熊野の自然   2003.11.26

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友達二人を呼んでうつぼ鍋を食べるのでアニキもおいでよ、とかつらさんに誘われ、11月22
日和歌山県串本まで行ってきました。
午前中、仕事を2件片付けて午後12時半に寝屋川を出発したのですが、三連休の初
日とあって法隆寺から大和高田まで凄い渋滞。串本のかつらさん宅に着いたのは午後7
時10分でした。
かつらさんの友人NさんとYさんは私は初対面なのですがNさんは三王HPを見ていて私の
ことを知っているのです。二人とも田辺市からやってきました。
二人とも遠慮します、ということで画像はかつらさんのだけ。
 
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このうつぼはかつらさんが筒を仕掛けて捕獲してきたのです。
彼女、串本に赴任以来、しょっちゅう捕獲しているらしいですが、うつぼは歯が鋭く、噛み付
かれると大怪我をすることを聞いていたので「危ないんじゃない?」と言ったら捕獲したら筒
ごと冷蔵庫に入れてしまうのでうつぼは弱って噛みつく元気はなくなっているとか。(うわー!
かつらさんって残酷!)
解体されるまえのうつぼを見るのは初めてなのですが、うろこと言い、胴体の長さといい、もう
蛇にそっくりで気持悪いことこの上も無しという感じなのですが、かつらさんはまるで平気なよ
うでして出刃包丁でザックザック切り目を入れたり、ゾーリンゲンのはさみでジョッキジョッキと
骨を切ったりなど慣れた手つきで3枚におろしていくのです。
 
うつぼは小骨が多いと聞いているのですが、かつらさんは小骨が少ない部分を知っており、
そこを選んだのが画像の皿に盛っている分です。
でもこれだけでは4人分には足らないので、残りの小骨の多い切り身もかなり鍋に入れました。
骨を口の中でまさぐって外に出して食べるのですが、固い骨じゃないので結構苦も無く食べ
られます。
黄色っぽいうろこが気持悪く、最初私は食べられるかな、と危惧したのですが、鍋に入れて
煮ると色は普通の魚のようになり、気にならなくなりました。白身で淡白で上品な味でし
て、噛み味はプリンとした感じでアンコウやフグの感触に似ており、しかも新鮮なので物凄く
美味しいのです。何しろ、タダだもんね、とかつらさんは獲って食べなきゃ損とばかりに言います。
 
「頭のところが一番美味しいんだよ」とかつらさんはしきりに頭のところを勧めるのですが、蛇
の頭そっくりなのが頭だけになってもパクパクと口を開け閉めしていたのをたったさっきまで見て
いるのでとても食べる気にはなれず、固く遠慮したら「美味しいのになぁ」と言いながらかつら
さんは口を裂いて上あごからも下あごからも箸で器用に肉をそぎとってアフアフと食べるのです。
(かつらさんって悪食だったのだ!知らなかった・・・)
 
美味しいうつぼ鍋に酒も進み、ビールしか飲まない田辺の二人を尻目に私とかつらさんは
私持参の伏見の酒「月の桂」を二人して一升瓶空けました。(ま、私の方が6分ほど多か
ったと思いますが)
途中、かつらさんの上司から電話がかかってき、明日の急な仕事を命じてきたことに私たち
はいささかがっくりきたようで、それでいつもより酒を飲んだのだろうと思います。
せっかく遠いところを来てもらったのに明日はお付き合いできなくなって申し訳ない、と彼女
はひどくすまながるのですが、こうした予定した休暇が突然だめになるのは新聞記者の宿命
であり、私はいくらでも熊野で過ごす手立ては知っているので全然、何とも思いませんでした。
翌日は普段、とても行くことのできなかった熊野のあちこちを見て回ることができたのだから、
結果的には良かったのかもしれない、と私は今思ってます。
 
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本州最南端の地、串本の朝です。
前を走るのがかつらさんの車で友人たちを串本駅に送ってから古座川の奥に取材に行くの
です。
遠く左に見えるのは大島。松本良さんが大島の郵便局長を勤めていた頃はかかっていなか
った橋が見えています。
その良さんも退職後は山の中に引きこもって炭焼きをやっています。
かつらさんはうつぼ鍋に来てもらおうと思って何度も連絡をとったのですが、何しろ電気も水
道もない山奥で、しかも唯一の連絡手段である携帯電話がほとんど圏外の状態なのでと
うとう呼べなかったとか。新宮に居られる奥様もいざというときは電報で連絡をとるそうです。
 
