塩川正十郎さんの告別式  公益社千里会館にて 2015.09.24

新宮山彦ぐるーぷの名誉会長でもある塩川正十郎さんの葬儀に山彦のメンバーたち
と行ってきました。


驚いたのが、御堂筋線桃山台駅からの送迎バスで公益社千里会館に着いた時、バスを
降りる人たちを報道陣がカメラを構えて一斉に見守っていること。
著名人たちを写すためなのでしょうね。

1500人が参列したと言われる葬儀ですが、これが大物政治家のものかと思われるほ
ど飾り気の極度に少ない簡素なものでした。
葬儀委員長を務めた福田康夫元首相が挨拶の中で「個人の強い意志のためにこのよ
うな簡素な葬儀となりました。個人の意志をどうかご理解くださいますようお願い
いたします」と言われてました。

小泉元首相が友人代表として弔辞を述べましたが、これが紋切り型なところがまっ
たくない、故人への切々たる哀悼の気持ちのこもったものでありました。
自分を政治家として教え導いてくれるよき大先輩であり、自分が首相を務めた時は
閣僚の一人として精神安定剤的存在であったことを語り、皆に親しまれた「塩爺と
呼ばれ」と言うくだりに言及したときは絶句し、しばし言葉が発せなかったほど、
感極まる様子がモニター画像から伝わってきました。
最近の小泉さんの言動に対してはいただけない思いでいた私ですが、このときの弔
辞には深く感動したものでした。


この故人への深い思い入れは葬儀委員長を務めた福田元首相の挨拶にも表れており、
「今日は多くの国会議員も参列くださいましたが、大島さん(現・衆院議長)、
伊吹さん(元・衆院議長)、細田さん(元・小泉内閣官房長官)、扇さん(元・参
院議長)」と名を挙げて「自分を含め、故人とは同僚といった間柄の人たちです」
と紹介されたのですが、長老的存在だった塩川さんを失った仲間内の哀しさが伝わ
ってくるような表現でした。
福田元首相は冷ややかな醒めた人というイメージがあるのですが、内面は情の深い
人では無いかと思ったものでした。
左から福田、伊吹、細田、大島、扇の諸氏


弔電は3つ披露されましたが、安倍首相と中曽根元首相に続いて「訃報に接し、妻
と共に在りし日のお姿を思い浮かべ、心からの哀悼にひたりました」の文言に一瞬、
誰だろうと思ったら、マレーシアのマハティール元首相からのものでした。
1998年のアジア通貨危機のときに、その原因を欧米諸国の投機筋による実需を伴
わない投機的取引が原因であるとして金融鎖国を断行し、世界中の非難を浴びなが
らもIMF(国際通貨基金)の支配を受けることなく、マレーシア経済を立て直した硬骨
漢のマハティールさんも塩爺さんの人柄には惚れていたのではないかと勝手に想像
しました。


そして、もっとも印象深かったのが、焼香です。
最初に葬儀委員長の福田氏、次が親族代表の喪主・塩川さんご長男、その後に親族
の焼香が続いたあとの止め焼香、友人代表として小泉氏の4人のみが単独焼香であり、
それ以外は複数の焼香台に序列もなにも関係なく、一般焼香が始まったことです。
一般の焼香に交じって衆院議長や元・参院議長などの国会議員も複数の焼香台に別
れて焼香し、回廊でモニターを通じて葬儀を見守っていた私たちも、順次塩爺さん
の遺影の前の焼香台に案内され、焼香できたのです。
おかげで私は三度身近にお会いしたことのある塩川正十郎さんに実感のあるお別れ
ができました。

そして私には深い感銘を与えたこの葬儀は1時間できっちりと終えたのです。
このような虚飾の少なく、清楚で品格のある葬儀を私は一般人の葬儀でもそう見た
ことは無いと断言できます。

塩爺と親しまれた政治家、塩川正十郎さんの遺徳のなせるところの何もの以外でも
無いと私は思いました。


左から山彦世話人代表・川島、玉岡さんのご子息、山彦顧問・玉岡。