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この還付金詐欺のことを談話室を普段見ていない友人・知人たち20人にLINEで知ら せたところ、たちどころに反応があり、多くの人からコメントをいただきました。 その人たちへ応えるためにも、もう少し今回の事件のことを詳しく記したく思い ます。
普通、冷静に他人事としてこの事件の経過を見たら、朝の9時前に公共機関から電 話があること、通知書の再発行をするための手続きに銀行に行かせること、そして その際にキャッシュカードと携帯電話を持参することなどを言ってきたら即座に怪 しいと思いますよね?
ところがこの詐欺師たち、芸が細かいと言うのか、最初は緑色の封筒の細かい説明 をするのです。 送付日付や差出人の名前、中身の説明。そして何とか探してもらえませんか、と言 うものですからこちらも家内に尋ね、家内も一生懸命探すのですが見つからないの でその旨を伝えると、再三、念を押してくるのです。
30分近くも家内が電話で話したあとにやっと還付金があること、その振り込み先の 銀行口座の話になったそうです。 振込できる取引銀行の条件として、5年以上の取引があるか、5万円以上の預金があ ること。 そうでない銀行の場合、手数料が2千数百円かかること。
取引銀行は数十年の付き合いがあり、ネットバンキングを利用しているため、ある 程度まとまった金額を預金していることを伝える頃になると家内もすっかり信用し てしまい、私も後からその銀行マンを名乗る男の電話を受けたとき、如何にも一流 の銀行マンらしい電話の応対にすっかり欺されてしまったというわけです。 これは一種の催眠術のような手法も盛り込んでいるのかも知れません。
LINEで送信した知人の中でファイナンシャルプランナーの女性がいるのですが、彼 女の下記のコメントがこのあたりの巧妙な語り口に欺される盲点を説明してくださ っていると思います。
一番怖いのは、「(今年はいつもと違って高額医療)あるかも」と思ってしまうタイ ミングの偶然が一致した時の巧妙な話し方ですね! おかしい点をスルーさせてしまう力がある。私も「ふん、ふん」って言う事を聞い てしまうかも!
詐欺師には時間がたっぷりありますから、30分かけて思い込みを強化させるのですね。 早々にキャッシュカードと言い出すと、ピン!とくるかもしれませんが、話をあく までも緑色の封書に集中させると「ピン!」が発動しないですものね。 本当、優秀な人がトップにいるんだと思います。
この御仁、まともな営業の仕事についてもかなり頭角を現すのではないかと思うよう な話術で、詐欺だと判っても不思議と腹も立たなかったですね。 実際に会ったら結構魅力的な人かもしれません。 |
還付金詐欺
投稿者:リワキーノ 投稿日:2022年 6月 1日(水)23時18分0秒思っていた私ですが、今日、危うく引っかかるところでした。
今朝9時前に市外局ナンバーが東京からの電話が架かってき、健康保険機構の某
を名乗り、昨年の医療費が高額だったことへ問い合わせる内容の緑色の封筒を送
付したが、その返信回答の書類が未だに届いていないので電話したとのこと。
昨年は脊柱管狭窄とデュプイトラント拘縮という手の平の手術、大腸のポリープ
摘出と入院を伴う手術をしているので、すっかり信用してしまい、その緑色の封
筒が見当たらないので家内が知っているのではと思って家内に電話を託したので
す。
家内もその該当する緑色の封筒は覚えが無く、だいぶ長いこと電話していたので
すが、どうやら2万数千円の還付金があるという内容であること、そしてその振
込先の銀行名を尋ねていることが漏れ伝わってきたのです。
仕事がある私は9時半頃に出かけていったのですが、仕事先に家内が電話してき、
健康保険機構の電話が終わったあと、教えた取引銀行から電話があり、届いてい
なかった緑色の封筒の再発行をしてもらうため、指定の取引銀行支店に携帯電話
を持参のうえ来てもらい、手続きをして欲しい旨を言っていることを私に伝える
のです。その担当者は某銀行本店営業部のワダと名乗ったそうです。
携帯電話は主人しか持っていないことを家内が伝え、私が昼前にいったん自宅に
戻ることを伝えると、相手はそのころに電話してくるとのことで、私も帰宅して
からその電話を受けたのです。
相手が指定する某銀行の寝屋川駅店はATMのみの出張所で、再発行手続きするため
に通帳とキャッシュカードと携帯電話を持参して欲しいと言うのです。
郵送した郵便物の再発行のために何でキャッシュカードがいるのかと普通だった
ら怪しむはずですが、私はそのときは本当に疑心を抱かなかったのです。
午後からの仕事を控えていた私は手続きは簡単に済むのかと尋ねたら、手続きそ
のものは5分ほどで済むが、オンラインの窓口が込んでいることがあるので予約が
必要と言うのです。
午後の仕事が3時頃に終わることを伝えると、相手はその頃に私の携帯に電話して
予約を取らせてもらいます、と言います。
その電話を切ったあとに、家内が添付の画像の封筒をもってきて「これって還付
金詐欺なのとちがう?」と言います。
その封筒は医療費の明細が記された寝屋川市役所からのものです。
その時、私は初めて詐欺ではないかと思ったのです。
仕事に行く時間が迫ってましたが、私はすぐさま某銀行東京の本店に電話したと
ころ、詐欺であることが判明したのです。
そして仕事先で大変苦労した調律を終えて顧客と談笑しているところにその偽銀
行マンから電話が入りました。
「その件ですが、念のために某銀行本店に電話したところ、東京本店は一個人様
に業務電話をすることは有り得ません。還付金詐欺の疑い濃厚です、とのことで
すので、この件はこれでおしまいにしましょう」と言って電話を切りました。
そばで聞いていて呆気にとられたお客様が「詐欺現場のやり取りを初めて接しま
した!」とおっしゃいました。
皆さん、
欺されそうになった私を笑いますか?
実際に遭遇して思ったのは、彼らのその語り口と声音の巧妙さ。
ペテン師と詐欺師は超一流の役者であることを実感しました。