺しになるという不穏なニュースの横行する当ご時世。
少しでも日常性からはみ出す(新聞社から電話がかかってくること自体が家内には異常なので
す)ようなことが起きると不安がる家内です。
「熊野担当というのなら奥駈がらみの何かのことで僕の名が引っかかったのだろう、その支局
の電話番号を聞かなかったの?」
「聞いてメモしている」
私は早速、その電話番号に電話するとすぐさま担当の記者が出てきました。
色々聞いてみると、私が11年前にある本を読んで感銘を受け、著者に便りを出したその手紙が
読売新聞の連載ものに関連して取り上げられ、そのことで取材の電話をしてきたとのことでした。
その連載ものが掲載された朝刊(6/29)が一昨日、我が家に送ってこられたのです。その新聞
の記事内容は、小さな容量の画像では読みにくいので編集部に送らせてもらいました。
その本『紀州てんからとふるさと』の読者からの手紙はみかん箱2箱分の数になったそうですが、
その最初に届いたのが私の手紙であり、大事にとっておいてくださったそうで感激しました。
11年前といえども釣りには全然関心の無い私が惹き込まれるようになって読んだ本ですから
読売新聞の記者のインタビューにもすらすらと読んだときの感想を細かに伝えることができました。
創作に感動したらその作者にその気持ちを伝えること、これは大変よい効果があるようですね。