定年後に始めた仏像作り 2020.10.23
私の調律のお客様の作品です。
Mさんは定年後、お嬢さんに勧められてボケ防止のために京都の仏師について
仏像彫りを始められました。
それから8年経った今、このような木彫りの仏像を作っておられるのです。
木彫りの仏像は本体と光背と台座は別々の木で作られるそうですが、Mさんも
そのやり方に従ってます。
ただ驚くのが本体の仏像のきめの細かい彫り方。
下記の拡大画像を見てください。
衣の襞などのなめらかさを出すのも難しいと思うのですが、頭髪部にあたる丸い
玉状の集合(螺髪というらしいですが)、これも一つ一つ原木を彫り込んでいる
のです。
添付画像ではよく判らないでしょうが、間近で見るそれは実に精巧なものでして、
8年間でこれほどの緻密な木彫りの技術が身につくものかと大きな驚きを感じまし
た。
一つの仏像を仕上げるのにだいたい1年ほどかかるそうで、素人の作品とはとても
思えないこれらの仏像を市の公共施設に展示することは考えないのですか?とお
尋ねすると、年に一回京都文化博物館での仏像展示会(300人ほどの応募があるそ
うです)に出品する以外は展示したことはないそうです。
寝屋川市の市民会館や公民館などの公共施設で市民たちの絵画や書、その他の作品
をよく展示しているのを見かけますから、Mさんの仏像も定年後8年にして作った
作品と説明書きして展示したら多くの人たちに感銘を与え、それらの人たちに「私
も」と一念奮起させる力になるのではと思います。