Subject: [ML:06333] 性の文化的多様性
Date: Sun, 30 Apr 2000 20:24:01 +0900
From: Naoko

菜穂子です。
女性の割礼の議論の中で同性愛についても、話題になっていたので少しだけ。
免疫学者の多田富雄(スーパーシステムといったほうが「あぁ」と思ってもらえるのかもしれ
ませんが)が、こんなこと書いてます。
「外性器の形だけから、本当に男か女を確定できるだろうか。それは単に、男として、ある
いは女として育てるための条件に過ぎないので、実際には外性器が女の形をした男性も
、その逆のケースもしばしば見られる」
「同性愛の成立の要因として、従来はフロイト的解釈に基づく、幼児体験や生活環境を重
視してきたが、どうやらそれは、もっと生物学的、解剖学的なものに規定されているものら
しい。そうだとすれば、同性愛を異常性欲として差別したり、道徳的に非難したりすること
は全く根拠のないことである。同性愛はまさしく、人間の性の生物学的多型性のひとつの
形なのである」
「私には間性も、間性的行動様式も、自然の営みの多様性の中で位置づけられるべきと
思われる。性の多様性が、基本的に生物学邸に必然としたら、それを基礎にして生み出
される性の文化的多様性も受け入れられるべきであろう。女と、その加工品である男だけ
という単純化された性と、それによって営まれる生殖行動しか存在しないよりも、さまざま
な間性と間性的行動を持った人間の方が、生物学的も文化的にもより豊かな種のように
思われれる」
その後、彼は以下の調査結果を引用してました。
エイズで死んだ19人の明確な男性同性愛者の脳を、同じくエイズで死んだ人たちを含む16
人の異性愛の男性、および6人の女性の脳と比較したら、ある神経核の大きさが、ホモセク
シャルの男性と女性の大きさは同じで、ヘテロセクシャリティの男性はその2倍あった。
私はかつてレズビアンの友人と一緒に住んだことがあります。彼女と住み始めた頃、彼女
は「私は同性愛者かもしれない」と気づき、悩みはじめた頃でした。彼女は自分のセクシャ
リティにとまどい、「自分は異常なのかもしれない」と自己のマイナスなイメージに苦しんで
いました。でも、多くの同性愛者に告白をし、そのプロセスで「自分が同性を好きになって
しまうのはとても自然なのだ」と、自分のありのままの姿を積極的に捉えるようになりまし
た。
大半のホモセクシャリティの人たちとって、自分がそうであることに気づいたときに、大喜
びする人はいないと思います。「自分はおかしいのではないか」とつらい孤独な自己認識
への扉を開いてしまったのですから。
でも、それでもやはり、ホモセクシャリティの人たちにとって、同性の人を好きになるのは、
ヘテロが異性を好きになるのとまったく同じでとても「自然」なことです。趣味でもなく、異常
でもなく、少数派なだけなので、私は、その「自然」を尊重するデリカシーは持っていたいと
思います。
菜穂子

[ML:06334] 結婚
Date: Sun, 30 Apr 2000 20:24:07 +0900
From: Naoko

いおり爺様
> 朝TVで、バーモント議会が同性結婚を認めたと。由々しき問題だ。
> 結婚は子孫を繋ぐ決めじゃあなかったのか?
> 子を生まず育てず躍り狂いが現実になった。せめて夫婦と同じ数だけ残す
> のが最低の義務じゃあないのゥ?

結婚って子孫を繋ぐ決めなんでしょうか? どの人間男性にも平等に自分の子孫を残す
チャンスを与えるシステムだ、と知人が言ってました。結婚制度がなくても、どの女性も子
どもを生み、育てる共同体をつくっていけるような気もします。といっても、社会にここまで
結婚制度が浸透してしまったいま、無理ですね、やっぱり。
菜穂子

