大峯山系におけるちょっとした怖い話  1999.10.10

入院中にネットに繋がらないため、退屈しのぎにノートパソコンの過去のデーターを見ているうちに大峯
の「七面山」のキーワードで検索していたら新宮山彦ぐるーぷの玉岡会長宛の手紙の控えが出てきまし
た。その中の一部の記述がちょっと怖い話なのでここに紹介します。
ただその村が特定されないよう地名はすべて伏せています。

(手紙抜粋)
ところで、玉岡様命名の「美女3人」と10月10日に七面山に行って来ました。
彼女らは何が何でも年内に一度、大峰に行きたい、と切望しておりましたので、晴天の特異日に急に私
が時間がとれるようなり、急遽お誘いして出かけていったのです。
車はN.マリコさんのを私が運転して行きました。
Y.ヨウコさんは直前に貧血気味ということで参加取り止めとなり、代わりにマリコさん、N.フクコさん等、
そして彼女らと親しいO.クミコさんという女性が参加、朝6時に寝屋川を出発し、登山口に着いたのは
午前10時。晴天の中、往復5時間ほどかけて頂上を往復してきました。
木の根っ子だけで成り立っている痩せ尾根、倒木をくぐったり、乗り越えたりの山行に女性陣たちは、こ
の変化の激しいコース形態が七面山の名前の由来なのか、と物凄く感激しておりました。
山行は素晴らしかったのですが、下山以降、ちょっと考えさせられる出来事に出会いました。

その1は、登山口(かなり高度のある七面山の中腹地点)に下りて車に乗り込み、林道を降りていくとき、
目つきの鋭い右翼っぽい風采の男が二人、林道を歩いて来るのに出会ったのです。普通、こんな奥山
で人に会った時、私は必ず挨拶をするものですが、ザック、登山靴などの登山装備を何一つしていなく、
なにか物騒な雰囲気を漂わせている二人に恐怖感を覚え、二人が道の両ぎわに寄ってくれたのを幸い
とばかり、停止せずに行き過ぎていきました。
そうしたら、その二人は立ち止まって過ぎ去った私等の車をじっと見つめているのがバックミラーに映る
のです。
二人の傍を通り過ぎるとき、彼等が車内を見て眼をそばだたせていたのに気付いていたので私は、彼
等は車内に男一人以外はすべて女性という事実に怪しからん気持ちになったのではないか、と危惧し
たのです。
林道は急勾配のヘアピンカーブの連続でしたからあまりスピードは出せないのですが、私はタイヤがパ
ンクしないことを祈りながら極力スピードを上げて降りて行きました。

そして第二は、○○を過ぎて○○の集落を過ぎた狭い道で前方から来る軽四輪をやり過ごすために路
肩一杯に車を寄せて待機していた時に起きました。その軽四輪が私の真横で車を止め、中年の運転手
が運転席から身を乗り出して私等に語りかけてくるのです。「どこへ行ったんや」「七面山?泊りがけか
いな」「別嬪さんばかり乗せて、あんたはいいのう」「夕べ、七面山でなんかいいことしてきたんか?」など、
かなり露骨なからかい口調で話を長引かせるのです。
私に向かって語りかけているのに視線は車内の女性達を舐めまわすようにしている様子に何ともいえぬ
不安感にさせられ、適当に対応してやっとのことで道をゆずって通り過ぎて行った時は心底ホッとしたも
のでした。
やり過ごした後、マリコさんが「あの人、かなりお酒が入っていたみたいですね」と言われたように、酔っ
払っていたことも起因していたのでしょうが、女性ばかりを連れて男一人が率いていると要らぬ羨望を
招き、下手するとどんな実力行使の危険性に会うかも知れないということをつくづく痛感いたしました。
マリコさん達はいずれも40代後半であり、そのような危険性は無いものと思っておりましたが、男の欲望
にとっては年齢は関係ないようですね。

帰宅して、家内と娘にこの出来事を話したところ、娘に「もう、お父さんだけで女性達を山に連れて行くの
は止めて!見るからに喧嘩弱そうなお父さんじゃどうしようもないじゃないの」と厳しくたしなめられました。
私も、小田さんや堂田さんが居てくれたらどんなに心強かったかと思いました。