3/19 2008掲載

by 内田 利博

3月11日付けの地元の山陽新聞のコラム『滴一滴』
 
「あれ食べた?」。岡山県北の美咲町近辺では、こんな問い掛けが
あいさつ代わりになっている。町が一月に売り出した「卵かけご飯」の
ことである。
 
 第三セクターが運営する卵料理店「食堂かめっち」の看板メニューで、
町内産の棚田米や卵などを使っている。地元出身で明治期を代表する
ジャーナリスト岸田吟香が、卵を広めたとの説にあやかった。
 
 評判は上々。町内外から大勢の客が訪れ、順番待ちの列ができる
ほどだ。気を良くした町は近く二号店を出す予定で、地域活性化の期待が
膨らむ。卵かけご飯がなぜ、そんなに受けるのか。庶民感覚で楽しめる
「B級グルメ」ブームの影響だろう。
 
 B級グルメは広島市のお好み焼き、神戸市の「そばめし」など全国に広がる。
岡山県でも備前市日生町のカキオコ、笠岡市の笠岡ラーメンなど人気が
定着し、町おこしに貢献する例が増えている。
 
 単なるブームではなさそうだ。籍満博・古川一郎編「『B級グルメ』の地域
ブランド戦略」は、企業誘致、地場産業再生に続く地方活性化の「第三の
流れ」になりつつあると指摘する。理由は大量消費時代を経て、人々が
地域に根ざした食に深い関心を寄せ始めたからだ。
 
 成否の鍵は住民が握る。大きな産業化などあまり意識せず、地域の人が
楽しみ、周りにその楽しさを振りまいていくことが大切だという。
 
     ‥‥‥
 
で、その「食堂かめっち」だ。
 毎週、仕事で津山に行っているが、その途中にある国道53号線沿いの
ここは昼飯に丁度いいのだ。
 

53号線から200mほど入るのだが、その間はこんなのぼりが
20本ほど立っている。
 
これが「食堂かめっち」だ。
 


店内。まぁ、田舎の食堂ですね。

            調理場の上には、卵かけご飯の美味しい食べ方が
            書いてある。
 

メニュー。単純で解かりやすい。これしかない。
 

定食。300円で卵、ご飯はお代わり自由。
      
       「食べ過ぎてお腹を壊さないように」との
       注意書きあり。
       ねぎ、のり、しそを好みに応じて卵に混ぜるのだ。
 

オムレツ。200円。これはお代わりなし。
 

すぐ側には美咲町物産センターがある。まあ、道の駅ですね。
       
        住所が美咲町亀甲(かめのこう)で「かめっち」なのだ。
        近くには巨大な亀の形をした亀甲岩がある。
 

店内はこんな感じ。夕方なので皆売り切れ状態。
 

昔風の味を醸し出す、たくわん。
 

岡本栄さんの作った「さば寿司」。おいしいぞ。
 

児島千代子さんの作った「ふれあいおこわ」。これもおすすめ。
 

隣にある石焼芋屋さん。
 
 国道53号線は岡山から鳥取までの幹線道路。北へ1時間半ほど
車で走った所、津山の手前の町が美咲町。平成18年の合併前は
岡山県久米郡中央町。ここには日本棚田百選に選ばれている棚田が
二つもあるのだ。
 
 岸田吟香(ぎんこう) 1833〜1905
  日本最初の新聞記者であり、水溶性目薬の製造販売、江戸横浜間の
  定期航路の開設などをしたそうな。
  卵かけご飯は誰でもやっていたと思うが、かれが最初だそうな。

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