私の顧客が大阪音楽大学の卒業演奏会に。   2024.03.14

A.Sさんは私の顧客であるピアノ教師F.Sさんの娘さんです。
今春、大阪音楽大学を卒業するにあたって卒業演奏会への出演を抜擢されました。
お母さんのF.Sさんとは30年来のお付き合いで、ご自宅のグランドピアノがよく断線するので修理と
その後の部分調律をするなどで頻繁に訪問することが多いこともあってすっかり親しくなり、お嬢さん
の成長の過程などはよくお聞きしていたのですが、卒演に撰ばれたとういことと、演奏曲目がラヴェ
ルの「夜のガスパール」の3曲目の「スカルボ」ということを知り、絶対に聴きに行きたく思ったのでした。
「スカルボ」は演奏中に弦が切れることが多く、私がコンサートチューナーを勤めていたころ、大変緊
張する曲目でした。
それについては昔、私のホームページに載せたピアノ調律師の苦労談の中で描写していますので
ご興味のある方はご覧ください。
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演奏会場は大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス。
初めて入ります。




さすがに撰ばれた人たちだけあって私が聴いた6人の演奏は一曲を除いて素晴らしいものでしたが、
その中でもA.Sさんの演奏は最も目立ち、聴衆の耳をくぎ付けにしたような演奏であり、演奏スタイル
でした。
満面の笑みを浮かべて登場し、演奏中のスタイルも新人とはとても思えないような堂々としたもので、
演奏に集中している姿だけでも一見に値するものでしたが、超難しいと言われるこの難曲をめりはりの
効いた表現力で演奏する姿には鬼気迫るのようなものがあり、その凄さにこんな力量を持った娘さん
だったのか、とただただ驚き、感動し、彼女はヴィルト-ゾ型のピアニストだなと思ったものでした。





画像はリハーサル時のもの
「スカルボ」の彼女の演奏は撮っていないのでYou Tubeの別の演奏家のものを参照ください。
http://hmpiano.net/piano_tuner_zatsuki_1.html

終演が9時になりそうなので私は休憩時間をしおに退出したのですが、「リワさん!」と後ろから呼び止
められ、振りかえるとお母様のF.Sさんでした。
私が席にいるときから気がついておられたようで、私が退席するのを見て追っかけて来られたのです。
感動をお伝えしていたら何と、A.Sさんまでがやってこられました。
彼女は私のスカルボに関する私の手記を事前に読んでいてクスクス笑いながら「わかる、わかるリワさん
の気持ちが」とお母さんに言われたとか。
一緒にツーショットを撮らせてくださいと言われて撮ってもらいましたが、あのど迫力の演奏に圧倒された
あとだけに大変光栄に思ったものでした。


近くに居たホールの職員さんでしょうか、Sさん親子と一緒のショットを撮ってくれました。
お母様のF.Sさんと知り合ったのは彼女が大阪音大に入学した年でしたから、このお嬢さんの歳とほぼ
同じ歳でした。


ホールをあとにして余韻に浸りながら夜道を阪急庄内駅まで歩くときの気分は最高に良かったです。