医療の歴史   川島義幸

川島義幸君は私の姉、k.mitikoさんの長男で、私の甥にあたります。
7年ほど前にインターネット上でビジネスを立ち上げたのですが、最初に手がけた「年収
2000万円のお医者様と結婚する方法」というホームページ(閲覧は有料)が大ヒットした
のです。
タイトルに抵抗感があり、私は読者にはなれなかったのですが、11年ぶりに帰福して彼の
事務所(と言っても公団住宅の一室ですが)に遊びに行き、そこで見せ
てもらった彼の仕事ぶりを知って感銘を受けたのです。
その中で、この「年収2000万円のお医者様と結婚する方法」というホームページに医者も
大勢登録していること、そしてその中の一人の医者が、最近のホームページの内容が以
前のように面白くない、という長文のメールを送って来たことから、かねてから懐に暖めて
いた「医療の歴史」を連載するようになったという話を聞き、その原稿をメールで送ってくれ
るように頼んだところ、今日届いたのです。
一読して、あまりの面白さ、興味深さに、私のホームページや小春ページの読者たちにも
是非見てもらいたいと思い、義幸君に転載の許可を願ったところ、快諾してくれたのでここ
に紹介する次第です。

※携帯電話やスマホの読者も想定して文章レイアウトしているそうですので、独特の改
行になっていることはご理解下さい。

医療の歴史〜感染症・1

■この仕事を始めて一番最初に作った、
「年収2000万円のお医者様と結婚する方法」というホームページを、
ちょこっとずつリニューアルしようと思っています。
ゆくゆくはセレブメーカーズ.comの、
総合案内サイトにしていきたいなと。
で、まず医療の歴史から手を付ける事に。
年代順ではなく、すでにある記事を、
補完する情報を掲載していきます。
まず最初は感染症と医療の歴史から。

医療の歴史を見ていると、
様々な感染症が人類を苦しめていた事が分かります。
医療の目覚しい発展によって、
現代日本では全く見る事が無くなりましたが、
ペスト・結核・チフス・コレラ・
ポリオ・ハンセン病・天然痘といった感染症の脅威に、
人類はつい最近まで怯えていたんですね。

さらに感染症の歴史をつぶさに見ると、
人類文明の広がりが大流行をもたらしたケースも。
ちなみに感染症の流行はいくつかのパターンに分けられます。
一カ国程度の比較的狭い地域での流行はエンデミック、
数カ国くらいまでの流行はエピデミック、
世界的流行はパンデミックと呼ばれます。

上記の感染症のうちペストやチフス・コレラなどは、
現在でも頻発しており(特に開発途上国で)、
エンデミックを起こしているんです。
これに対しインフルエンザなどは、
しょっちゅうエピデミックを起こしている。
ところが人類史上には深刻で本格的なパンデミックが、
今まで何度も発生し、そのたびに莫大な人命が失われました。

20世紀初頭のスペイン風邪では、
世界中で感染者が6億人、4000〜5000万人の死者!
この当時世界の人口は20億人弱といいますから、
現代に置き換えると空恐ろしくなります。
19世紀に起こったコレラの流行は、
やはり1000万人以上の死者を出し
近代文明に様々な影響を与えています。
ちなみにこのコレラのパンデミックをきっかけに、
近代医学の神様、コッホ博士が細菌を発見。
急速な医療の向上が図られています。

が、何と言っても物凄いのは、
6世紀と15世紀におきたペストのパンデミック。
6世紀におきたペストは、
当時の東ローマ帝国を直撃、
皇帝ユスティニアヌス自身も感染するなど、
国の運営が立ちいかなくなるくらいの猛威を振るいました。
パンデミックの最盛時、
首都ビザンチウム(現在のイスタンブール)では、
1日に1万人が死んだという記録が残っています。

この5世紀のパンデミックは、
「ユスティニアヌスの斑点」と呼ばれ、
(ペストは皮膚が黒ずんでくる)
25年間にもわたりペストが反復流行。
東ローマ帝国全体では、総人口の50%、
1億人が死んだと推計されており、
罹患者は国民全員だったのではないかと言う説も。
こんな状況なのにユスティニアヌス帝はしたたかにも、
この混乱を逆手にとって帝国の勢力を伸張させ、
旧ローマ帝国に匹敵するほどの領土を押さえました。


ユスティアニヌス帝

「ユスティニアヌスの斑点」は判明しているところでは、
エジプトのペルーシウムという街が542年、
最初の発火点になったとされています。
ペストは本来インドや東南アジアにいたものが、
シルクロードの隊商によって、
運び込まれたとの説が有力のようで。
つまり東西世界の交流が起きたことで、
感染症も移動してしまったと。

ローマ帝国の復興を標榜していたユスティニアヌス帝でしたが、
かなりいい所まで行きながら、
ペストのパンデミックによって、
結局挫折を余儀なくされました。
国土は荒廃し農業生産は大打撃を受けており、
東ローマ帝国は衰退に向かいました。
このパンデミックによって、
中世が始まったとも言われています。
有効な治療手段のない時代では、
なすすべも無く人々が倒れていたはず。
現代に生きていて、つくづく良かったと思いますね。

という事で今日はここまで。
次回をお楽しみに〜♪