怪人百面相の「ジャズ入門のメモ」 2025.03.19
「最近、ジャズを聴き始めました」
という人向きに自分の好みを前面に出して、このメモを作りました。
このオススメに合うか、合わないかは聞いてのお楽しみ・・・
ということで、どうぞ。
18 枚は少し多すぎるかも知れませんが、映画音楽やポップス、日本の曲などのジャズアレ ンジもたっ
ぷり準備しましたので広くジャズを楽しめると思います。 夏はジャズを聴くのにもっともふさ
わしい季節です。
それでは、短いジャズの旅をどうぞ。
1、チャーリー・パーカー「ウィズ・ストリングス」
ジャズといえばまずこの人です。
アルト・サックス超絶アドリブの極地、チャーリー・パーカーです
モダンジャズは彼から始まったといえます。
若きマイルス・デイビスがこの人のバンドにいて、このままこのや
パーカーほど真の天才と呼ばれるのにふさわしいジャズ・プレーヤ
パーカーは聴きづらい、アドリブがすごすぎて聴いていて疲れる、
一面それは当たっています。
そこで、このアルバムです。
なんという美しい歌心に溢 れた演奏でしょう。
ここでのパーカーはアドリブではなく美しいメロディーをすばらし
そして、後世に残る名盤になりました。
ジャズの有名なスタンダード・ナンバーがたくさん入っているのも
2、マイルス・デイビス「サムシン・エルス」
マイルスが出ましたから、次は彼のアルバムを聞いて見ましょう。
これはアルト・サックスのキャノンボール・アダレイのリーダーアルバムですが、誰が聞いても主人公はマイルスですね。
ブルーノートのもっともよく売れているアルバムの1枚です。
それは、1曲目の「枯葉」の演奏がすばらしい名演奏だからです。
ミステリアスなイントロからマイルスの切り裂くようなトランペット。
そして、一転してミュートでしみじみと主メロディーを・・・・ク〜たまりませんねえ。
もしマイルスをしっかり聴いてみたいと思うなら、私は70枚ほど持っていますので、 ポイントのアルバムをピックアップいたしましょう。
気になるのがあれば、いつでもコピーします。
ここで、少しマイルスのお話しを。
私はマイルス19×9年説を言っております。
1949年「クールの誕生」でビ・バップのアンチテーゼとして、アドリブばかりで なく調和・ハーモニーも重視したクール・ジャズを出しました。
1959年「カインド・オブ・ブルー」でハード・バップのアンチテーゼとして モード・ジャズを前面に出してきました。
1969年「ビッチェズ・ブリュー」でエレクトリックとロックを取り入れたまった く新しいサウンドでジャズ界を騒然とさせました。
ここからジャズは70年代、80年代とフュージョンの嵐になって行きました。
3、ビル・エバンス「ポートレイト・イン・ジャズ」
枯葉が出たので、枯葉のもう1枚の名盤を聴いてみましょう。
ビル・エバンスのアルバムです。
ビル・エバンスが天才ベーシストといわれたスコット・ラファロとトリオを組んでい た短い期間に残した
アルバムです。2、3に枯葉が2 take 入っています。マイルス盤 でのトランペット、サックスというホーン中心の演奏と違い、ピアノ・トリオの軽快 な感じがいいですね。 しかし、ここでの聴き所はなんといっても、
