12/18 2001掲載

by 和尚

<ピェンロー>

料理講座、随分ご無沙汰しましたが、今回は、中華風白菜鍋、その名もピェンロー。

実に簡単素朴だが不思議に美味しい。寒くなって白菜が美味しくなると、我が家では親よりも子供たちが言い出す鍋です。
他の鍋なら余りがちな白菜がずっしり大きい1株がペロリとなくなること請け合い。

さて、、、、



実は、この本からの受け売り。
受け売りといっても、この本を買ってから6年、実際に一冬に3,4辺はやっています。
先日も、進藤研修所の野良仕事のときにこれを作ったら、大好評でした。
 
裏表紙にホラ。



で、226頁が



224頁からの本文は、面白いのだけど、長いので適宜抜粋します。
(著作権法にひっかかるかしら? でも、自分の紹介した美味しいものを皆が喜んで食べるのだからきっと許してくれるでしょう)

以下、引用

扁炉(ピェンロー)
・・・「扁」とは「ささやかな」とか「素朴な」という意味だそうだ。文字通り中国の”素朴な白菜鍋”だ。・・・・・
 まず6人前の材料。白菜1株。(5センチにザク切りし、根っこに近い白い部分とグリーンの部分を分けておく)
 干し椎茸50グラム。(水に浸してもどしておく。もどした水はダシが出ているから捨てるのはモッタイナイ。当然これは使う)
 豚肉500グラム。(バラ肉の薄切りを食べやすい大きさに切る。ロース肉出ないほうが良い。一人分100グラム見当)
 鶏肉500グラム。(モモ肉を一口大に切る。一人分100グラム見当。脂肪分を気にしない若い人には手羽先でも結構。ササミは味が出ないからダメ)
 春雨1袋。(水にもどし、鋏で適当な長さにカット。中国産の山東省龍口の”緑豆春雨”がいい。溶けてドロドロにならない上等品。手に入らなければ、ビーフンで我慢してもいい)
 胡麻油(精製した極上品より、普通の胡麻油。色が付いていて香りの強いもののほうが適当である)
 調味用の粗塩(精製した卓上塩でないほうがいい)
 一味唐辛子粉、少々。
・・・鍋に白菜の白い部分を放り込み、タップリ水を注ぐ、そのとき椎茸をもどした水も忘れずに使う。
 沸騰してきたら、豚肉、鶏肉、椎茸を全部ぶち込み、胡麻油を大匙4拝ほどタラタラ。
・・・しばらく煮て、途中で取り分けて残しておいた白菜の青い葉っぱの部分を追加する。・・・
 この鍋は、日本料理の白菜鍋と違って、白菜がクタクタになるほど煮たほうが美味しい。煮る目安は四十分。ただ煮るだけ。・・・
 最後に春雨を入れる。春雨は煮すぎないこと。
 食べる直前に、もう一度胡麻油をタラタラと”の”の字を書くようにタップリと垂らす。これでピェンローは出来上がり。
 という具合に作り方は簡単だが、作り方より食べ方が大事。
 鍋の中は味付けをしていないから、食べる本人が各自で味をつける。自分の碗に塩と唐辛子粉を入れ、鍋の汁を掬って溶かす。これをつけ汁にして食べるわけだが、この鍋に限っていえることは、少し塩加減が濃いほうが美味しい。・・・・
 食べ方でもう一つ注意することは、お客に「汁は飲まないで下さい」ということ。
 後でこのスープに御飯をいれて”ピェンロー粥”を作るために必要だからだ。・・
 とにかく、残りスープで作った粥は、満腹の人もパスできないほどの味で絶品である。
 熱い粥を食べるとき、冷たいベッタラ漬で舌を冷ましながら食べると、さらにウマイ。
 蛇足的にいえば、間違ってもネギや人参、春菊などを加えないこと。これはみんな何度かの経験で失敗済み。野菜は白菜だけにしてほしい。

 引用終り

 我が家での経験を付け加えると、春雨はスープを吸ってしまうので、あとの粥を楽しみたいときは入れないか、入れても少しだけ。
 粥にしないで、腰の強い蕎麦(”きね打ち蕎麦”というのがお奨め、韓国冷麺もいいかもしれない)を温めて、この具とスープをかけて食べるのもイケます。

 最後に自慢をひとつ。私の持ってるのは

著者直筆のサイン入り。

ちなみに、この本、文芸春秋社¥1,700です。