ダリ・コレクションがHallelujah Choへ

ダリが1970年代後半、愛妻ガラ夫人のためにアクセサリー用カジュアル・ジュエリーをダリの
工房で作成しました。それはかなりの数になったのです。
それが色々なプロセスを経て1982〜83にかけて福岡市の著名な企業が買い付けしました。
ところがその企業はそのコレクションの一部を販売した後、なぜか27年間ものあいだ倉庫に
しまいこんだままにしていたのです。
そして業績の悪化でそのカジュアル・ジュエリー類を手放さなければならなくなった某企業は
宝石商のCho氏に相談してきたのです。
このとき、話を聞いたCho氏の若いときからの友人で著名なデザイナー(後に東京芸術大学の
教授となった)の河北秀也氏が「ダリの手がけたアクセサリーなら絶対に芸術的にも価値のあ
るものだからそれを買い取るように」とアドバイスしたのです。
1989年にダリが死んだときスペイン政府がダリの作品を国宝扱いとし、ダリの工房もダリの
作品の一切の著作権も全て政府管轄下に置いたので、ダリのデザインを模倣したアクセサリー
類を作ることはできなくなったのです。
Cho氏は友人のアドバイスに従って当時3億数千万円したと言われるダリのカジュアル・ジュ
エリー類を2001年に全部購入したのでした。
それ以来、ダリのガラ夫人のために作られたアクセサリーコレクションはHallelujah Choに所蔵
され現在に至っているのです。
長引く不況の中、決して楽ではない宝石店経営の状況をみてダリ・コレクションをインターネット
上での販売やオークションに出品することを勧める人も色々いたのですが、堅実な商売と店の
イメージを大切にしたく思うCho氏は昔ながらのオーソドックスなやり方でダリ・コレクションを扱
いたいと願っているようです。
「ヨーロッパではダリの人気は高く、ジュネーブやモナコへ持って行った方が価値が判る人が多く、
展示即売会をすればかなりの量がさばけると思うけれど品物を持って行くのが億劫でね」とCho
氏は私との電話で語ります。

ダリ・コレクションはHallelujah Choに行けばその全部を見ることができます。