エバンスとラファ ロの真剣勝負です。
すごいですねえ。
こういうのを聞くと、最近のトローンと甘いビアノ・トリオあたりとはまったく別物ですねえ。
「枯葉」ではもう1枚有名なアルバムがあります。 ウイントン・ケリー「枯葉」です。出たので、枯葉のもう1枚の名盤を聴いてみましょう。
ビル・エバンスのアルバムです。
ビル・エバンスが天才ベーシストといわれたスコット・ラファロとトリオを組んでい た短い期間に残した
アルバムです。2、3に枯葉が2 take 入っています。マイルス盤 でのトランペット、サックスというホーン
中心の演奏と違い、ピアノ・トリオの軽快 な感じがいいですね。しかし、ここでの聴き所はなんといっても、
エバンスとラファ ロの真剣勝負です。すごいですねえ。こういうのを聞くと、最近のトローンと甘いビアノ・
トリオあたりとはまったく別物ですねえ。
「枯葉」ではもう1枚有名なアルバムがあります。 ウイントン・ケリー「枯葉」です。
4、クリフォード・ブラウン「ウィズ・ストリングス」&「ヘレン・メリル」
トランペットといえばマイルスよりも上だったと評価されているクリフォード・ブラ ウンを聴きましょう。
なにしろ天才は早死にするのとおりの人で26歳で交通事故で死んでしまいました。
残されているアルバムはすべて名盤。
全部揃えても損は無い。
その中で少し横にそれてはいるが、私が大好きなウイズ・ストリング物の中でバーカ 一のものと並んで名盤の誉れが高いのがこのアルバム。
これも有名なスタンダードが並んでいます。13. 「煙が目にしみる」や19. 「スタ ーダスト」はご存知でしょう。
それと、これは、名盤を2枚カップリングした超お徳用盤でして、もう1枚は、あの 「ニューヨークのため息」と呼ばれたヴォーカルのヘレン・メリルのデビュー盤です。
これは、ヘレンのヴォーカルの中でばかりでなく数多くのジャズ・ヴォーカルの中で も第一級と評価されているアルバムです。
それは、クリーフォードが入っているから ですね。
ヘレンのものういヴォーカルの間に彼のトランペットが入るとしびれますねえ。
3. YOU'D BE SO NACE TO COME HOME TO は聴いたことあるでしょう。
彼女のこれが定番ですね。
阿川泰子が一生懸命真似をしていました。
5、ジョン・コルトレーン「バラード」
ジャズの巨人といえばコルトレーンでしょう。
なにしろ、最後は神になってしまった人です。 私も若い頃初めてジャズを聞き出したのがコルトレーンからでした。
しかも、60年代のフリーに入る前後のころからでしたからジャズといえばコルトレ ーン、フリー以外はジャズではないと思っていました。
50年代のビ・バップ、ハー ドバップなんぞは軟弱の一言で片付けていました。
偏狭でしたねえ。
50年代をまともに聞き出したのは4年前からですよ。
遅れてきたジャズファンなんですよ。
コルトレーンに戻って、彼をひと言でいうと「真面目人間」ですね。
ですから彼の演奏を聴くとかなり疲れます。
その中で突然変異のように存在するのがこのアルバムです。
高級なクラブでブランデーを傾けているような気分になります。
コアなコルトレーン信者からは馬鹿にされていますが、逆にコルトレーン嫌いからに 高く評価されています。
ま、そういう余談は横において、彼のムードいっぱいのバラード演奏に酔って下さい。
6、ソニー・ロリンズ「サキソフォン・コロッサス」
コルトレーンと並ぶテナーサックスの巨人がソニー・ロリンズです。
彼はコルトレーンとはまったく違い天才的なアドリブ演奏をややユーモラスに聴かせます。
コルトレーンの後継者はたくさんいますが、ロリンズの後継者は誰もいません。
それほど、彼のアドリブは個性的で誰にも真似ができないのです。
ロリンズのアルバムといえばこの「サキソフォン・コロッサス」で決まりです。
カリプソ風のセント・トーマスがいいでしょう。
