素晴らしかった!
山陽地区主催の調律師協会関西支部の新年会 by リワキーノ 2010.01.18
集まりが悪いのでは、と言う義侠心から参加を決めた山陽地区主催の調律師協会関西支部の
新年会は今までにないくらいの(私が出席した範囲でですが)アットホーム的で内容も充実した
新年会でした。その模様をお伝えします。
新年会昼の部は午後2時から。
それに間に合うよう、12時に姫路にやってき、一路、姫路城を目指します。
※私は時間が惜しかったのでタクシーを利用しましたがJR姫路駅から城までは徒歩10分ほどです。
お目当ては姫路城の城郭の外観写真ではなく、
建物内部の写真撮影でした。前回訪れたときにコンパクトデジカメだったので室内撮影は光量
不足で良い画像が残せなかったため、ストロボの光量が多い古いデジカメでの再撮影のため
に訪れたのでした。
関西支部2010年の新年会は今、何かと話題の日航ホテル姫路で開催されます。
義侠心でやってきた私としてはだんご三兄弟の弟分、岡山のヒデミ氏と会えるのが唯一の楽し
みのつもりでした。
左隣は山陽地区長、神吉氏。この新年会の最高責任者です。
ところが、何とヒデミ氏を通じて数年前に親しくなって会食を何度か共にしたことがある山陽地区
の二人の女性調律師も参加しているのです。
K.なお子さんとA.りえさん。
「リワさん、お久しぶりで〜す。どうしたんですか、その手は」
嬉しかったですねぇ。今夕はこの女性達と宴を共にできるとはとね。天は義侠心を持つ男には
ちゃんとご褒美を用意してくれてました。
日本ピアノ調律師協会関西支部の昼の部のセレモニーはコントラバスとピアノのデュオの演奏
会でした。
チラシになにやらごちゃごちゃ書かれた奏者紹介の記事を読むのが面倒くさくて、音楽好きの
僧侶が趣味でやっている演奏を披露するのかくらいの気持ちで演奏会に臨んだのですが、一
曲目のエルガーの「愛の挨拶」の演奏が始まったとたん、私はいっぺんに背筋が伸びましたね。
演奏が素晴らしいのです。情感豊かで音色も美しく、何よりも音程の確かさには驚くべきものが
ありました。
間に辻説法のようにトークを入れるのですがそれがまた味のあるよい話ばかりで、さすが僧侶
と感心させられましたが、次々と奏でられる演奏を聴いて、この人、ただ者ではないと思いました。
そこらにいるベーシストとは全然レベルが違うと思ったのでした。
印象深かったのがサン・サーンスの「動物の謝肉祭」中の「白鳥」。
バレエの「瀕死の白鳥」に使われたりするチェロの名曲として有名な曲ですが、これをコントラバ
スの最高音域を使い、、相当難しいポジションでの演奏だと思われるのに音程にぶれが無く、
音色も安定していてチェロにも劣らない情感溢れる表現をされるのです。
過去にもコントラバスのソロを聴いたことは何度かありますが、これほど完璧な演奏を聴いたの
は初めてでした。
他にはボッテシーニ(初めて聞く名前)の「エレジー」、フレスコバルディーの「CANZONI」が心に
残る演奏でした。
演奏が終わって私は初めてチラシの奏者紹介記事を詳細に見たらやはり世界的に有名なコント
ラバス奏者で大変な経歴と色んな要職に就いている人であることが判明しました。
長谷川(慶悟)悟 プロフィール
念仏山教信寺塔頭法泉院に生まれる。
広島音楽高校、国立音楽大学を経てウイーン国立音楽大学コントラバス科修了。
近年までウィーンと加古川を拠点に活動し、ソロ・リサイタルをウイーン、ベルリン、
ブルガリア、東京、広島、加古川など世界各地で公演。
また、室内楽奏者としてもオーストリア、ドイツ、アメリカ、アジア各国を始め国内
各地の国際音楽祭等に招かれ、世界的ソリストや室内合奏団と共演している。
教育の方面では、広島音楽高校、エリザベト音楽大学非常勤講師を勤める一方、
1980年より毎年開催する国際コントラバスセミナーin Kakogawa Japan主宰や、
東ドイツ、オーストリアで開かれた音楽祭夏期講習会の教授として招かれた。
指揮者としては西日本をはじめ、外国でも指揮をするなど、国内外で人気を博して
いる。
近年は、作曲、編曲、音楽月刊誌連載、翻訳出版の仕事もこなしながら、テレビ、
雑誌等マスメディアにも度々登場している。
第2回兵庫県新進芸術家奨励賞、音楽の館コンサート協会で第11回加古川市文
化連盟賞を受賞。
詳しくは下記のページをご覧になってください。
法泉院「音楽の館」
コントラバスを演奏するのは長谷川慶悟師
ピアノの横田ちさとさんも素敵な演奏をされてましたが、このピアニスト、表情もにこやかで立ち
居振る舞いも優雅な方でした。
ぴったし呼吸のあったインタープレイでした。
調律師協会の新年会は毎回、演奏家を招いてコンサートを開催するのですが山陽地区の今回
のは特筆もので、私は姫路くんだりまでやってきて良かったとつくづく思いました。
神吉支部長の縁で実現したそうです。
K.なお子さんが大阪の弦楽器工房で修行しているときにこの長谷川慶悟氏に色々弦楽器のこ
とを教わったそうで、多忙で帰りをお急ぎの長谷川師を引き留めて一緒にツーショットを撮らせて
もらいました。
新年会の宴が始まりました。
関西支部長の挨拶。真ん中に座っているのが(社)日本ピアノ調律師協会会長です。
挨拶に聞き入るKさん。
彼女は年齢も調律師協会入会年も一緒で、最近はこんなときにしか会えなくなりましたが長い
お付き合いです。
調律師協会の集まりは女性が少なく、女性のいないテーブルの方が遙かに多いのに我々のテ
