Subject: [ML:06393] Re:女性の割礼
Date: Sat, 6 May 2000 23:10:06 +0900
From:海彦

奥深志様

> 相対的な視点さえもが、大義となりうるという点が、いつも悩ましいと
> ころですね。
> 絶対的な仮想点を否定したつもりが、それ自体が絶対化されてしまうな
> んて、悲劇としかいいようがありませんから。

そう思います。民族学には、それが第三世界への侵略や植民地経営にも資した時代があ
ったというトラウマがあるため、どうしてもこのジレンマを抱え込まざるをえない宿命がある
ようですが、それにとらわれすぎていると日々移り変わっていく社会や文化のダイナミズム
を見落としてしまう恐れもありますね。

> >人が人と関わる時に、必ず人は互いを傷つけ合います。そこに誠意があ
> >ろうが、愛情があろうが、正義があろうが、そんなこととは関わりなく人
> >は傷を負います。そして、その際に互いが置かれた関係のあり方によって
> >は、一方は自らが受けた傷について全く気づきもしないのに、他方は思い
> >の他の傷の深さにのたうち回るということもよくあるものだと思います。
> > 私たちが異文化と接する際に最も重要なことは、そのことを十二分に認
> >識しておくことであり、己に誠意があり、愛情があり、正義があるという
> >ことを意識的にも無意識的にも武器にしてしまわぬことだと思います。こ
> >れは口で言うのは簡単ですが、実はなかなか難しいことなのです。
>
> このお話、とてもよく理解できます。割礼の話題に踏み込んだのも、や
> めさせなければならないという一方的な思いこみに、アンバランスを感じ
> てしまったからです。しかし、

常々私は奥深志さんのそうした思考のあり方、言動のあり方に対して精神の健康さを見て
います。勿論、リワキーノさんは独善的な思いこみで他者を批判するような方ではありませ
んが、奥深志さんの発したシグナルには重要な意味があったと思います。

> > 異文化との関係は、男と女の関係とも似たところがあるようです。
>
> 文化相対主義が自縄自縛に陥っている姿は、思いやりが深すぎて、性の
> 大冒険に踏み出せない恋人たちを連想させます。さぐり合い、傷つけ合い、
> 慰め合うことが、大きな意味でのコミュニケーションなのに、相手の中に
> 踏み込まないことを正しい姿勢だと自己規制してしまえば、愛はうすっぺ
> らなものに終わらざるを得ません。

私もそう思います。人は他者との交わりや衝突の中からしか学べない生き物ですし、必要
以上にそれを自己規制する必要はないと思います。一番大切なことは、自らが傷を受け
る覚悟と、相手に傷を負わせる覚悟が出来ているかどうかということですが、さらに言うと
自分の持っている力(誠意、愛情、正義といった精神的な武器は勿論のこと、武力、政治
力、経済力、地位、名声、年齢、権威、ネットワークなど)の度合いも正確に認識しておく
必要があるでしょうね。そうでないと、相手が受ける傷の大きさを想像することは難しいで
す。

> 文化と文化も、接触し、摩擦し、争い、侵し合うことで、相手を発見し、
> 自分を発見してきたのだと思うと、お節介を揶揄するということも、お節
> 介なんですね。まったく。

プライバシーに関するお節介は不快なものでしょうが、こうした問題に関するお節介はい
いんじゃないでしょうか。

> 文化相対主義って、つまるところ、中華思想なわけで、最近、商人たち
> の欲望のままの他者との接触が、もっとも合理的な態度じゃないのかなん
> て思っています。

そう言われると商人の私としては舞い上がってしまいますが(^^;;)、商人の欲望も結構複
雑ですよ。
ところで、奥深志さんは北朝鮮へ行かれるそうですね。レポートを楽しみにしておりますの
で、よろしくお願い致します。
海彦

Subject: [ML:06394] Re:女性の割礼
Date: Sat, 6 May 2000 23:10:09 +0900
From:海彦

リワキーノ様
> > スーフィズムが中近東・アフリカ社会に浸透していく過程において様々な習慣が
> > 生まれてきたようですね。
>
> スーフィズムとはどういう意味ですか?