Subject: [ML:06336] Re: 結婚
Date: Mon, 1 May 2000 10:29:27 +0900
From: いおり爺

名指しですので不本意ながらご返事申し上げます。
以前、当M/Lで男と女論に巻き込まれまして、不肖逃げ出したことがあります。不毛です
から。
私は自身も含めて人は大型類人猿人科として捉えているので、知的論争には参加出来ま
せん。特に異性とは。
成長期の倫理感も今とは隔たりがあります。これは刷り込みですから変えられません。
結婚観も流行りのカソリック的一夫一婦も、観念的でしかありません。殆どボノボと同じで
知性のカケラも無い野蛮人ですから。偏見も強いし。
誰が何と言おうが、性差は外観だけではなく、全く異なりまた異ならなければなりません。
男と女は異なる哺乳類だと思う事すらあります。その位ちがうと言いたいのです。仕組み
も発想も決断も行動も、すべて!異なるから役割分担もそれぞれ場所を得るのでしょうし
、それを乗り越えようとすれば上手くはゆかないでしょう。「分をわきまえ」といった死語が
思い出されます。

Naoko wrote:
> 結婚制度がなくても、どの女性も子どもを生み、育てる共同体をつくって
いけるような気もしま
> す。といっても、社会にここまで結婚制度が浸透してしまったいま、無理です
> ね、やっぱり。

遺伝子拡汎(牡)と独占(牝)が定められているから、共同体は無理でしょう。まだ神域に
達しない知性ですから、愛より邪が勝ります。
で、苦肉の策で結婚制度が作られたが画に描いた餅、やってることは、もとのもくあみ状
態ですね。私もDNAに忠実にそうだったけど、、。
半世紀にわたる女の人たちとの交流を想い返しております。いても困るし、いなければも
っと困っただろうと、、、。
(それにしてもチガウなあ、いったいなにを考えているのだろう?相手も必ずそうつぶやい
ているのを知っている)                      土人いおり

Subject: [ML:06345] Re: 結婚
Date: Tue, 2 May 2000 02:00:02 +0900
From: Naoko

いおり爺様
菜穂子です。
お答えいただき、ありがとうございます。
生意気なようですが、決して皮肉な気持ちを込めてそういうのではありません。
ぜひ一度お会いしたい!と思っていますので、またよろしくお願いいたします。
不毛だとおしゃっられてしまうと、話を続けられませんし、かといって、確かに議論にはまる
、という感じになってしまうなら、「あまり意味のないことかなぁ」とは思っています。
性差もぜったいあると思うけど、でもやっぱり個性もあるし。性差に縛られて個性を無理に
押さえ込むことはないですよね。役割分担ももっと総合的な要素(性差、個性を含む)で得
られるものであるといいなぁと思います。「分をわきまえなさい」とたとえいわれても、やっぱ
りできるだけ快適な生き方がしたいです。

> 半世紀にわたる女の人たちとの交流を想い返しております。
> いても困るし、いなければもっと困っただろうと、、、。
> (それにしてもチガウなあ、いったいなにを考えているのだろう?
> 相手も必ずそうつぶやいているのを知っている)

この部分、とっても人間味にあふれていて、少し愉快です。
指名というつもりはないので、「返事をしなくては!」と思っていただく必要はないです。でも
、ぜひ一度会っていただきたいです。
改めて、お返事ありがとうございました。
菜穂子

Subject: [ML:06347] Re: 結婚
Date: Tue, 2 May 2000 10:29:38 +0900
From: いおり爺

Naoko wrote:
> ぜひ一度お会いしたい!と思っていますので、またよろしくお願いいたします。

ひゃあ、おっかない。 でも、男に逢うより楽しみだナ。いずれ機会もあるでしょうが、止め
役がいないとコーフンして支離滅裂、ふた言めにはバカヤロ、この辺の性癖を会長に査定
してからの方が宜しいのでは?かつては虫も殺さぬいい男だったけど、インドネシアでお
かしくなっちゃった。割礼したからでもないのに性差なんて言わないで歌の話しでもしよう
や。ゲージュツとかアートとか。顔の見えないメール(女性で50%と今朝のNHK)って怖い
そうですよ。

> 性差もぜったいあると思うけど、でもやっぱり個性もあるし。性差に縛られて個
> 性を無理に押さえ込むことはないですよね。

個性も性が土台。男らしい女らしい事は牝牡時代から社会時代で定まっていて、僅かな上
澄みのそのまた泡がいわゆる個性で、個も置かれた時代教育環境で規制されて、たかだ
か五十年。

