11/13 2002掲載
リワキーノ
<関東のよーこさんの体験記>
月夜野インターを出、猿が京に向かい車を飛ばす。紅葉の木立の向こうには、うっすら雪
をまぶした山々。・・う〜〜ん、いよいよ、法師温泉か・・・道が急に狭くなり、辺りには一面
の雪。抜群のロケーション。
突如思い立ち、180キロもの道のりを、ただただ好奇心にかられてやってきた私。
何はともあれ大浴場へ。
ガラッ
お、おとこばっか!!ど、どうしよう・・・
あ、いやいや、これこそチャンスに違いない。
ここをのり超えてこそ、『まんちん同盟』副会長としての面目は立つにや・・ある・・らむ??
ええい、ままよ。
おもむろに服を脱ぎ捨てるも、一気に浴場へ、ドボン!どこも洗わず、失礼をバ(^^;;
ふ〜〜。
落ち着いて当たりをさり気なく見まわすと、たくさんの視線が宙に浮かんでいた。
若い男は生真面目に首まで湯に浸かり。
中年男は、タオルで前を隠しながら風呂の縁に腰かけ。
高齢の男性は、モノ思わしげ。
東洋人二人連れ、丸太に腕をかけて何やら英語で話し合いながら・・・も、時折私と視線
が合う。
ま、よかろう。いちおう、皆こちらを気にはしてくれているようだ。
与謝野晶子も入ったらしき、120余年の伝統を誇る名湯は、さすが、男ばかりでも匂いた
つような風情。
湯けむり。
明りとりの窓から真っ赤な紅葉にちらちら雪が舞い、息をのむ美しさ。
次は女湯へ。
な、なんと、こちらは呆れるほどちっぽけなお風呂。無粋な窓も閉まっている。
それでも3・4人の女性たちが気持ちよさそうに湯に浸かっていた。
生まれついてのお節介よーこ。一人の女性に声をかける。
「大浴場入りました?」
「いえ、混浴はちょっと・・」
そっけない返事に、後が続かない。
そう言えば、法師の湯(大浴場)では、途中おばちゃんたちの賑やかな声が聞こえたは
ずのに・・・誰も女性は入ってこなかったっけ。
私の横。
目をつぶって静かに湯に浸かっていた女性に話しかける。
今日でこの温泉は3回目だと言う彼女、
「でも、法師の湯は入ったことないんですよ」
「あのお風呂、昔JRの有名な宣伝で、高峰三枝子と上原謙が入っていたお風呂なんで
すよね」
饒舌な人だった。
あら!そうだったの!!
そう言えば帳場の横に、レトロな写真が飾ってあった。この温泉だったのか・・
そうか、そうか・・
下調べなしでどこにでも出かけていくのが、いつもの私流。
それにしても、みんな、なんてもったいない。
せっかく遠くからやってきて、こんなちっぽけなお湯だけで我慢するなんて・・・!
やまさき代表。こりゃ、やっぱ、ま○○解放にはほど遠いでやんすよ、日本は<`へ´>
その人は、それでも心からお湯を楽しんでいるようだ。
「うちは息子も温泉大好きで、今はひとりであちこち出かけていくんですよ」
そんなことまで嬉しげに私に話しかけてくる。
帰り道、ふと立ち寄ったお蕎麦屋で、またその人に出会う。
「あら、よく会いますね」
彼女は家族3人で来ていたのだった。湯気の立つうどんを食べていた。
ふと傍らの息子さんらしき青年を見ると、知的障害者だった。ああ、法師の湯にもいたっ
け・・彼
混浴メリットのなかった夫がこう言った。
「よーこが出た後、急にし〜〜ん、となっちゃって・・・みんな凍ってたよ」
ん?どういう意味じゃ??
けっこう気をよくしてしまう・・わけにはいかないのだった、こんなことじゃいけない!
草まくら手枕に似じ借らざらん 山のいでゆの丸太のまくら 晶子
***
皆様。
法師温泉日帰りの旅、お奨めですよ♪
よーこ