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潮の岬もすぐの距離なのですが、海にはあまり惹かれない私は一路、熊野の内陸部を目
指して海岸線のR42を走り続けます。
橋杭岩のところでは車を止めて観ましたが、山陰の浦富海岸のときのような感動はありま
せんでした。海岸に関してはなぜか裏日本(これ、差別用語らしいですが)の海岸に惹か
れます。
ただ、昨夕、日が暮れかかるときに通った熊野市の枯れ木灘は別です。
 
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新宮市まで1時間ちょっとのドライブ。
そこから熊野川沿いに内陸部に入って行きます。
新宮から熊野川町までのR168は風光明媚な山間部の景色を見ながらの快適なドライブ
が楽しめる国道です。
画像は熊野川町にそびえる和気ノ森山。
二度登ったことがありますが、非常に複雑な地形の山であり、山の初心者は絶対に踏み
入れない方が良いです。私も二度とも新宮山彦ぐるーぷの玉岡さんに連れていってもらった
のです。
 
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熊野川は本宮町のずっと手前で十津川と北山川に分かれます。
急ぐ場合は十津川沿いに走るR168を行くのですが、今日は時間はたっぷりあるし、熊野
の桃源郷である北山峡を通って行くことにしました。
画像は瀞峡につながる北山川の眺めです。右にカーブする流れのところをウオータージェッ
ト船が走っているのですが、川面が反射して見えにくいです。
 
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ところどころの場所でしか離合ができないR169の狭い道はどんどん高度を上げて大峯の
山間部を上って行きます。
遠いのはもちろん、前面に見えるのも大峯とは別の山域です。
向こう側の山とこちら側の山の間の狭い峡谷部が瀞八丁ですが、道路からはまったく見る
ことはできません。
 
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南北の方角から見ると横に間延びしたように大きく、しかも平たく見える玉置山がここ玉置
口のあたりからは鋭い鋭鋒のようになって見えます。この形が私は好きですね。
しかし、このあたりは本当に道が狭く、崖は多く、運転に神経を使います。
 
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やがて立派な広い道路になって深い谷の上にかかる橋の上にさしかかったとき、私はあたり
の景色の素晴らしいのに魅せられて車を止めました。
9年前にこのトンネルができるまではR169はここで断ち切られていて北山側と十津川側は
行き来できなかったのです。



 
左右を見ても前後を見てもすべて山と谷ばかり。

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ここで初めて紅葉らしきものを山の上の方にに見ることができました。
 
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有蔵トンネルの入り口そばの狭いスペースに車が駐車しているのを見て私はピンと感じるも
のがあり、近づいていきました。

やはり!
自然歩道の標識が立っており、何とこの谷が立合川(たちあごう)峡谷であることを知ったの
です。
 
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沢屋(沢登りを主もにする登山家たちのことを言う)が全国各地からはるばるやってくる沢
登りの有名な谷なのです。
自然歩道と記してあるのだからちゃんとした山腹を行く道があるのだろうと思い、私は散策に
行くことにしました。
ただし、幻の滝のそばに行けるとは思わず、多分、どこか上方から滝を見られる場所がある
のではと想像しておりました。この急激にそそりたつ峡谷をこの高度から谷底に下りる道なん
てあるようには思えなかったからです。

 自然歩道入り口のところから橋を見るとなんだか餘部鉄橋のことを思い出してしまいました。
車は駐車するスペースが無いので橋のど真ん中に止めました。ほとんど車が通行しないの
で問題は無いと思います。
 
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途中から振り返ると橋が樹間から見えます。
樹木が無ければ駄才さんが載せてくれた高千穂峡のアーチのような光景が写せたでしょう
が、この縦間越しも悪くないと思いました。

 元々深い谷に面した山腹の道を行くことはわかっていたのですが、だんだん、崖が急になって
き、最近、大峯の高所を歩いていないために高度感に慣れてない私はだんだんと恐くなって
きました。元々私は高所恐怖症気味のところがあるのです。

 
道はしっかりしていますが、つまづいたり、こけたりして踏み外したら絶対に一巻の終わりとい
うような凄まじい高度なのです。なるべく谷側を見ないようにしながら足元だけを注視して
歩きました。

 
20分ほど歩いたところで滝の落下する大きな音が聞こえ出し、これが標識に乗っていた幻の
大滝ではないか、と思ってから約5分ほど行ったところで急に明るく開けた場所になり、
「大滝」の標識がありました。

 
しかしそこからは大滝は見えず、音がゴーゴー聞こえるだけです。
振り返ると橋があんなに遠いところに見えます。
標識があっても大滝が見られるところまで降りるためのはしご段とかしっかりした段差のある
降路は無く、樹木の茂ったところを木につかまりながら降りて行く方法しかないようで、登山
靴も履いておらず、ザイルなどの登山用具も何も持参していない私は即座に降りることを
断念しました。
先達を辞めて以来大峯歩行から遠ざかって鈍ってしまった私の登山技量や勘なんかを私
は全然信用しておりませんでした。
 
