高層マンションからの中之島の眺め  2011.07.14

顧客の部屋(34F)からの眺めです。
昨年の夏、運送のトラブルから私の方へ仕事が回ってきてこの顧客宅を訪れたのですが、幸い、トラブルを解決
できたことから顧客の信頼を得たため、今年も調律に伺いました。

顧客は熟年の世代の女性で、くるぶしまである長いスカートを含め、黒と白のお洒落なモノトーンの装いは平凡
な主婦にはとても見えず、マダムという呼称がぴったり似合うような御婦人でして最初は緊張感を感じたものです
が、二度目の訪問では仕事後、コーヒーをご馳走になりながら色んな談笑をすることができ、かなりうち解けるこ
とができたのでした。
ですからベランダから景色を撮影したい私の希望も話すことができ、快く承諾してくださったので、このように撮影
することができました。
御堂筋から天神橋筋に至る中之島の俯瞰図に良いと思ってご紹介します。
iPhoneで撮りましたが、明るいところだと私のデジカメ、キャノンIXYより解像度は鮮明です。

手前のネオ・ルネッサンス様式の建物は中央公会堂。
すぐ奥の青い屋根の建物は府立中之島図書館。
その奥のビルは大阪市役所。
市役所の向こう側の通りは御堂筋。
両側に流れる川は右が堂島川、左が土佐堀川。


南の方角は証券街として有名な北浜界隈で道路は堺筋。
「夜景を見ていただけないのが残念ですわ。それはそれは綺麗なのですよ」とマダムは仰います。


難波橋を通る堺筋。
マダムの話しでは中央公会堂からこの難波橋(なにわばし)にかけては樹木がたくさん茂っていたのに、安藤
忠雄設計の石の広場造築のために全部伐採されたとのこと。
「中央公会堂は樹木の立ち並ぶ風景が似合うのに本当に愚かなことを!」とマダムは憤懣やるかたないといっ
た風情で吐き捨てるように仰います。
樹木の好きな私はマダムに共感しました。


左手遠くに見えるのは葛城山と金剛山。雲が無けれその向こうに大峯も見えるのですが・・・

高速道路の向こうに見えている橋が天神橋でその上を通るのは天神橋筋。

マダムとの会話の中で偶然にも皇后陛下のお母様の正田冨美子さんの名が出たとき「日本が世界に誇る最高
の大和撫子であり、貴婦人である」と彼女が言われるのを聞いて私はますます、このマダムに親愛感を抱いた
のでした。
私は皇后陛下のご実家の邸宅が相続税を支払うため建物を解体し、土地が売却処分されたとばかり思っていた
のですが、実情は違うらしく、マダムの話では皇后陛下の強い意志がそこに働いていたということでした。
ピアノが置いてある書斎の本棚の本を見てもこのマダムが大変な読書家であり、また広い範囲にわたって興味
を示されることが推察されましたが、お話していて本当に心惹かれる御婦人でした。