妻を娶らば才長けて見目麗しく情けありいい、、もう、止めとこう。
不毛な論以上に個人の尊厳を冒涜する暴言になるからナ。

> この部分、とっても人間味にあふれていて、少し愉快です。

会って噺を聞けばもっと面白い(と思う。男は皆なそー言ってるから)しがらみを逃れて15
年、南の国で全てを失い失意の帰国、失ったものは形骸で、奪われない糧を貰った。?カ
ッコ良すぎる!!?
新規約MLM/Lの¥6000をどーするかで悩む禁治産者なのに口ばっか達者。
実はそれどころじゃないんだ。長丁場5ラウンドでの決戦近し。
「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」知らないだろ?
息子どもに三下り半を突きつけられて(アッこれは離別用語だったか)
負ければバリ・ハンダラ。勝てばソーテックPC、苦しい。
行った事も無い打ちっぱなしで練習。「ウーン、いいハイドロー!」(この高慢が負けに直
結。老いぼれでそんな球でるわけない)
遺伝子は正直で子供はみんな俺がイチバン系楽天家。ここが付け目だ!
(儂は欲する処に従い則を越えた人生だったが遺伝子伝播は大成功だった。親はなくても
子は育つ。悔しければ俺の歩く遺伝子を見よ、ナンチャッテ)
グリップが悪ければスコアにはならない。
グリップを良くしても、、 そんなに変わらない。 マーフィイの法則では、ご機嫌よろしゅう、休暇をお楽しみください。
戦国男性優位社会から一転、平和女性優位に戸惑う 牢名主 横浜いはら

Subject: [ML:06348] Re:割礼
Date: Tue, 2 May 2000 18:12:09 +0900
From: リワキーノ

いおり爺様
このメール朝、書いたのですが、途中でうち切って出かけました。本当に良かった!
いおり爺さんの2通目を見て、私、とんでもないちょんぼをしておりました。
三行半のことを七くだり半と勘違いしていたのです。(このメール文末参照のこと)
でもこれもご愛敬としてそのまま出します。

> Riwakino wrote:
> 有り難き幸せ。
> 反省するわが欠陥は、論争が出来ないんだ。

いや?、何年か前の茅ヶ崎フォーラムにおける才媛・マホさんとの論争は歴史上に残るも
のだ(海彦氏曰く)と、語りぐさになっておりますよ。

> 時代が異なれば金鵄勲章もんだ。(倫理とは実に面白い。人殺しでも鬼に
> なったり英雄になったりして。一体何が正邪を決めるのか? それは「愛」か。

時代じゃないでしょうか。後世の時代精神、モラルが正邪を決めるのではないでしょうか。

> 糟糠の妻、山内一臣の妻の美談もいまじゃあ単なる忍従と虐待だしナ)

日本歴史上の賢夫人が皆、忍従と虐待と決めつけられたのでは身も蓋もありませんね。
当人たちも浮かばれないことでしょう。

> > バンドとは「集団」という意味ですね。
> 申し訳なし。尊敬するデズモントの邦訳に使われていたのでうつった。
> コンテンポラリイレデイは語感を薄める為に舌を噛む横文字を使った。
> ホントは今時のオンナは、と蔑視語を使いたいのだが再起不能になる
> のでナ。参政権取って、時代は変わったのだ。

再起不能になりそう、という言いぐさが本当に楽しい。ところで、今時のオンナ、って言葉、
蔑視語だとは知らなかった。
私も時々こっそりと使いますが。「もう、オンナってのは全く・・・」ってな具合にね。

> > いや、いおり爺さんの文章は私には難解でして、このようにスッと判る段があると無性に嬉しいですね。
> みんなに言われる。ボケてると言いたいのは分かってる(とすぐひがむ!)

滅相もない!
前に、「禅問答のようだ」と言われてショックを受けた、と記されたことがありますね?
あのときも「ボケてる」ととられたのですか?それはあきらかにいおり爺さんのひがみだ。
頭脳明晰、意志強固である孤高ないおり爺さんの冴えそのままの文章だと思いますよ。
人はこれを「いおり爺節」と呼ぶ。
ただ、私がそれを読みとりにくいために難解だと言っているに過ぎません。
奥駈のとき、中世古二生さんが「いおり爺さんって凄い人ですね」と言っておられました。

