市川團十郎襲名公演 2024.10.16
幼なじみのCho君から歌舞伎の招待券が送ってきたので昨日、観てきました。
演目は市川海老蔵が市川團十郎を襲名したその記念公演全国ツアーの一環で2年かけた最
終の大阪松竹座における公演です。
1等席でお値段が一人22000円。
Cho君から電話連絡を受けたのは3日前。
何でも昨日16日の2席空席ができたので何とかして埋めて欲しいと成田屋関係者からCho
君に依頼があり、チケットは無料で提供するとのこと。
Cho君は大阪の私ならと16日の夕方の日程を問い合わせて来たのです。
16日の午後は仕事を入れていなかったので行ける旨を伝えたら、早速書留速達でチケッ
トを送ってきてくれました。
ところが家内は市川團十郎襲名公演の一等席に行くなんて敷居が高すぎるし、きっと着
物姿の人が多い中、着て行く服も無いからと行くのを拒否します。
そこで息子の嫁を誘ったところ、嫁は喜んで付き合ってくれ、昨日は公演を観ることが
できたのでした。
宝塚歌劇や能楽、文楽は何度も観たことがありますが、歌舞伎は結婚した当初の50年前
に旧歌舞伎座で観て以来。
松竹座に電話したところ、公演時間は午後4時~7時50分まで。
間に3回休憩時間が入り、その間に客席での飲食は可能とのこと。
多少の緊張感を持って松竹座に赴いたのですが、感想はと言えば、松竹座が立派な劇場
だったこと、役者たちの衣装や舞台が色彩的に美しく、豪華絢爛だったこと、連獅子の
舞台に唄方、三味線方、笛や小鼓、大鼓などの囃子方が16人が袴上下姿で3段になってず
らっと並び演奏する様は強い印象を残しましたが、演目の義経千本桜や一条大蔵譚は今
一つ、面白さが判らず、退屈して居眠りしそうになりました。
しかし市川團十郎親子が出演するお披露目口上とそれに続く連獅子は素晴らしく、これ
を観られただけでも来た甲斐があったと思わせるものでした。
団十郎、新之助親子を含む出演役者12人が横一列に並び、一人一人が挨拶を述べる中、
最後に団十郎が見得と睨みを見せる場面は私たちの席が10列目のど真ん中だったの団十
郎の睨み(片側に寄ったひんがら目)がはっきりと判り、強い印象を残すのです。
連獅子においては市川新之介の踊りと動きがこれが11歳の子のものか、と驚嘆させるよ
うな完璧なもので、多分観客の多くは新之介の動きにくぎ付けになったのでは思わせる
ようものでした。
連獅子というと普通、赤と白の長い毛を二人で振り回す姿を思い浮かべますが、私が感
動したのは狂言を間に挟んだ前半の踊りで、二人は隈を作らない化粧で小さな毛ふり獅
子を持ちながら躍動する姿が美しく、涙が出てきそうなシーンの連続でした。
市川團十郎の市川新之介の親子はそろって美形なのにも大きな感銘を受けました。
嫁曰く「松本幸四郎さんも素敵ですが、団十郎さんも本当に素敵ですね」
それにしても成田屋関係者からこのような依頼を受けるCho君の交流関係の広さに改めて
驚かされます。