唐津に行って来ました        (2009.01.28〜29)
                               川島道子
 
1月28,29日と新年会を兼ねて唐津に妹夫婦とドライブに行ってきました。
当日は今の時期には珍しく快晴で、糸島半島の海岸沿いのドライブは快適でした。

糸島半島にある海づり公園の桟橋とその向こう側に見えるのが能古の島です。
海づり公園は家族連れで楽しめる釣り場として知られ、妹夫婦は四季折々に
楽しんでいるようで、私も何度か釣りに行ったことがあります。
 
 「日本夕日百選」に選ばれている糸島郡の二見が浦です。三重県の
二見が浦の朝日にたいして、玄界灘の落日で有名のようです。
 
唐津市東部にそびえる鏡山展望台からの眺めです。眼下に広がる虹の松原と
唐津湾に浮かぶ高島、画面左側には唐津市が遠望できます。虹の松原は
日本三大松原で、いつ見ても心が癒されます。
 
古くから大陸との窓口だった唐津は、万葉集にも歌われ唐津市を取り巻く周辺には
歴史の面影がいたるところに残されています。山頂への道筋は桜の名所として知られ、
息子の運転する天井が開く大型車で、主人や孫たちと花見を楽しんだことがが想い
だされました。
 
 
ホテルの玄関に置かれた唐津焼きのライオン。茶道で「一楽、二萩、三唐津」として
愛用されている唐津焼は、今から三百七、八十年前に渡来した朝鮮の陶工(一説には
7万人とも言われています)によって焼き始められたと言われています。
磁器にくらべて唐津焼は使う中で焼き物として熟成されると言われ、使い込んだ
唐津焼のお抹茶ちゃわんは表情が違ってくるようです。
 
 
 
 
ホテルの前が海岸で、夕食前のひとときを遠浅の海辺を散策
しました。私の背後の高島の宝当神社は宝クジファンには有名
な場所のようです。
 
 
翌日は雨模様の中、義弟が事前に調べてくれていた旧高取邸にいきました。
旧高取邸は杵島炭鉱などの炭鉱王、高取伊好(たかとりこれよし)の旧宅です。
唐津城本丸近くの海岸沿いに建っており、その近代和風建築の重要性が県や
国に認めれて平成10年に国の重要文化財に指定されました。
 
 
高取家より建物の寄贈を受けた唐津市では、文化庁の指導のもと修復、復元作業を
行い3年前に市民に公開しました。
 
 
当日の見学者は私たち3人だけでしたので、ガイドさんの丁寧な案内のもとに
隅から隅まで見て周りました。
 
 
 居住空間の中では最も格式の高い中座敷、この部屋を取り囲むように六枚一組の
「楊貴妃図」の杉戸絵が配置されています。
 
総漆塗りの観音開きの扉を持つ荘厳な仏壇がある仏間。他の部屋よりも一段高く
天井は最も格式の高い格天井になっています。
 
 
「藤図」
邸内には京都の絵師水野香圃(みずのこうほ)の手になる29種類72枚の
杉戸絵があり、数の多さと保存状態の良さに驚かされました。
 
 
「福の神図」
 
 
「梅図」
 
 
大広間にある「欄間」は,「天香図」と題されて動植物の吉祥紋をモチーフにした、
型抜きの浮き彫りが、隣室の明かりによって壁に浮き上がる構図になっています。
 
 
七宝焼きの草花模様の引き手金具が随所にはめこまれています。
 
 
国内唯一の座敷に仕組まれた能舞台は圧巻でした。畳を敷くと30畳の大広間
として使えるようになっています。
 

能舞台の床下には通常はかめが埋め込まれていますが、この能舞台は床下全体が
すり鉢状になっているそうです。旧高取邸には高取伊好の美的感性と遊び心が
建物の随所にあり、当時の最高技術を取り入れた近代和風建築の素晴らしさを
実感しました。一泊二日の旅でしたが、得るものの多いドライブでした