> 会えば虫も殺さぬいい男(20年前)でエタニに次ぐ美男子なんだがなあ。

一度もお会いしたことがないですが、会報17号81ページに載っているいおり爺さんの写
真を見れば一目瞭然です。
アルバトロス・クラブの多くの女性達から「いおり爺さんって素敵、カワイ?」なんて賛辞を
散々聞かされております。念のために断っておきますが、女性が男性に対してカワイって
言うのはかなりの誉め言葉なのであります。
いおり爺さんの歯に衣を着せぬ女性蔑視発言に「クソッ!」と思いながらも彼女たち、なに
か憎めなくないでいるようですよ。(クソッ!羨ましい)

> 信憑性がないのは聖書の方が上だと「学者」が言った。
> 学者(頭脳明晰な専門家)の言で、私ひとり信じられんと言ったところで、
> 千年余同じ指数の億万の人々が信じているんだからやっぱ不遜だよ。

そうではないか、と私もよく思うのです。
それでも私はその頭脳明晰な専門家の主張に傾倒してしまうことがよくあります。
原始仏教の立場から大乗仏教を見る私のスタンスも上記のいおり爺さんの言葉にあては
まるような気がしないでもないのです。
最近、私は「新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか」(加藤隆・大修館書店)という本を
読んで大変な感銘を受けました。
内容は神学博士の手によるかなり学術的な聖書の分析で、キリスト教及び聖書を理解し
ようとする者には非常に説得力をもつものなのですが、一般の敬虔なクリスチャンから見
ればかなり衝撃的な内容のもので、いおり爺さんの言われる「千年余同じ指数の億万の
人々が信じているんだからやっぱ不遜だよ」の言葉をやはり思い起こさせられます。

> 宗教は「信」で理解ではない。

これについての私のコメントは保留させてください。

> イスラムかキリストかといった論争は馬鹿げている以上に不逞だ。
> よくもまあ、ころころ宗旨を替えられるよなあ、どっかの理知派は!
> 生れた時に決まってるのに。怖いほどだ、定見のない「バンド」は。

えらい、すんまへん。(私のことを言われているようで・・・・)
ころころではないけれど、私も幼いころからなじんでいたキリスト教(洗礼もしました)から
宗旨替えした転びキリシタンでして、今は仏教徒であります。もっとも世間一般がイメージ
するような仏教徒ではないですが。

> 最後にひと言、いい?
> ぼんやりと観る事。 ボールを凝視してはいけない。
> ゴルフ・アドレスの極意でR。
> 見詰めると心で姦淫したと言われる(儂はいつもそーだが)だけ
> じゃなく、リキんでミスショットに繋がる。人生も同じ。
> あいまいさ、ファジイさがどっからでもこいの視界になろう。

十数年前、そっくりそのままのようなアドバイスを山グループの先輩に頂戴したことがあり
ました。
「そうかな?」とその当時は思っておりましたが、最近は多分私にはそういう面があるのだ
ろう、と思いだしております。こういうことは他人にはよく解るもののようですね。
しかし、本人が自分で切実に気付くまでは恐らく、直しにくい性癖なのでしょうね。
いおり爺さんのひと言、肝に銘じておきます。

> バカにされてる吾がインドネシアのいい加減さ、実は懐ろ深し!

インドネシアがバカにされている、というのは私の実感ではないです。なんせ、周囲にイン
ドネシアマニアが溢れているのですから。

> さて、今日はなにしようかなっと。敬して遠され遊ぶ相手がいない。
> 打ちっぱなしで調整しよっと! いやバイクで遠出もいい。

現在のいおり爺さんの心境はアラビアのロレンスですか!

> 一臣の妻に「年甲斐もなく」。オンナは微視的だなあ。だが正論。

いかほどの男であっても妻と執事の前では面目まるで無し、と西洋では言われてますね。
「女性の割礼」をMLに提言したことを知った我が女房は「また、余計な論議を起こすよう
な話題を出して。そんな外国の風習なんかほっておいたらイイでしょう!」とほざきました。

> 70ずらさげて7半でもないだろナ。彼女は正しい。いつも!だから、

いおり爺さんは70代ですか。それでは私はまだまだガキ世代だ。
「7半」は以下の二つの解釈が考えられる
7半→七くだり半→離別状
7半→750CCの自動二輪
余計な注釈を入れるな、と言われますな。遊び心です。
楽しいメールを有り難うございました。
リワキーノ