奥穂高岳、蝶ヶ岳登山レポート その3 16年前の北アルプス紀行を編集
今日は蝶ヶ岳の往復登山。
早朝に横尾を出発。テントは張ったままで重たい荷物はその中に置いていきます。
横尾から蝶ヶ岳稜線まで千メートルの高度差。
どのくらい時間がかかったか覚えていないのですが(何故か私の登山データーベースにこの奥穂高、蝶ヶ岳の
記録が無い)昭文社のコースガイドでは上り3時間、下り2時間となっています。
高度を重ねていくと樹林の間から槍ヶ岳が見えます。
【ムトー和尚解説】
左に朝日に燃える屏風岩と屏風の頭、そのむこうに大キレットの南岳側、
右に一段上がって上半分朝日が射しているのが横尾本谷右俣のカール、
更にもう一段右に上がって手前のピークで隠れている辺りが天狗原(てんぐっぱら)、
ここから見る槍の景色が佳いし天上の別天地とも云われここも一度行きたかった所。
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左に朝日に燃える屏風岩と屏風の頭、そのむこうに大キレットの南岳側、
右に一段上がって上半分朝日が射しているのが横尾本谷右俣のカール、
更にもう一段右に上がって手前のピークで隠れている辺りが天狗原(てんぐっぱら)、
ここから見る槍の景色が佳いし天上の別天地とも云われここも一度行きたかった所。
望遠で撮るとこのように。
山岳雑誌に掲載される写真や山のポスター写真は対面する山を写した写真は望遠で撮ったものが多く、実際に
現場に立ったとき、対面の山が意外に遠く、迫力に欠くのに失望することが多いです。
蝶ヶ岳は奥穂や槍と違って緑地帯が稜線上まであり、樹林限界を突破したときは頂上間近のもうかなりの高度
になっています。
※画像はネットから拝借
ここまで来ると背後に穂高連峰が広がっていることが分かっているのですが、我々はその絶景は尾根に達する
まで我慢しようと振り返らずにただひたすら登っていきます。
そして尾根に達したときに「せーの!」と一緒に振り向くのです。
そのときに目に入ってきたのがこの光景。
「うわ〜!」「すご〜い!」
もう大感激でしたね。
左から前穂岳、奥穂岳、涸沢岳、北穂岳、大キレット、南岳。
良いですなぁー、私なんか1時間くらい見てそう。
涸沢は東に向いて開いている馬蹄形なので、東から丸見えだと頭の中で思い込んでいましたが、
屏風岩のむこうで横尾本谷から一度南へ廻り込んでから、西へ右折して涸沢に入るということが納得できます。
太古の昔、屏風の頭と北穂が繋がっていて、涸沢は湖だった、なんて、、、。
前穂本峰の東壁とIV峰の正面壁がよく見えます。ロッククライマーにとって憧れの岩場の一つ。
私? 勿論登りましたヨ! エッヘン!! 東壁の右岩稜とIV峰の北条新村ルート。
右端が槍ヶ岳
望遠で写すとこのように。
槍から右へのびる北鎌尾根がよくわかります。ここも、行く筈だったのに行けなかったルート。
蝶ヶ岳を目指します。と言っても指呼の距離ですが。
上で述べた横尾本谷と涸沢の関係がさらによく判ります。
後方に常念岳が見えます。
蝶ヶ岳山頂。
何の変哲もない山頂ですが、蝶ヶ岳は穂高連峰から槍ヶ岳への大パノラマの最高の展望台として人気があるの
です。
ハナパパさんの右が常念、左が大天井岳で燕岳からここを通って槍へ向うのが表銀座コース。
大天井岳の更に左、遠くに見えるのが烏帽子岳から槍へ向う裏銀座コースの一部。
下山に向かいます。上高地方面。
岩登り志向だったもので、右手の明神辺りの岩壁に眼が惹かれます。
槍〜穂の大パノラマともお別れですなぁ。何度も見返したことでしょう。
横尾に下山するとテントをたたみ、小梨平のキャンプ場を目指します。
梓川沿いの道、登りは荷物も重く僅かな登り坂にもうんざり。
下りは、身体は疲れてよごれているけど軽い荷で快調にとばせる。
小梨平キャンプ場の梓川よりのところでテント設営。
ここにはシャワールームもありますが、後ろに列をなして待っている前で頭を洗ったりするのでせわしないことお
びただしいです。
画像は翌朝のものです。
この辺りまで降りてくると、また暑さと喧噪が戻ってきてイヤんなっちゃう。
「一昨日はあの上にいたのだなぁ・・・」
そんなことをハナパパは思っているのでしょうか。
正面が奥穂で左へいって陽があたっている台形の岩峰が天狗の頭?
さらに間の岳、西穂へと続いています。
バスセンターに向かって歩きます。遠くに焼岳。
リワ殿が山歴を公開していますので(※)、私もついでに、穂高周辺の山歴を。
’63年夏、高1、立山〜槍から槍沢を下り横尾で泊まり、北穂往復。
’64年夏、高2、白馬から北穂まで縦走、涸沢で1泊。
’66年夏、浪人、上高地から入山、明神池で1泊、横尾2泊屏風岩登攀、涸沢2泊前穂東壁登攀。
’69年夏、大学3、高校山岳部に随行。有峰口から入山、太郎平から槍経由、横尾2泊、
高校生と別れ、涸沢3泊、前穂IV峰、滝谷登攀、白出のコルを越えて新穂高温泉へ下山。
’71年夏、大学5、新島々から徳本峠越え、3日がかりで涸沢へ。前穂、滝谷、西穂往復。
大キレットを越え、槍〜三俣蓮華〜烏帽子〜船窪〜北葛〜蓮華〜針の木峠から下山。
ご覧の通り夏ばかり。厳冬期はまだしも、紅葉の秋や春の残雪期にも行きたかったなぁと思います。
※このページ冒頭に記している登山データーベースのこと
混雑している河童橋は横目に見て素通り。
バスセンターに着きました。
懐かしい16年前の思い出です。
(了)