立合川峡谷の様子については下記のサイトをご覧になってください。
写真が載っています。
 
http://www2e.biglobe.ne.jp/~TMIYATA/020914.html
http://www.geocities.jp/shinzan_yuukoku/tatiagou.htm

 
慎重な歩行で橋まで戻ってきた私は車を走らせ、上瀞峡のところで再び車を止めました。

 
この画像は望遠で撮りましたので近くに感じますが、車道から覗き込むとかなりの高度感が
あります。

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小森ダムを過ぎるとダム湖の前に広がる北山村の保養地に来ます。
キャンプ場や温泉やレストランなどがあり、小さいながらもちょっとしたリゾート地という感じです。

 
このあたりの画像はこの吊り橋の上から撮ったのです。
バイクだけでなく、軽自動車も通れるようです。
 
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これから向かう上流の方の景色です。
このあたりから上流が奥瀞と言われる地域のようです。
 
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湖水は浮遊物が何一つ浮いてなく、とても美しいです。
 
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雲ひとつ無く澄み切った秋晴れの天気もこの北山峡の景色を美しくしているようです。

 
やがて七色峡のところにやってきました。
川の色が季節ごとに変化するのでこの名がついたそうです。




広い道路に車を止めて、川床に降りていきました。
岩盤とエメラルドグリーンの川面の組み合わせが印象深い眺めです。


七色ダム
 
右のとんがった山は日暮山。17年前に初めて新宮山彦ぐるーぷの団体登山に参加したと
きに登った思い出深き山です。
日暮山のすぐ左奥に広がる山々が6月の蛍祭りの帰りに寄った大丹倉(おおにぐら)の絶
壁を囲む山域です。
 
この北山村はどこからやってくるにしても狭い離合のしにくい道を通ってこなければならず、
なかなか気楽に近づきにくいところなのですが、それだけ俗化されることがなく、静かな桃源
郷のような雰囲気を保っております。
 
熊野市五郷でR309と合流したR169は二車線の広い一級の国道となり、スピードアップし
て北上します。そして池原ダムのある池原から約10分のところの前鬼口から前鬼林道に乗
り入れます。
前鬼へ行く途中にある不動七重の滝をデジカメに収めて皆さんに紹介したかったからです。


 狭い林道を走ること15分で不動の滝の展望所に着きましたが、ご覧のとおり日なたと日陰
の強い落差の影響できれいな写真が撮れません。



 やむを得ず、日なた部と日陰部を露出を変えて撮りました。
隠れた部分も含めて全部で7つの段差を持つので七重の滝と言われています。
展望台から約300メートルのところにあると記せば、いかに巨大な滝であるかがお解かりでし
ょう。
車道から見える数少ない大峯の大滝です。
 


奥駈や登山のときはいつも時間が無く、やり過ごしていたこの大滝の傍まで近づく散策路を
今日は行くことにしました。
展望台から前鬼口の方にわずか下ったところまで行き(前鬼口から来る場合、最初のトン
ネルをくぐったすぐのところに標識がある。ただし、車は詰めても4台しか駐車できない)、そこ
かからしっかりした段差のある降路を伝って谷に降ります。
しっかりした吊り橋があるのでそれを渡って向こう岸に渡ります。

 
後はナメ滝のある岩盤の上を通って行くのですが、このあたりは大峯の沢登りの雰囲気を
味わえます。



 
日差しの関係で白い部分と黒い影の部分に分かれている正面は切り立つ崖です。

 
このあたりから川床から離れて山腹の道を登っていきます。

 


段差やハシゴ場がしっかりしていて普通のタウンシューズでも登れる安全なコースですが、か
なりの高度を登るので運動不足の人にとっては相当に辛いかも知れません。

 
車道から歩くこと約20分後、ついに念願の大滝の展望台に来ました。
一番上部の落ち口の画像です。

 
凄い迫力です。

 
岩盤のもみじが印象的。

 下段の滝です。

 
虹が・・・
 
これが大峯前鬼の不動七重の滝です。
 
深い満足感を持って私は引き返し、車に戻ると後は一路、寝屋川の我が家を目指しました。
 
※この前鬼林道は崖道が多いにも関わらずガードレールが無いところが多く、しかもカーブ
の連続ですのでカーブした坂道を自由自在にバックできないドライバーは近づかない方が良
いと思います。

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