彼の真骨頂です。
この曲はマック・ザ・ナイフとも呼ばれて
います。
ビル・エバンスやコルトレーンに比べ、なぜか女性のファンが少ないのもロリンズの不思議です。
7、アート・ペッパー「ミーツ・ザ・リズム・セクション」
アドリブの天才といえばこの人を欠かせません。
彼の独特の哀愁を帯びたアドリブ演奏は日本人に圧倒的なファンを持ちます。
私も大好きでして、若い頃に50年代のジャズで唯一アート・ペッパーだけは聴いて
いました。
このアルバムは彼のアルバムの中でもダントツの人気盤です。
1957年にマイルスのコンボが西海岸に行ったときにマイルス抜きのリズム・セク ションのみがアートと録音したものです。
アートはほとんど練習せずぶっつけ本番で この名演を残したという伝説があります。
1. YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO がいいですねえ。前のヘレン・メ リルと比べてどうですか?
この盤には入っていませんが、ラテンのベサメ・ムーチョのジャズ演奏といえば「ア ート・ペッパーのベサメ」というほど定評があります。
後ほど紹介するベサメ特集盤にアートの演奏するベサメを3種類入れてあります。
以上がいわゆるジャズ・ジャイアンツものです。
8、エディ・ヒギンズ 「You Don't Know What Love Is」
時代は50~60年代から一気に21世紀に飛びます。
今、日本で1番人気があるのが、このエディ・ヒギンスのピアノです。
もう、70過ぎの立派なおじいちゃんです。彼は若いころからまったく売れない三流のジャズ・ピアニストでした。
それが90年代も後半に日本のVENUS レコードの原哲夫さんが見つけ出してきていわゆる癒し系のピアノ・トリオとして売り出したところ大ヒットして、いまや VENUS レコードの最大のドル箱になっています。
その中で、このアルバムは珍しく彼のピアノソロです。
究極の聞きやすいジャズになっています。こういうのが今の日本で売れているジャズですね。
若い頃にはもっとも嫌っていた演奏ですが、今は大好きです。
9、ヨーロピアン・ジャズ・トリオ「マドンナの宝石」
10、 " 「モナ・リザ」
今、とても人気のあるピアノ・トリオをもう一組紹介しましょう。
それは、ユーロピアン・ジャズ・トリオです。
彼らはクラシックの出身者で組んだピアノ・トリオです。
そういうこともあり、彼らのアルバムはクラシックの曲をジャズ演奏をしたものと、 ジャズのスタンダードや映画音楽のようなポピュラーな曲を演奏したものに分かれて
います。
どちらもとてもいいです。
「マドンナの宝石」がクラッシク集、「モナ・リザ」がポピュラー集です。 後者には日本人向きに「里の秋」が入っていていいですねえ。
同じ癒し系のジャズですが、先ほどのエディ・ヒギンズよりもE・J・Tはやや緊張 感のある現代的な演奏です。
次からはお好みコンピレーションです。
11、「サマータイム」
ジャズには同じ曲を異なった演奏家が演奏したものを聴き比べる、という大きな楽し みがあります。
スタンダード・ナンバーで有名な「サマータイム」を聞いて見ましょう。
さすがに有名曲だけあって、パーカー、コルトレーン、マイルス、アート・ペッパー とビッグネームが並びます。それぞれのアドリブの違いがよく分かります。
この中ではフリージャズで有名なアルバート・アイラーのものが個性的です。
なんか胸を締め付けられるような悲しみが聞こえてきませんか。
これの入っているアルバ は日本人が大好きな1枚です。
「My Name Is Albert Ayler」 というアルバムです。
それからボーカルも2種類入れておきました。
実はサマータイムのヴォーカルといえばサラ・ボーンが超有名なのですが、あの声がまったく好きでなくて。
・・・すみません。
12、「ベサメ・ムーチョ」