ーブルだけ4人もの女性が集中して他のテーブルに申し訳ない気持ちでした。
だからといってK.なお子さんはあちらのテーブル、A.りえさんはこちらのテーブルにって振り分
けるわけにはいきませんからね、クラブじゃないんですから。
真ん中のk.あさ子さんは協会に入会した当初、ロンドの会仲間のコネリーノさんにジャズピアノ
を習っていたことから、彼の紹介で心安くさせてもらってます。
真ん中の女性と左の男性はいずれもコンサートの仕事を主とする”B-teck Jpan”の調律師た
ちです。
やがて宴会はカラオケ大会となりました。
調律師協会の新年会でカラオケ大会があるのは初めてではないでしょうか。
右側の男性は岡山在住にも関わらず、大阪での会合にも足繁く参加してくれた調律師です。
甘いマスクは入会時の若き日のときとちっとも変わってなく、隣の男性とのデュエットはとっても
素敵でした。
歌い終わって私のテーブルの側を通るとき、「○○さん、かっこよかったよ!しかし、あんた、全
然変わらないね」と声をかけると「いや〜、リワさんこそ、全然変わってないですよ」と嬉しいこと
を言ってくれます。
次は私の同期生のKさんの歌。
舞台で歌ったどの人にも言えるのですがさすが調律師たち。
歌は上手です。(私は下手。だから決して人前では歌わない。音痴がばれたら商売に差し支えます)
「あの女性ね、私と同期なのだよ。年も一緒」
と同じテーブルの女性達に話したところ、
「リワさんはおいくつなのですか?」
と聞くから
「62歳」
と答えると彼女らは一斉に
「ええ、若い!」
と叫びます。
おお、私が年より若く見られたのかと喜んだら、違うのです。
「あの女性、とても62歳には見えないです!」
と彼女らはのたまう。
つまり私と同年代には見えないと言っているのです。
ショック!!!
でもリワは心が広いですから、歌い終わったKさんの元に行き、伝えました。
「ねえ、僕らのテーブルの子らがね、あなたと私が一緒の年と言ったらみんなが『嘘!あの方、
全然若い』って言ったんですよ」
「ほんと?」
彼女は嬉しそうに反応してくれます。
「それじゃ、ご挨拶に行かなければね」
カラオケ大会のあと、ヴァイオリンと3人のピアノ連弾によるモーツアルトの「アイネクライネナハ
トムジク」の演奏が始まりました。
若い調律師たちは殆どの人がピアノを弾けるようです。
そのうちに私のかつて勤務していた三木楽器の技術部を統括する調律師(左の男性・一応私
の後輩になりますが凄い有能な人です)が私らのテーブルにやってきたと思ったら彼に語りか
ける女性(中央立った人)がいるのに気が付きました。
サンビューローという、関西では有名な(いろんな意味で)大手ピアノ販売店の社員です。今日
は多くの調律師との出会いがありましたが、この女性調律師との出会いは本当にインパクトが
ありました。彼女の持ち前の明るさと率直さに魅了され意気投合してしまい、新快速に乗っても
1時間はかかる姫路から大阪までの乗車時間がすごく短く感じられるくらい彼女との電車の中で
の会話は盛り上がったのです。
実は私は4日前から家内と百人一首を一緒に覚えることを始めたのですが、3日目の昨日は第
三首「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む」という柿本人麿の歌を
覚えている最中だったのですが、その女性の名が柿本さんなのです。
もう偶然以上のものがあると私は思いました。
絶対にロンドの会に誘おうと思いました。
さて、このあでやかな装いの女性は誰でしょう?
関西支部の調律師で知らぬ者はいない高名な女性調律師D.りつ子さんです。
調律師でありながら音楽大学を出た声楽家であり、調律の理論についても博識。
私は一度、自然音階とピタゴラス音階の違いを彼女からの示唆で気付かされたほどです。
調律師が50歳を過ぎてからそんなことに気が付かされるなんて恥ですが、意外と調律師は理
論については弱いところがあるのです。
そして彼女はスタインウエイ社のアドバンスコースの受講もしているという研修熱心な技術者
でもあります。(おおむね、女性調律師はみんな研究熱心ですが)
調律師協会の総会で議論が紛糾したとき、対立する発言に対して、しっかりとした物言いで自
分の意見をちゃんと開陳する強い意志をも持った女性で、いつの会合でもゴージャスな装いを
して女王様のように堂々としている彼女を私は地味な存在である調律師業界の中の華として
高く評価しております。
実は、彼女、調律師協会が主催するよんよんコンサートに私が娘と出かけて行ったとき、娘を
見て「可愛いお嬢さんね!」と言ってくださり、別のときに「リワキーノさんの娘は美人だよ」とご
亭主に言っておられるのを目撃したものですから、親の私としてはもうそれ以来、この女性調
律師のファンとなった次第です。
この後、彼女の素晴らしいファッションの全身像を撮りたく思ったのですが、デジカメの容量がい
っぱいになりまして、携帯電話のデジカメで撮らせてもらったのがこの画像です。
本当は膝上まで足が見える鋭いスリットが入ったスカートなのに、それが撮れてないのがとっ
ても残念!
関西支部の重鎮、曽根さんです。
調律師というより政治家の風貌ですね。しかし、本物の政治家のように腹は黒く無い御仁です。
(政治家は腹が黒くなければやってられませんからそれはいいのですが)
ひところ、健康を害されたと聞いていたのですが全然、変わらないご風貌に安心したものでした。
午後9時、新年会はお開きとなりました。