7月2日
山田太郎様 鈴原花子様 FROM:リワキーノ
 今日もまた暑かったですね!
 汗をかきかき帰宅して、メールを開けてみてビックリ仰天。
 私は現在、最優先に処理しなければならない問題を持っているので、この件に関してのコメントは、もうちょっと待っていただこうと思っていたのですが、鈴原さんまでご登場され、かなり誤解されているな、と感じましたので、もう一刻も早く、私の弁明も述べなければならないという思いにかられて、今、こうして記しております。

>(また、「リワキーノさん批判」かな?)

 山田さん、批判であれ、異議申し立てのコメントであれ、大歓迎です。
 それでこそ、ALBMLもにぎわい、アルバトロスクラブが目指している本来の討論の場となるわけですし、ステロタイプの和気藹々とした意見ばかりではこのクラブの存在意義がないと思います。
 私は、私宛に問いかけられたことには、即座に応答できないことがあっても必ず、返事を出すことにしております。適切なコメントができるかどうかは別問題ですが。

>同時に「ボリビアは経済的に貧しくて、平均寿命が短いからかわいそう」
>という判断も、少々納得しかねる意見だと感じます。

 上記の文で見る限り、山田さんが納得しかねる私の意見というのは、鈴原さんが述べておられるような意味で私が発言していると取られたのではないか、と思います。
私のメールに記した文章はこうです。

>平均寿命が男50.9歳、女55.4歳は日本(男76.6歳、女83歳)に比べて25歳以上(女>性は28歳以上!)の低い数値であり、南米の最貧国であることが実感さ
>れます。
>同じ20世紀末に一緒に存在しながら、この両国の悲惨な格差を皆さん、どう思われるでしょうか。
>私や春道先生、安部敏夫さん、小田さん、佐藤一男さんらはボリビアでは>死の直前のような状況
>なのですよ。

私は、経済的貧しさが即、不幸だとは決して思っておりません。ピアノ調律師という職業上、多くの家庭を見てきた私は、経済的豊かさが必ずしも人間的な幸せに結びつかないことを経験上知っております。これは国家の場合でも当てはまると考えております。
また、寿命についても必ずしも長寿が幸せで、短命は不幸とも考えておりません。私個人に限って言えば、私は今51歳ですが、もし今、不治の病にかかり、1年以内に死ぬようなことを宣告されても、私は死への恐怖にさらされ、もっと生きたいなとは思うでしょうが、不服は申し立てないでしょう。なぜなら、私は十分に幸せに人生を生きてきたという満足感があるからです。このように充足感を持って死へ臨めるのなら、その人の人生の長短を幸、不幸で計ることは出来ないと思うからです。

ただ、私はいつも私の個人的見解以外に私と異なる大多数の人達の見解が別個にあるという考え方を常に意識して事態、現象を判断し、総合的に自分の考えを述べるという習慣があります。いずれ述べる機会もあると思いますが、戦後補償の問題、太平浩戦争における日本の責任についても私はこういったスタンスで臨むことを覚えておいていただきたいのです。
そこで、上記の私の文章ですが、私はボリビアのことを調べてみて、平均寿命が日本と比べて26歳以上も差があることにショックを受けたことを言いたかったのです。
 個人的にはそれぞれ寿命についての見解が色々あるかとは思いますが、普通、長寿はおめでたいもの 、望ましいものという発想が一般にはあると思うのです。
 たとえば、平均寿命が50歳ということは、自分の孫の成長はおろか、存在さえ知らずにこの世を去っていく人達がボリビアには半数近くいるのか、と我が身に当てはめて考えたりもします。
 私はこのような一般の人達、つまりボリビア国民の多くの平均的人生観を持つ人達だって長生きはしたいという思いは持っているだろうと考え、数値を痛ましいものと思い、「悲惨な」という表現を使ったのであり、日本人としての優越感を感じるとか、安っぽい憐れみを感じると言ったようなつもりはまったくありませんでした。
 私をよく知る人間でしたら、私がそのような発想をする人間ではないことを証言してくれるでしょう。
 寿命の大きな較差を痛ましく思い、それが貧困、しかも我々日本人が考えているような度合いをはなはだしく超えた貧困に起因しているのではないかと思い、あのような問いかけをしたのです。
つまり「ボリビアは経済的に貧しく」and「平均寿命が短い」から可哀相と思ったのではなく、「平均寿命の短さは貧困に起因しているのではないか」と痛ましく思ったということです。

 山田さん、国連に直訴した高校生の件はこの次ぎにさせてください。
鈴原さん、私のこの説明で鈴原さんのご質問された意味で私が言ったつもりではないこと、ご理解いただけましたでしょうか。
 今後も、鈴原さんのメールを楽しみにしております。
                           とにかくここ3日間は多忙なリワキーノより
(続く)