いよいよ、ラテンのベサメ・ムーチョ集です。
私が曲集めをやり出したのは、このベサメからでした。
44種類集めました。
アート・ペッパーは1の1958年盤が有名です。
11のグラント・グリーンのギターが個性的ですねえ。
初めて開いたときにはビックリしました。
黒人らしいコテコテの味がいいですね。
こういうのをファンキーというのでしょうか。
13、「黒いオルフェ」
夏はボサノバですねえ。
ボサノバはジャズのサックスのスタン・ゲッツがアストラッド・ジルベルトと出したアルバムが世界的な大ヒットになり市民権を得ました。
私もボサノバは大好きで、特にこの映画音楽「黒いオルフェ」が一番好きです。
54種類集めています。
この曲は2、サックスのデクスター・ゴードンのものが定番でして、よくバーや喫茶店の有線でかかっています。
8,9,10は映画のサウンド・トラックです。
おまけとして、やはりボサノバの有名曲「デサフィナード」を4種類ほど入れてました。これもいい曲でしょう。
14、「いそしぎ、テネシー・ワルツ」
つぎは映画音楽の「いそしぎ」です。原題は「The Shadow of Your Smile」です。エリザベス・テイラーとリチャード・バートン主演のハリウッド全盛時代 でした。
高校か大学のころに見ましたが、音楽の方だけが印象に残りました。
この年のアカデミー賞の音楽賞を取っています。
これもジャズで演奏がしやすいのか、たくさんのバージョンがあります。
いい曲ですねえ。
大好きなので46種類集めました。
「テネシー・ワルツ」は映画音楽ではありませんが、とてもポピュラーなジャズです。 歌手のパティ・ペイジが大ヒットさせました。
日本では江利チエミの歌が有名ですね。
12にパティ・ペイジを入れてありますが、私は13ホーリー・コールのクールな歌の方が好きですね。
15、「ひまわり、シェルブールの雨傘、シャレード」
映画音楽が大好きなのでもう少し続けます。
3曲とも私の高校、大学時代に流行っていた曲です。
「ひまわり」は哀しい映画でしたねえ。
ソフィア・ローレンが演じた奥さんが可哀想でした。
是非、一度レンタルで借りて見て下さい。画面一面のひまわり畑のバックにこの曲が流れると鳥肌が立ちます。
1. クラリネットの北村栄治はオーソドックスな演奏でこの曲のイメージをしっかり表現していてとても美しい演奏です。
しかし、なんといってもこの曲の白眉は2、寺井尚子のヴァイオリンです。
この壮絶な美しさはただごとではありません。
この演奏ならばソフィア・ローレンも大満足でしょう。
「シェルブールの雨傘」はカトリーヌ・ドゥヌーヴ主演の台詞のまったくないミュー ジカルです。
パリの街角とカラフルな雨傘でとても美しい画面でした。
ケニー・ドリューのピアノの美しい調べ。
ここではニールス・ペデルセンのしっかり したベースが聴きどころです。
バルネ・ウイランは珍しいフランスのサックス・プレーヤーです。
もし彼の演奏に気に入れば、彼の映画音楽集を進呈しましょう。
人気盤ですよ。
マッコイ・タイナーはコルトレーンのカルテットで活躍したピアニストです。
ここで も一番ジャズらしいしっかりした演奏をしています。
「シャレード」はオードリー・ヘップバーンとケーリー・グラント主演の洒落たタッチのミステリー映画でした。
オードリーの映画の中で私が一番好きな映画です。
ウォルター・マッソーの犯人が怖かったですねえ。
ジェームス・コバーンの湯船で中の死顔も怖かった。(淀川風)
ここの中での聞きものはサヒブ・シハブのバージョンです。
このなかで彼はフルート を演奏していますが、このアップテンポなリズムがすごい。こんなシャレードは他で は聴いたことありません。
これが入っている「サヒブ・シハブのジャズ・パーティ」 というアルバムはとても人気があります。
最後のジョニー・ハートマンのヴォーカルはどうでしたか。
男性ヴォーカルの中で私 が一番好きな人です。
