徳永瑞子さん=中央アフリカでエイズ患者を21年間支援

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ひと:徳永瑞子さん=中央アフリカでエイズ患者を21年間支援
毎日新聞 2014年06月05日 東京朝刊

◇徳永瑞子(とくなが・みずこ)さん(66)

 3月、武装勢力同士の衝突で内乱状態に陥ったアフリカ中部・中央アフリカに再び入った。首都
バンギにエイズ患者のための診療所をつくって21年。患者が心配だった。

 ある男性は「内乱が始まった1年前、地元の村に避難した。その間、薬は飲めなかった」という。
やせ細った男性は会って2日後に亡くなった。患者の2割は行方不明だ。「治療中の患者まで巻き
添えになるなんて」。深いため息をついた。

 「未知の大陸・アフリカに憧れて」、1971年に看護師として旧ザイールに赴任した。93年に中央
アフリカに診療所を開設。感染拡大が問題化していたエイズ患者の治療に力を入れてきた。

 2006年に新薬の配布が可能となり、1日2回の服薬で症状を抑えられるようになった。毎年約
400人の新たな患者を受け入れる一方、住民に資金を貸し出し、商売を支援する活動も軌道に
乗っていた。

 だが、内乱で全てが変わった。診療所には患者のほか、栄養失調となった子供たち数百人が列
を作り、炊き出しを待つ。「患者も子供も食料が足りない。食べないと薬があってもだめだ」。今後
は資金を主に食料配給に充てる方針だ。

 生活が厳しくても人々が笑顔を絶やさない中央アフリカが大好き。来年3月に大学を退職し、同
国で暮らす予定だったが「まだまだ一肌脱がないとね」。資金集めと支援のため、日本とアフリカを
行き来する日々が続きそうだ。<文と写真・三木幸治>

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 ■人物略歴

 NGO「アフリカ友の会」(東京都