11/22 2001掲載

晩秋の当麻寺

 

晩秋も押し迫った11月20日、当麻(たいま)寺の近くに仕事に行くことになりました。

せっかくなので当麻寺の紅葉も見てこようと、午後の仕事予約はこの顧客一件だけに

して奈良県北葛城郡に向かいました。

 

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途中通過した生駒市から眺められる生駒山です。

生駒山は奈良県側から見る方が山肌が美しく感じられます。

青と白のツートンカラーの造築物は第二阪奈有料道路です。筍ツアーの折りに編集長、

りんりん&らんらんさんを乗せて奈良に向かってぶっ飛ばした道路です。

 

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写真A

途中の平群町で長屋王の墓に寄りました。

平城京において一時期大変活躍した政治家でしたが、藤原氏の陰謀に陥れられて一族

と共に死に追いやられた悲劇の皇族です。

墓すぐ近くの斑鳩に住まわれた山背大兄王(聖徳太子の御子)と似たような運命であ

り、山背大兄王ご一家は蘇我入鹿の襲撃に対して一時、生駒山の中に逃れられたのに

またもや斑鳩に戻られて死を受け入れられたとか。

神式で礼拝し、今入院している友人、及びこの時節に外国を飛行機で飛び交う友人た

ちの無事を特に祈りました。

 

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写真B

當麻町に到着したのは途中渋滞は無かったのに寝屋川を出発してから1時間40分後

のことでした。

晩秋の午後遅くの陽光を浴びて二上山がくっきりと浮かび上がっております。

二上山山頂には大津皇子の墓があり、姉の大伯皇女(おおくのひめみこ)が、

 

うつそみの人なる吾(あれ)や明日よりは 二上山(ふたがみやま)を兄弟(いろせ)

と吾(あ)が見む

 

と詠んでおります。

最愛の弟が処刑されたその日に詠んだ歌だそうで、明日よりは、という言葉にそれが

ひどく現実感を感じさせると思われないでしょうか。

リンリン&ランランさん、我が姉が深く惹かれる歌だそうです。(私もですが)

この皇子を刑死に追いやった持統天皇は夕日に浮かび上がる二上山をどんな思いで見

ていたものだろうな、と我が亡父は良く言っていたものでした。

 

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写真C、D

当麻寺は七つの寺院が寄り集まった所で当麻寺という名の寺院は無いそうで(そばに

住まわれる顧客談)、境内のたたずまいもやや雑然としており、二上山を借景とするか

らこそ、実に美しい眺めとなっているように私は思います。

 

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写真E

境内の紅葉はイマイチでしたが、何気なく入園料を払って入った西南院(しょうなん

いん)の庭は素晴らしかった!

 

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写真FGH

書院に面する起伏のある斜面を一週する遊歩道は素晴らしい紅葉の鑑賞コースです。

崖のように植生する三本の紅葉は樹齢二百年を越すそうで、黄、橙、赤とそれぞれ違

った色を出すそうです。

特に坂道途中から眺められる紅葉越しの西塔の光景は素晴らしいです。

 

ここでバッテリーが切れてしまい、この後訪ねた奥院の素晴らしい紅葉の様子をご紹

介できないのは本当に残念でした。

でも当麻寺はいつ来ても何か心がしっとりとさせられるところです。