「大人計画」 (ウイキペディア記述)
1988年、松尾スズキ作『絶妙な関係』公演で旗揚。ブラックジョークや下ネタ、一般的に言われる「差別
用語」などを駆使して人間の残虐性を身も蓋もなくさらけ出し、心理の奥底にある本音と建前、それによ
って生まれる社会の歪みを、冷静な観点から問い掛ける風刺的な作品を上演している。その作品群は、
世間的にタブーと見なされるもの(精神・知的・身体障害、差別、性癖、特異体質など)を題材にしながら
も、コミカルな作風に仕上がっている。観客の好みの分かれるところではあるが、人間や社会への悪意
に満ちていながらも単なるパロディに終わらせず、一貫して本質を冷静に描き出そうとする姿勢に溢れ
ている。異色かつ意欲的な作品と個性的な俳優達の確かな演技で支持を集め1990年代、小劇場演劇
を代表する劇団となった。
本公演以外にも、宮藤官九郎作・演出の公演『ウーマンリブ』や、松尾スズキによるプロデュース公演
『日本総合悲劇協会』などの企画公演も定期的に開催。
また1995年、阿部サダヲ、宮藤官九郎、村杉蝉之介の3名によるコントユニット「グループ魂」を結成。
後に皆川猿時、三宅弘城も加入し、ロックバンドとしてライブツアーも行っている。
『大人計画』の名前の由来は、子供時代にいい思い出がなかったという松尾スズキが「初めから大人で
いいんじゃないか」ということでつけたものらしい。
所属俳優達の変わった芸名は松尾スズキに名付けられたものが多い。1991年の新人公演『溶解ロケン
ロール』から役者の名前を全て芸名にしている。また、松尾自らが作詞を手がけた社歌がある。
中小規模の劇団にしては珍しく、芸能プロダクションとして、劇団員や所属俳優のマネジメント業務も行っ
ている。そのため「"劇団・大人計画"の団員ではないが、"芸能プロダクション・大人計画"には所属して
いる」という俳優が数名存在する。例えば三宅弘城は劇団ナイロン100℃の団員であるが、ナイロン100℃
では劇団員のマネージメント活動を行っていないため、個人的に(芸能プロダクション)大人計画とマネジ
メント契約を結んだ。結果、三宅はナイロン100℃の劇団員であると同時に、大人計画の所属俳優でもあ
る、ということになる。
劇団の特徴として内外の意見で一致しているのは、劇団員一様にシャイで無口で他の人間にあまり関心
を示さないタイプの人間だということである。