才能豊かな少女との出会い  2022.02.22

と表題に記してますが、私はこの少女とはまだ直に会っておりません。
2月15日に初めて調律にうかがったときにお会いしたのはお母様でした。
そのときの様子を談話室の2月15日のところで投稿しています。

父親が集めたLPレコードコレクションで馴染んだのでしょう、何と、34年前に86歳で亡くなった20世紀の
巨匠と言われるヴァイオリニストの、ヤッシャ・ハイフェッツの演奏が大好きというのをお母様から聴いて
私は大変興味を抱いたのです。
ハイフェッツはハイテクニックの持ち主として名高く、英国でのオーケストラのと共演でハイフェッツの演
奏を聴いた楽団のヴァイオリニストがあまりの神わざのようなハイテクに呆然となり、帰路に乗るバスを
間違えたというエピソードが残っているくらい並外れたものだったようです。


歳の離れた私の次姉が婚約したとき、私がメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のメロディを口笛で
吹いているのを聴いた義兄は私を自宅に招き、聴かせてくれたのがこのハイフェッツの演奏でした。
電蓄と当時呼ばれたオーディを装置でレコードはSP盤でした。
中学生だった私はそれ以来、義兄のSPレコードを何度も聞かせてもらいハイフェッツに馴染んだのです。

帰宅後にお母様とやりとりしたメールの中で、いつかお嬢さんの演奏を聴きたいですと、記したところ、
お嬢さんの演奏のYou Tube動画を送ってくださったのです。
聴いてみて私はその音程の正確さ、演奏技術の素晴らしさに深い感銘を受け、私のホームページで
紹介する承諾を願ったところ、快諾してくださったのでここに紹介する次第です。
お嬢さんの名はF.リリカさん。以後、F.リリカさんの名で紹介します。
演奏会場は旧乾邸という、神戸市の有形文化施設で行われたそうです。


下記の動画はヴィエニャフスキの曲で始まり、そのいかにも難しそうな曲を難なく弾きこなすF.リリカさん
に感銘を受けますが、私同様、この曲を聞きなれない人は長いですから最初の動画を17分ほど過ぎたと
ころからご覧になるとチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトが聴けます。
https://youtu.be/SD7tT-AXtTs

次の動画はベートーヴェンの有名なスプリングソナタです。それも素晴らしいのですが、その後のヴィエニ
ャフスキの無伴奏曲も素晴らしく、これら両方の動画を見ているとハイテクを駆使するハイフェッツの演奏
にF.リリカさんが惹かれる理由が判るような気がします。
https://youtu.be/N4s07fGcM00

演奏を一緒に聴いた私の家内が「このお嬢さん、東京の音大附属高校に行きたがっているのなら行かせ
るべき」と言いました。
自分の身内をこんな風に言うのも何ですが、家内は私より遙かに耳が肥えているのです。

そして21日にお母様から二つのYou Tubeが送ってこられたのですが、それはベルギーのイザイ・ジュニア
コンペティションというコンクールに出場するために送るデモ演奏だそうです。
イザイはベルギーが生んだ巨匠ヴァイオリニストで彼を記念するイザイ音楽コンクールと言うのができ、そ
れは後に世界三大コンクールと言われるエリザベート王妃コンクールとなるのですが、その中のジュニア
部門にお嬢さんは挑まれるのです。
F.リリカさんにとって初の海外のコンクール挑戦のようです。

私はこのF.リリカさんを心から応援したく思ってます。
ピアノ調律師をやっていると、ヴェラーティさん、七ツ谷さん、このF.リリカさんのような音楽家と知り合うこ
とができる喜びがあります。