思い出の映画 part2  私のベストワン 「ビルマの竪琴」

若い頃から映画にはまり込んでいた私は、洋画、邦画を問わず
数え切れないほどの映画を見てきました。
ドラマにミュージカル、歴史劇から西部劇、音楽映画、
ドキュメンタリー、興味を持てば時間と経済が許すかぎり
(OL時代)映画館めぐりをしてきました。
結婚してからは、家事や子育て、姑の介護とさすがに減りましたが、
映画への関心は薄れず、今度はテレビでたまに放映される映画は
見逃さないようにしてきました。

その中で最も印象にのこったのは20才ごろ見た「ビルマの竪琴」でした。
この映画は後にリメイクされていますが、私が見たのはモノクロでした。

1956年版「ビルマの竪琴」のタイトル。
「ビルマの竪琴」 (1)


今回はDVDで観ました。
「ビルマの竪琴」 (2)

「ビルマの竪琴」 (3)

戦争中、ビルマ戦線を転戦中の部隊は、隊長がが音楽をたしなんでいたので、
隊員は苦しいときも皆で合唱して乗り越えてきていました。
ある夜、まわりを敵軍にとりかこまれている事態に、
咄嗟の機転で歌いなれた「埴生の宿」を歌ったところ、
敵軍の方からも同じ歌が聞こえ、合唱になりました。
その相手は休戦を知らせにきたイギリス軍で戦争が終わったことを知りました。

「ビルマの竪琴」 (4)

「ビルマの竪琴」 (5)

しかし戦争が終わったことを知らないで立てこもった他の部隊に、
終戦を知らせる役を受けた一人の兵士は説得に失敗し、
イギリス軍の砲火のなかで辛うじて命をとりとめます。自分の部隊に帰ろうとする
その兵士が目撃したのは、山野に散らばる無残な日本人兵士の屍でした。

死屍累々の遺体に呆然とする水島上等兵

「ビルマの竪琴」 (6)

「ビルマの竪琴」 (7)

その兵士(水島上等兵)は苦悩の末 自分が僧侶になりビルマに残って
戦友を最後の一人まで弔う決心をするのです。

「ビルマの竪琴」 (8)

戦友たちが日本に帰ろうと呼びかける有名なシーン

「ビルマの竪琴」 (9)

「ビルマの竪琴」 (10)

戦争の悲惨さを描いたこの映画の大きな魅力は、
背景に絶えず竪琴の音色があることです。
水島上等兵の演奏する素朴なビルマ竪琴の「埴生の宿」をはじめ
「荒城の月」「仰げば尊し」や兵士たちの合唱は、
それぞれの思いを表現していて胸せまるものを感じました。

「ビルマの竪琴」 (1)

戦争の虚しさが竪琴の音色と共に心に響く作品で、
私はこの映画を一生忘れることはないでしょう。
戦争と音楽で、人の魂を描いた作品として
このモノクロ版の「ビルマの竪琴」は
ベネチヤ国際映画祭サン・ジョルジヨ賞を受賞しました。

「ビルマの竪琴」のポスター
「ビルマの竪琴」 (11)