4/23 2008更新

電車2題

散歩のついでに今日もシャンゼリゼのカフェテラスでアイスコーヒー
を味わってきました。この「通り」本当は「○○中央商店街」というの
ですが少し味気ないので、勝手に「シャンゼリゼ」と命名し、パリの
雰囲気を楽しんでいる次第です。
お店は勿論例のドトール、200円でパリを感じさせてくれる貴重な
場所なのです。
いつもは静かなテラスなのですが今日は二人のキャリアウーマン
が声高に話しています。
「最近の若い娘、電車のマナーなってないわよね。電車の中で
化粧したり、大きな声で話したりでいい迷惑だわ。昨日なんか
高校生の4人組があまりに大きな声で話しているものだから、
にっこり笑いながらもう少し静かにしてねと注意いたのよ。
そしたらおとなしくなって助かったわ。注意するときはやっぱり
にこにこ笑いながら声を掛けると効果的だわ・・・」
この「注意するときは、にこにこ笑いながら」というフレーズには
一本参りました。根が単純なせいかストレートにものを言って
失敗した事も何度かありますので非常に参考になりました。街を
歩いてもいろいろと勉強になることがたくさんあります。

電車のマナーでは私も一つだけ経験があります。
もう2〜3年前の話ですが、電車で腰掛けていると、隣にドスンと
音がするくらいの勢いで一人の若者が腰を下ろしました。
ゲームセンターで大声で騒いでいるのを良く見かけるようなあまり
風体のよくない若者です。
足を大きく広げ「少年ジャンプ」を前に突き出して読み始めました。
周りの迷惑などどこ吹く風の今で言う「KY」の典型です。
注意をしてもまともに人の話を聞くような顔ではありません。そこで
小生一計を案じました。小道具はハンカチです。
コホンコホンと空咳をしながらハンカチで口を押さえ、その若者
にだけ聞こえるようにこう呟きました。
「また血痰だ、胸の病気が再発したのかなあ」、しかし血痰という言葉
が分からなかったのか何の反応もありません。そこで分かり易い言葉
で再挑戦です。「コホコホ、あ!血を吐いてしまった。ハンカチが真っ赤
だ!結核がまだ治ってないのかなあ。ひどく胸が痛・・・オレももう駄目
・・・コホコホ・・・」
やっとこちらの意図を理解してくれたようです。私のほうを気持ち悪そう
に見ながらそっと少年ジャンプを閉じ、そっと立ち上がって電車を降りて
いってくれました。周りの人にはこの「寸劇」、分からなかったようなので
ほっとしました。それにしても小生のこの行動、人様に褒められるような
振る舞いではありませんのでどうぞご内聞に・・・
では又・・・

4/4 2008掲載

今日は近くの公園で一人で花見を楽しんできました。
まだ少し時差ボケが残っていますが、年のせいか
昔より回復が早いような気がします。

「初春の中欧道中記」

飛行機の出発が遅れてプラハに到着したのは予定より6時間
遅い午前零時過ぎ、バスに乗り込むときには雪も散らついて
「春のヨーロッパを楽しむぞ!」は多難なスタートでした。
翌日も朝から雪で、念のため着ていった厚手の皮ジャンパー
が大いに役立ってくれました。ただ気候が変わりやすいこの
時期、3日目から急に「春だぞ!」になって重い革ジャンパー
はすっかり邪魔になり薄いブレザーが出番です。
「邪魔だなあ」と言いながらホテルのロッカーに掛けるときには
「人間て勝手だよな、昨日まではあんなにありがたいて言っていた
のに・・・お前も気をつけろよ」と皮ジャンパーが傍らのブレザーに
ぼやいていたのが聞こえてきました。

プラハの思い出は「軍事博物館」です。プラハ城の近くにあり自由
時間を利用して訪ねることにしました。カレル橋を再び渡りお城を
目指して登って行ったのですが、「大体あの辺」の道を一本間違えて
行けども行けども城壁の中に入ることができません。結局プラハ城を
見下ろす丘の上にでしまい、散歩をしていた地元の人に道を教えて
もらいながら、1時間近く歩いてやっとのことで博物館に到着です。
「アアくたびれた」と入り口で入場券を買おうとしますが、辺りは閑散
として看板が出ているだけです。
「修復工事も終了予定、3月28日から開館します。またのお越しを
期待しております」
今日は3月27日・・・「またのお越し」は10年先になりそうです。
プラハの中心街はこじんまりとまとまって石畳の道が縦横に伸びて、
とても歩き易い街でした。ここはお勧めです。
翌日からブダペスト、ゲッレールト温泉とドナウ川のクルーズが素敵
でした。

最後は勿論ウィーン、目玉は国立歌劇場でのバレエ鑑賞です。
小生も一応ネクタイを締めて「馬子にも衣装」でいそいそと出かけ
ました。席は2階のボックス席です。ただ添乗員が「ボックス席でも
後ろの列なのであまり期待しないでください・・・」、その言葉通りで
舞台が良く見える前の列と後ろの列では「天と地」の違いがあり、首を
斜めに長く延ばさないと舞台の半分も見えません。前の列は気難し
そうな地元のご夫人達であまり接近もできません。お蔭で終わる頃
にはすっかり首が曲がってしまいました。

そこで一句

  白鳥が 踊って首筋 硬くなり

(選者の言葉)
今度はウィーンですか、海外もいいのですが蒲田駅で1,050円で
買ったというあの自慢のバッグで行ったのではないでしょうね。あの
バッグだと駅でもどこでも盗られないという安心感はありますが、
ゴミ袋とか使い古しの雑巾と間違われて捨てられるという心配があり
ますよ。充分気をつけてくださいね。
 それはさておき、この作品、世紀末のウィーンを見事に描いています。
美しき青きドナウで白鳥が舞い、これからの動乱の一世紀を予感させる
まさに「静と動」のコントラストが見事です。「第3の男」でオーソンウェルズ
演じるハリーがちょっと唇を歪めて「鳩時計さ・・・」と皮肉っぽく言うあの
シーンまで連想させ、名人耕ちゃんならではの印象的な俳句ができました。
名句です。
では又・・・
 
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