写真集「熊野修験」  撮影・森武史 出版・月兎社 2500円(税別)



私が長く関係してきた熊野修験団の修行を20年間にわたって撮り続けてこられた森武史さん
の写真集です。
霊峰として知られる大峯の山々は多くの写真家が撮影してきていますが、そこで奥駈修行を
行う修験団と大峯がこんなにも美しく融合した姿を撮った写真集を私は他に知りません。

10年間、先頭先達を務めてきた私がやめる1年前から写真家の森武史さんは奥駈修行に付
き添い、写真を撮り続けていたことは知っておりましたが、私が去ったあとの19年間でこんな
にも素晴らしい写真の数々を撮られていたことを知って、大峯を、熊野を、そして熊野修験を
深く愛する私としては言葉には言い表されない感動と喜びを覚えました。

この写真集を多くの人に知っていただきたく、著作権に触れないぎりぎりのところで画像を紹
介することにします。
もし著作権に触れることがあった場合は即座に画像を削除することもありますので、その点は
ご承知おきください。


那智の一の大滝                      陰陽の滝 高木導師の水行です。
                                 (多分、真冬ではないかと・・)
  

奥に那智三の滝


那智二の滝


熊野古道・大雲取越え


大峯連山遠望


大峯の中枢部。左端に大日岳 右奥に南部大峯の盟主、釈迦ヶ岳

左奥に台形の山容の笠捨山



10年間、奥駈修行に同行してきましたが、普段温厚な高木亮英導師のこんな厳しい表情を見
るのは初めてです。


左は北部大峯(金剛界)と南部大峯(胎蔵界)を分ける太古の辻に立つ背比べ岩。 右は太古
の辻から前鬼に下りていく途中にある二つ岩。


当初、緊張感溢れる修験者たちの修行の邪魔をしてはいけないと森さんは離れた場所から撮影
していたそうですが、「撮影は森さんの修行です。遠慮せずにしっかり撮りなさい」と高木導師に
言われてから森さんは自由に撮影することができたそうです。

1300年の歴史を持つ山伏の里、前鬼


山上ヶ岳の西の覗き行場


森武史(もりたけし)プロフィール
1957年、三重県玉城町生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業。94年フリーカメラマンとなり、
紀伊半島をフィールドに「自然と人」の関係を撮り始める。99年、熊野古道写真集『くまの
みち』発刊。2004年DVD熊野写真集『祈り天空に満ちて』発刊。06年、鳥羽の離島写真集
『絶海』発刊。08年~10年「熊野修験」写真展(パリ・東京・京都・伊勢)。13年、伊勢
神宮写真集『神宮の森』発刊。2014年、キャノンカレンダー写真作家。
公式ホームページ:https://takeshi-mori.studio.design/kumanosyugen

再興三十三周年記念写真展「熊野修験」が田辺市本宮町で9月1日~30日まで開催さ
れています。
詳しくは下記のアドレスをクリックしてください。
https://www.hongu.jp/2020/08/29/3007/