ホタル祭りエピソード 「リワキーノの酔っ払い行状記」   2002年6月18日

ホタル祭りの翌日、I.リエさんもマスミさんも早朝の電車で帰ってしまい、柴田さ
んと二人だけで大塔村を後にしました。
柴田さんは経費節約のため高速道路を使わずに大磯まで戻るので、なるべくなら夜の
一般国道が混まないころに関西を出発したいということで、橿原市で堂田さんを呼び
出しゆっくり喋ろうということになりました。
橿原市に着いたのちょうど正午。それまで携帯電話に何度かけても連絡の取れなかっ
た堂田さんをやっと捕まえることができ、畝傍駅近くの蕎麦屋で昼食を2時間もかけ
て飲食し、その後喫茶店で語り合い、合計5時間も橿原で過ごしました。

私が堂田さんに「今回のホタル見の宴会には最後まで寝ずに起きていたんだよ。みん
なを寝かせた後、また一人で飲んでねぇ」と自慢げに言うと、「へー、珍しいこともあ
るもんですねぇ」と彼は答えます。
黙って聞いていた柴田さんが「もりわきさん、全然覚えていないのですか?途中で寝
てしまわれたことを」と言うので「はぁ?」と尋ねかえしたことからとんでもない私
の酔っ払い行状記を聞かされることになりました。

リワ「いつ、どこで私が寝たていうの?」
柴「日帰り組の人たちもおおかた帰ってしまった10時ごろ、外での宴会も終わり、
みんな部屋の中に入ったのですが、森脇さんだけ腰掛けたまま寝ているので最初は起
こしたのです。そしたら私はもうしばらくここで飲んでいたいから中に入るのは結構、
と言われるのでそのまま私も中に入りました。しばらく中で歓談し、さあ寝ようと支
度しているところに外に様子に見に行った花井さんが、森脇さんはぐっすり寝てしま
っており、あのままじゃ風邪引いてしまいますよ、みんなで中に運び込みましょう、
と言うので私や中世古さんも一緒に外に行って運ぼうとしたら突如起きられたのです。
リワ「ホントー!」
堂「やはりねー」
リワ「それで私は中に入ってもう一度飲もうとみんなに呼びかけたわけ?」
柴「いえ、室内に入ってこられたらみんなに寝る指図をされるのです」
リワ「寝る指図?」
柴「ええ、花井君はここに寝なさい、柴田君はここ、中世古さんはあっち、という具
合にです」
リワ「私が寝る場所を采配しているの?」
柴「ええ、それもですね、リエさんとマスミちゃんが並んで寝ている横に一人分のス
ペースがあるのですが、そこに寝かせればいいのにマスミちゃんを寝袋ごと横にずら
して、花井君、ここに寝なさい、とリエさんとマスミさんの間に寝かそうとするので
す」
リワ「はぁ?私はそんなことをしたの?いったい何を考えているのだろう」
堂「アッハッハッハッハ」(堂田氏が我慢しきれず爆笑する)
リワ「寝ているマスミちゃんの身体に触れるなんて、それ、セクハラじゃないの!」
柴「は?いえ、シュラーフの上からですし、それに触るというより荷物をどける、と
いった感じでしたからセクハラではないのでは」
堂「アッハッハッハッハ、荷物をどけるねぇ、こりゃいい」
リワ「・・・・。それで花井君は?」
柴「ええ、花井さんは遠慮して、僕は車で寝ますから、と言うので森脇さんが外で寝
たら風邪を引く、君が車で寝るなら僕は外に行く、なんて意味不明なことを言いだし
たのです。そしたらリエさんが『もりわきさん、声が大きいですよ!』と寝袋の中か
ら言ったのです。そしたらもりわきさんが『最近だんだんと耳が遠くなってきまして
ね、声が大きくなってきているんです。家族からもしょっちゅう、声が大きいと注意
されるんです』と言われ、そして何故耳が遠くなっていったのかその原因をピアノの
調律を長年やっているからとか、色々なことを語りだすのですがその語り口が可笑し
くて、みんな大笑いになってしまいました」
堂「もりわきさんが大真面目で語っている光景が目に浮かぶようです」
リワ「全然覚えていないのだよ。それで?」
柴「結局、マスミちゃんとリエさんの間には私が寝、3人から少し離れたところで花
井さんはシュラーフに潜り込んだのです」
リワ「私はどこに寝たの?」
柴「もりわきさんはテーブルの前でテラスの方に向ってあぐらをかき、焼酎の水割り
を飲んでいましたが、ときおりこっくりこっくりしており、手に持ったグラスが傾き
かけて中味がこぼれるのじゃないかとシュラーフの中から見ていたのです。そしたら
同じように見ていたマスミちゃんが、もりわきさんのそばにデジカメがあるからあれ
でもりわきさんの姿を写したら、と言うので、私はシュラーフからそろーっと手を伸
ばしてもりわきさんの背後に転がっていたデジカメをこちらに引き寄せようとしたの
です、そしたら突如、もりわきさんがギロッとこちらを振向いたので慌てて私は寝た
振りをしました」
リワ「それで」
柴「そしたらもりわきさんはすくっと立ち上がったのです。トイレに行くのかなと思
ったら逆の方向、つまりテラスの方向に歩き出し、窓を開けて出ていかれるのです。
ずっと起きてて一部始終を見ていたのでしょう、花井さんがガバッと起き上がって『テ
ラスの手すりを万が一乗り越えて崖下に転落したら大変です』と言って窓際に向って
行ったので私もマスミちゃんもすぐに窓際に行ったところ、テラスにもりわきさんの
姿が無いのです。3人してそーっと窓を開け、顔を覗かすと、右手の中庭の方角に向
ってゆらりゆらりと左右に揺れながら歩いていくもりわきさんの姿が見えたのでした。
そして中庭の端っこのところに達したらもりわきさんは立ったままじっとしているの
です。ああ、立小便しているのだな、と気がつき、万が一そのままの格好でひょいと
こちらを振向いたらまずいので、マスミちゃんには引っ込んでいるように言いました。
ところが、もりわきさんのその立小便がなかなか終わらないのです。10分ほど経って
もずっと同じ姿勢のままなので我々はだんだん不安になってきました。
『ちょっと、まずいよ。用を足しているうちに立ったまま寝てしまったのじゃない?』
『しまいにバターンと前のめりに倒れたら崖下に落ちないでしょうか?』
『あそこはなだらかな斜面になっているから、すぐには崖下には落ちないわよ』
『やっぱり、迎えに行った方がいいのでは』と我々は言いあいました」
リワ「そうなんだよ。私、前立腺肥大のけがあってね、深酒すると尿線が細くなって排
尿に異常に時間がかかるんだよ」
柴「そうなんですか。でもとうとう終わったのか、しばらくもぞもぞしていたと思っ
たら振向いてこちらに向って歩いて来るのです。テラスの所に着くまで私たちは見守
っていたのですが、その後、一斉に私たちは窓際を離れてシュラーフに潜り込みまし
た」
リワ「それで?」
柴「もりわきさんはテーブルそばに既に広げていたシュラーフに潜り込み、すぐに寝
てしまいましたよ」
リワ「すぐに寝てしまったことが解るなんて、それって・・・」
柴「はい、たちまち凄いイビキをかきだし、その騒音の凄さで寝そびれてしまった人
たちもいたようでした」
堂「相変わらずはた迷惑なもりわきさんですね。舎弟として恥ずかしいですよ。ええ、
反省してます?」
リワ「・・・・・・」