11/5 2001掲載

秋の常照皇寺

 

11月4日朝起きたときに青空が見えるので急遽、常照皇寺の紅葉を見に行こうとい

うことになりました。家内が洗濯物を干すのを待って出かけたのは午前9時30分。

紅葉のシーズンゆえ、高雄で渋滞することを覚悟の上、淀川右岸のR171を北上し

たのですが、R9に入り、桂川を渡るとすぐに周山街道の名で有名なR162に乗り

入れ、ほとんど渋滞にも引っかからず1時間半ほどで高雄までやってきました。

渋滞しないのも道理で、高雄や栂尾あたりの紅葉がサッパリなため観光客が寄りつか

なかったのでしょう。こういう情報は正確に伝わるようですね。

一箇所だけ山腹が紅葉しているところがありましたが、鉄の錆びたような色で「うわ

ー、汚い紅葉!」と私が叫ぶと「こんなところに妹尾さん達なんか連れてったらあか

んわ!」と家内も地の関西弁で声をあげます。

 

高雄からほとんどノンストップのドライブで30分ほど走ると京北町に着き、そこか

ら約8分ほどで常照皇寺に着きました。

三度目の来訪ですが、いつ来ても心が落ち着き、穏やかな気持ちにさせてくれる所で

す。

寺院のたたずまい、在所の牧歌的な雰囲気だけのせいではなく、私の敬愛してやまな

い光厳院様がここに眠られているという意識がこのような気持ちにさせるのだと思い

ます。このあたり一帯がこの方の徳の高いオーラで包み込まれているような気になる

のです。

駐車場には車が6、7台停まっているだけで、ここもまだ紅葉の盛りを迎えていない

ようでした。
 

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御陵への道 山国御陵

常照皇寺は3度目の訪れですが、今回は最初に山国御陵の方に向かいました。山国御

陵には光厳、後花園、後土御門の三人の北朝系天皇が祀られており、まずこちらへの

参拝を先に済ませてと思ったのです。二礼二拍手一礼をして心よりの祈念を捧げました。

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御陵参拝路の途中から常照皇寺への道に入れます。

途中、見事な楓科の大木や風情のある枝張りぶりをした木があるのですが、いずれも

紅葉しておりません。紅葉のときはさぞや見事なことと思われます。

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鐘楼

鐘楼そばの紅葉はきれいでした。

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方丈前の庭

渡り廊下

この辺りの葉っぱは虫にやられたのでしょうか、傷んでいるものが多く、紅葉の色も

もう一つでした。

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代々住職の墓場?

光厳院様も歩かれたという裏山散策路を私たちは登ることにしました。散策路はこの

墓場の後ろを左に行ったところから登っていきます。

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墓場真上の山腹に生える紅葉

今回見る中で一番見事な紅葉でした。

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散策路途中からみる方丈

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散策路の登り

山の斜面は急なのですが、ジグザグ登りのしっかりとした道が続いておりますのでど

んな素人のハイカーでも登っていけます。

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尾根の上

尾根は広々としており、樹林が鬱そうと繁っております。標高はだいたい400メー

トル前後。常照皇寺からは150メートルくらいの標高差でしょうか。

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散策路から外れたコース

散策路はキチッと整備された遊歩道になっているのですが、やがて下りになる地点で

家内を待たせて私だけ道の無い尾根を登っていきました。

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そしてこれがとても素晴らしかったのです。

やがてたどり着いた最高点の向こうには広々とした風景が見渡せました。

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水門? 水門の中

約40分ほどの歩行の後、下山したときに墓場そばの山腹に水門のようなものを発見

しました。縦50センチ、横30センチ巾のもので、中を覗き込むと写真のような水

路が奥の方に広がっていっているのです。いったい、何の水路だろうと思いましたが、

管理人に尋ねるのを失念してしまいました。

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山門

午後1時半に駐車場のところに戻ってきました。

紅葉は盛りとはとても言えないような状況でしたが、常照皇寺の静寂さはいつ来ても

心が洗われるような感じでして、裏山の散策も大好きな樹林の中での程良い運動にな

り、とても充実した思いで帰途につきました。

帰りも渋滞に遭わず、帰宅は3時半でした。