「渋谷慶一郎が語る〜テクノロジーと音楽〜」
2021年2月26日に放映されたNHK「らららクラシック」の番組です。
これほど衝撃を受けた音楽番組は無いと断言できる内容でした。
音楽の世界におけるAIを使った様々なテクノロジーが紹介されています。
まず今は亡きカナダのピアニスト、グレン・グールドの演奏をAIに解析させ、グールドが演奏したことの
ないフィッシャーの作品をグールドの演奏スタイルでヤマハの自動演奏ピアノで演奏させるのです。
司会者の高橋克典さんは自分はグールドの演奏の特徴がもう一つ解っていないがとコメントしていまし
たが、若き日にグールドに熱中した私はすぐにそれがグールドの演奏そのもののように思えたのです。
AIに繋がれた自動演奏ピアノではヴァイオリニストとの共演でヴァイオリニストの演奏のテンポ、強弱、
揺らぎなどを瞬時にして解析し、それに合うように伴奏を続けており、ヴァイオリニストをして衝撃的体
験だったと言わしめています。
自動演奏ピアノは発売された当時の演奏内容は強弱の差が少なく、何か粗いタッチであり、ホテルや
病院の広いロビーとかでだったらいいだろうけれど、家庭で鑑賞できる代物では無いと思っていた
私は、ヤマハが今こんなにもきめ細かい演奏を再現できる技術を開発したことを知らなかったのでこれ
も大きな衝撃でした。
番組が終わった後に親しくしているヤマハの調律師に電話して尋ねたところ、ヤマハの自動演奏ピア
ノは今ではピアニストでも出せないほどのピアニッシシモも再現できるとのこと。
そしてAIの頭脳を持つアンドロイドがピアニストの演奏によって即興で歌を歌うシーン。
初音ミクのようないかにも女の子のような可愛い音声ではなく、複雑な合成音なのですが、不思議な
魅力があります。
このアンドロイドと共演し続けていたら共演者は愛情さえ芽生えてくるのではないかと思いました。
アンドロイドが多く登場し、その一人の女性アンドロイドが人間に恋をする物語を漫画で読んで涙したこ
とのある私は特にそれを感じました。
再放送は下記のとおりです。
NHK・Eテレ 3/4(木)午前10:25~10:55