1/22 2002掲載

by 内田利博

やっと、名古屋で挨拶回りも終わり、余裕が出てきました。
さすらいのサラリーマン 名古屋編。

第一弾は「稲本」。
名古屋市中村区日吉町22 TEL:052−481−2231



希世の英雄"太閤秀吉"を生んだ尾張中村の地で、
ゆかしい伝統を誇る老舗「稲本」は、日本建築文化の
粋を集めた佇まいの中で四季折々の懐石料理やお
茶料理を賞味できる、近来では貴重となった料亭です。

桃山の間、山ヶ家間、羽衣の間、妙高閣といった、
往時の風情を残したそれぞれの部屋は必見の価値があり、
また門構えは名古屋都市景観重要建築物の指定を受けています。
この度の献立は「名古屋中村風懐石」と銘打ち、かの時代の
名古屋情緒を盛り込んだ拵えをしていただきます。
昔なつかしき名古屋の味とはいかがなものか、それは当日の
お楽しみとさせていただきます。

名古屋メモ:
江戸時代から続いた大須の旭遊郭は、市街地の
拡大から移転問題がしばしば論議された。
明治39年、県会で移転の建議がなされたがなかなか
決着がつかず、その間には政財界をも巻き込んだ
汚職事件をも起こした。
大正12年4月1日にやっと誕生した中村の新遊郭は、
その後目覚しい発展をして、東洋一のネオンの不夜城と
呼ばれるほどの一大歓楽地となり、最盛期には、
貸し座敷138軒、娼妓2000人を数えたという。


写真:

inamoto02.jpg 稲本玄関


稲本室内

昔のラブホテルですね!大正8年から4年間かかって出来たそうな。

inamoto04.jpg 稲本女将さん

姓は稲川だそうで、稲川の本家で「稲本」と言うそうです。
彼女のお父さんが造ったげな。

料理

1.座付 白子豆乳寄せ

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鱈の白子を豆乳と卵で蒸し固めズワイ蟹の内子をのせます

2.前菜
小鯛笹寿司 床節 梅くわい 鮟肝 松葉串 牛乳豆腐

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牛乳を吉野葛と合わせ、胡麻の香だけを付け、火にかけて30分ほど練ります。

3.椀
蛤真丈 神馬草 日の出人参 木の芽

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4.造り
寒ぶり 鮪 牡丹海老

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5.煮物
ずわい蟹黄金煮 聖護院大根 ほうれん草

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6.合肴
名古屋コーチン味噌鍋    水菜 葱 焼き豆腐

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地鶏と中村区産の水菜を使い卵のタレにからめて頂きます。

7.焼物
アラ西京焼 ふきのとう 椒

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西京(京都)の甘めの白味噌に一日漬け込み焼きます

8.酢物
牡蠣南蛮漬け わかめ 玉葱

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牡蠣を油で揚げ、唐辛子や葱(東南アジア風味付け)と共に酢漬けにします。

9.食事
アサリご飯 磯部茶仕立て と 香の物 長大根

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庄内川河口で取れたアサリを炊き込み飯とし、三河湾の青のりを
たっぷりと使った出汁で茶漬けにします。 

10.水物
くるみのムース 苺

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おわり