ふっくらとした甘い声がいいですね、彼にはジョン・コルトレ ーンと吹き込んだ「ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」という名盤があります。
超・超オススメです。
16、「風のささやき、花はどこへいったの・・・・」
次は大好きな曲を集めたコンピレーションです。
「風のささやき」はスティーブ・マックイーン主演の映画「華臓なる賭け」の主題曲 です。ミシェル・ルグランの作曲ですね。
これと次の「イルカに乗った少年」はトラ ンペットのアート・ファーマーがヨーロピアン・ジャズ・トリオと演奏したアルバム「風のささやき」に収録されています。
アート・ファーマーの抑えたソフトなトランペットとE・J・Tのリリカルなピアノ・トリオが実によくマッチしています。
これも超名盤です。
「イルカに乗った少年」はソフィア・ローレン主演の名作「島の女」の主題曲です。
いい映画ですからツタヤで借りて見てください。
これもいい曲でしょう。大好きです。
「花はどこへいったの」は有名な反戦歌ですね。
ここではデビット・マシューズのいかにも商業主義的な演奏を楽しみましょう。
「太陽がいっぱい」は映画音楽の中で私が一番好きな曲です。
アラン・ドロン主演の映画がすごかったで
すねえ。
最後のヨットのロープで死体が上がって来るところが怖かったですねえ(淀川調)
大好きな曲なのですがジャズ・ヴァージョンがとても少なく寂しいです。
ここはチャ ーリー・マリアーノがもうほとんど死にかけたような力のないサックをやっています。
彼は50年代にマニアックなベツレヘム・レーベルなどから名盤を残しています。
「ムーン・リバー」はいわずとしれたオードリー・ヘップバーン主演 「ティファニー で朝食を」の主題曲ですね。
アンディ・ウイリアムスの甘い声の歌が有名です。
ムー ディな演奏はたくさんありますので、ここではグラント・グリーンのユニークなギタ 一演奏をどうぞ。
「慕情」はあまりにも有名な恋愛映画の大傑作ですね。
ウイリアム・ホールデンとジ ェニファー・ジョーンズの大スターの名演が滂沱の涙を流させます。
それにしても当時のハリウッドの女優の美しいこと・・・
クリフォード・ブラウンの演奏は少し元気が良すぎるようで、いまひとつかな・・
「追憶」。これも名作の誉れ高いバーバラ・ストライザンドとロバート・レッドフォー ド主演の恋愛映画ですね。
ケニー・ドリューの教科書のようなピアノ・トリオが聴きやすいですね。
ベデルセンのベースをしっかり聴いて下さい。
「小さな花」はシャンソンの名曲です。ここではサックスのアーチー・シェップが 日本のVENUSに吹き込んだシャンソンのジャズ演奏集 「フレンチ・パラッズ」から。
彼は60年代にはフリージャズの闘士として活躍しました。
ここでの演奏でも時々 フリーキーな音が出てきて懐かしく聴いてしまいます。
「パリの空の下」とか「枯葉」 とか有名曲がたくさん入ったとてもいいアルバムなので、この手の演奏がお好きなら準備しますよ。
「遥かなるアラモ」ジョン・ウエイン主演の西部劇「アラモ」の主題曲。
「花はどこにいったの」と同じデビット・マシューズのアルバム「センチメンタル・ ジャーニー」から。
「峠の我が家」はアメリカの民謡ですね。
ベースのゲーリー・ピーコックはピアノの キース・ジャレットといいアルバムをたくさん出しています。
決して聴きやすい演奏ではありませんが現代のレベルの高いジャズはこんなものです。
長い映画音楽週の紹介がやっと終わりました。
17、「月の砂漠…」
次は日本の曲のジャズ演奏集です。
こういうのが私はまた、だ~い好きでして・・・
どこに日本の曲がころがっているのかを探すのが楽しいですねえ。
日本の曲がアメリカの一流のジャズ・プレーヤーで演奏されたのはリー・モーガンのこの1.「月の砂漠」が最初ではないかと思います。
