7/18 2001掲載
柴田由紀子
その絵に初めて出会ったのは京都祇園町にある小さな美術館《何必館)》でした。
小品が5〜6点あったとおもいます。その絵の前に立つとなぜか心が静まりました。
「もっとゆっくり観ていたい」でも旅先のこと・・・心を残しながらたちさりました。
今年の春「田舎を歩こう!!!」とお弁当をもって出かけた石釜でまたその画家の絵
に出会ったのです。《るうえ美術館》に優しいその絵があったのです。
個人の別荘を兼ねた美術館のお庭でお弁当をひろげて、調べる内に、その画家
香月泰男の美術館が山口県三隅町にあることを知りました。
「どうしても行きたい」地図でみるとすごーく不便そうな山陰の田舎の町に、新幹線
やら山陰線やらタクシーを乗り継いで、やっと辿りついたところ、なんとなんとの臨
時休館日。そういえばインターネットで検索したとき,一番下に臨時休館日ありと小
さく書いてありました。
7月14日からりと晴れあがった土曜日についに念願を果たしました。
心やさしく、頼もしく、めちゃくちゃ愉快なよいよい会3年4組のメンバーで
グルメあり温泉ありの日帰り美術館ツアーでございます。
写真ドライブコース1、2
9時に福岡出発
布刈で一休み、関門橋を渡ったのは生まれてはじめてです。行き交う船も珍しい。
12時前には美術館到着予定にも関らず,我侭なおなか虫の主張にまけて,昼食予定
地,ホテル西長門リゾートに直行。日本海のエメラルドグリーンの海、白い砂浜。夏
だね。子供達は早海水浴。向かい側の角島は魚業が盛んな島なので,本格的にお魚が
食べたい人は去年かかった新しい橋ですぐにいけます。新鮮なお刺身おいしかったで
すよ。
写真3、4、5、6
ホテルから約一時間青々とした田んぼのなかの高台にモダンな美術館はすっきりとそ
びえておりました。わくわく。ここで皆さんよく後存知とは思いますが,香月泰男の
ことをざっとご紹介いたします。
明治44年三隅町で生まれる。
代表作シベリアシリーズ(シベリアに抑留中の暗く激しいタッチの油絵)
山口立県美術館に展示
シベリアより帰還してほどなく故郷三隅町に戻り、生涯故郷を離れることなく
沢山の油絵、素描、版画,彫刻作品を残した。
写真7、8、9
シベリアシリーズにも花や昆虫の素描にも命に対するいとおしみが溢れ、あらたなエ
ネルギーをもらったような気がします。
<作品>
とんぼ | えい魚 | コスモス |
アトリエにかかれていたことば
写真一瞬一生
一瞬に一生をかけることもある
一生が一瞬におもえるときがあるだろう
三隅町は山紫水明の町、静かな温泉郷です。
町営のお風呂でさっぱり汗をながした帰り道、向日葵が綺麗でした。
写真11