成田山不動尊

私の住まいの近くに成田不動尊があります。
正式な名称は成田山大阪別院明王院。
創建は1934年と新しく、千葉県の大本山成田山新勝寺への信仰する者が多い関西の地に別院を望む
声が高まる中、大阪の鬼門にあたるといわれていて開発の遅れていた香里の地に別院が創建された
のです。
京都の鬼門の地に比叡山延暦寺が創建されましたが、その裏鬼門という理由でも香里の地が選ばれ
たとか。そこには京阪電鉄の広大な境内地と堂宇が寄進されたことも大きな力になったと思われます。

成田山マップ


ご本尊は不動明王。大日如来の化身とされています。

右手に煩悩や迷いを断ち切る剣を持ち、左手に悪を縛り上げ、煩悩から抜け出せない人々を救い上げる
索(なわ)を持つ姿で表され、恐ろしい表情は、何人たりとも救わずにはおかないという決意を表しています。
静かな雰囲気の仏が多い仏教の世界ではめずらしく情熱的、行動的な神仏ですね。

いろんな御利益があるようですが、大阪の成田山不動尊は何と言っても交通安全の神仏として有名で、
年間20万台のご祈祷車が参拝に来るそうです。
その大半は正月に集中し、3ヶ日は同志社香里高校の前の道路は成田山方向の一方通行となり、国道
170号選まで繋がる渋滞となります。
祈祷殿の前にずらっと並ぶ車の列は壮観ですが、何か殺風景な感じもし、私は初詣に行ったのは数回です。
ですから40年も近くに住んでいるのに私が知っている成田山はこの拝殿のところだけなのです。


それが曇天の5月16日(日)に家内と雨が降ってこないうちに散歩しようと午前8時に出かけて成田山に
行ったのです。
駐車場から見る祈祷殿


祈祷殿の裏側はこんな感じ。参拝者たちの休憩所になっているようです。


祈祷殿横の巨大な楠の木
楠は切り取った木片に火をつけようとしてもなかなか燃え上がらない木で、防火用として神社仏閣の境
内に植えられることが多いのです。


楠の横を通って行くと鐘楼の横に笑魂塚という石碑があります。
関西演芸協会の創立10周年記念事業として建立されたのこと。


笑魂塚の奥に本堂があります。私たちはここに来るのは初めて。


祈願の千羽鶴が飾っています。


新型コロナ退散の祈願。


本堂左手の方に行くとお四国八十八カ所霊場の祭壇が並んでいます。
これら一つ一つ供養しながら拝礼するとお四国を回ったことになるのでしょうか。






本堂の裏側にまわります。


本堂の裏側。


ご婦人たちが般若心経を誦経してました。
「かんじ~ざい ぼ~さつぎょ~じん~ はんにゃ~は~ら~み~た~じ しょうけんご~うん かいく~ど」
大峯奥駈修行でいつも唱えたお経の響きは懐かしく、耳に心地良いものです。


祭られているのは大日如来仏


奥の院への降り口。


下から見るとこのように。


この階段を下りて山門に出る直前のところを左に曲がるとそこが奥の院です。



奥の院社務所


奥の院の霊場。
洞窟の左右に十二支にちなんだ仏が祭られており、一番奥は大日如来です。
社務所でロウソクを求めて自分の干支の仏の前で灯し、祈願をするようです。
社務所は日曜・祝日のみ開いているとのこと。
洞窟内部の撮影は禁止。


洞窟の右に抜けていくと滝行場らしきところに着きます。
水が流れていないので滝行をするときは雨の日に行うのでしょうか。


成田山の裏側の山門。
ここから私たちは帰路につきました。