ブルーノート 「ザ・ランプロ-ラ一」というアルバムに入っています。
リー・モーガンは天才トランペッターといわれ、多くのアルバムを残しましたが34歳のとき愛人の拳銃で撃ち殺されました。
折角ですからリー・モーガンのオススメを少し。
なんと言っても「リー・モーガVol3」に入っている 「I Remember Clifford」の名演が絶品。
いい曲ですよ〜。
これはそれと、ジャズロックという分野を確立させた「ザ・サイドワインダー」というアルバム。
好き嫌いはありますが人気は抜群。
お話しを「月の砂漠」に戻して、ケニー・ドリューの演奏から1982年と1992年の2バージョン。
解釈が違いますが、どちらもいい演奏です。私は82年のほうかな。
トランペットのフレディー・ハバードは賑やか派ですね。
私はケニー・ドリューの叙情的な演奏が好きです。
「祇園小唄」はエディ・ヒギンズから日本のファンへのプレゼントです。
「蘇州の夜」は秋吉敏子の初期の名盤「ザ・トシコ・トリオ」から。
彼女は日本人で初めてジャズをするためにひとりで米国に渡り大成功した女性です。
チャーリー・マリアーノと結婚し、離婚した後ルー・タバキンと再婚しました。
「五木の子守歌」を2種類。バルネ・ウイランは映画音楽で紹介しましたね。
エルピン・ジョーンズはコルトレーン・カルテットのドラマーです。
日本が大好きで 確か奥さんは日本人でした。
あとのユーミンはおまけです。
でも、このアンディ・エズリンのピアノ・トリオは結構ジャズっぽくていいでしょう。
18、鈴木直樹「鈴懸の径」
これはおまけです。
鈴木直樹は有名なクラリネット奏者・鈴木章治の甥で、同じクラリネットの演奏家で す。
クラリネットを聴くと、ビ・バップ革命以前のお祭りのデキシーランド・ジャズやダンス音楽のスイング・ジャズを思い出しますね。
1と16に「鈴懸の径」が2take 入っていますが、この曲は叔父さん鈴木章治のテー マ曲みたいなものです。
もともとは歌手の灰田勝彦のために兄の晴彦が作曲した曲だそうです。とてもきれいなメロディーの曲で大好きです。
このアルバムはその他にニューミュージックあり、歌謡曲あり、童謡あり、スタンダ ードありの盛りだくさん。
この中では15 「見上げてごらん夜の星を」が私は一番好 きです。
しかし、クラリネットのジャズを聴いていると子供の頃についてまわっていたチンドンヤさんを思い出すのは私だけでしょうか(だいたかおる風に)
以上でジャズの時間は終わりです。
お疲れ様でした。
疲れ直しに「大月みやこ」をどうぞ。
私はここ数年彼女の歌に凝っています。毎年、新宿コマの1ヶ月公演にも必ず2、3回
は行っています。
「大月みやこ」と言うとド演歌の歌手という印象があるのですが、実際に彼女の歌を聴くとむしろ抒情歌に近く感じます。
それは彼女が子供のころ徹底的に童謡の勉強をさせらて、高音を美しいファルセットで発声する訓練をしたからです。
安田姉妹なんかと通じるところがありますね。
という前置きで次の1枚を。
19、大月みやこ「昭和の名曲を歌う」
彼女のオリジナルではなく、あえて他の歌手の持ち歌のカバー・バージョン集を。
本人の歌と比べて彼女の歌い方の品の良さと美しさがよく分かると思います。
1~4は春日八郎 5青木光一 6菅原都々子 7松山恵子 8フランク永井 9松尾和子 10鶴田浩二 11西田佐知子 12エト邦枝 13大津美子 14ペギー葉山
8~11あたりのムード歌謡系に彼女の良さがよく出ていると思います。
特に11 「アカシアの雨がやむとき」は絶品です。この名曲で西田佐知子を超えたバージョンを聴いたことはありませんが、大月みやこは確実に西田佐知子を超えています。
この1曲だけでも聞く価値があります。
是非、大月みやこの印象を変えて欲しいと思います。
さあ、どうでしたか?
ジャズの短い旅が終わりました。
2006.7.19