スーフィーとは神秘家を意味し、スーフィズムは神秘主義を意味します。

かつて西欧社会にとってアラブ・イスラム文明圏は自分たちの手の届かぬ憧れの地でした
。十字軍の遠征によって西欧社会はアラブ・イスラム文明圏に対抗する自らのアイデンテ
ィティを打ち立てたものの、当時の力関係から見て彼らがアラブ・イスラム世界にかなうも
のは何もありませんでした。そこで、彼らは自らがアラブ・イスラム世界から学んできたと
いう歴史を隠蔽したり、トマス・アクィナスのような最高級の知識人をしてイスラム教は偽り
と放縦の宗教であるといった間違った世界観やイスラム観を構築するのに躍起になった
のです。特に13世紀以降の西欧ではこの種の偽造が進み、西欧史は大きく改竄されて
いきます(自らの文明的なルーツはアラブ・イスラム世界に拠るものが大きいにも関わら
ず、古代ギリシア・ローマ文明こそが自らのルーツであるとしたのはその最たるものです)
。そうした流れの中でアラブ・イスラム世界は「暗黒の中世」に属するものとして西欧史の
中から抹殺されていったわけですが、現代の一般的な欧米人が抱くイスラム・イメージも
実はここに由来しており、欧米人経由でイスラムを知った日本人のイスラム観はさらに歪
んだものであることは認識しておく必要があります。
アラブ人あるいはイスラム教の特徴は、はるかに高度な文明を持っていた中国や、全く異
質な文化を持っていたアフリカなどにもごく自然に浸透していくと共に、相互に影響を与え
合った柔軟性にあると思います。この点において、アラブやイスラムを敵として仮想する排
他性によって自らのアイデンティティを形成してきた西欧、キリスト教とは自ずから異なる
点があります。ところが、イスラム教が各地において民衆レベルで広く深く根付いていった
のは11世紀以降のことであり、そこで大きな役割を果たしたのがスーフィズムなのです。
スーフィズムは、当時のイスラム教が儀礼主義、律法主義に偏り、精神性を重視しなくな
っていたことに対する批判として出発しました。その特徴は現世無関心と信仰の内面性重
視にありますが、当時はベルベル人やトルコ人、モンゴル人たちがイスラム世界内に侵攻
して国を打ち立てたりしていた時代でもあり(十字軍の遠征は西欧側にとっては重大事で
したが、アラブ世界にとっての重大事はむしろこうした事でした)、そうした乱世の人々の
心に訴え掛けるものもあったようです。
前置きが長くなりましたが、スーフィーたちはイスラム商人や船乗りたちと共に旅をしなが
ら各地を巡り、その結果イスラム教はアフリカの諸民族にも広まっていきました。スーフィ
ズムには教条的な面もありますが、むしろ神秘的な面が強調されますし、一神教であるに
もかかわらず神との内面的な合一を得たとされる人間の聖化を認めたりしますので、土俗
の信仰とは融和しやすい面があります。かくて、スーフィズムがアフリカの人々に受容され
、その社会に浸透していく過程において、スーフィーたちが予想もしなかったような慣習や
新たな伝統がアフリカ社会に生まれていったわけです。

> > FGMの危険さや悲惨さについてはよく理解できましたが、その目的を「女性の性
> > 欲を奪い、思い通りの従順な女にするため」と決めつけてしまうのは、ちょっと短
> > 絡的な気がします(結果的にはそうなっている面もあるのでしょうが....)。
> それがすべてとは言いませんが、女性の割礼には男のエゴの影響も多分に一つの要素と
> して存在するのではと思ってます。

その可能性は否めませんが、ごく普通に考えて女性と喜びを分かち合えないセックスは男
性にとっても苦痛ではないでしょうか? 私にはその点が引っかかりますので、これについ
ては素直に頷きにくいのです。
海彦

Subject: [ML:06411] スーフィズム
Date: Sun, 7 May 2000 20:13:34 +0900
From: リワキーノ

海彦様
シンガポール出向を目前に控えての多忙なおりに私の質問へ丁寧なお返事をくださり有り
難うございました。
私はスーフィズムの意味を知りたかっただけなのですが、それに応えてくれた海彦さんの
メールは大変興味深く、私もこれからいろいろ勉強していきたい面(ヨーロッパ文明がイ
スラム文明から受けた影響など)もありますので、このメールは「女性の割礼」から切り
離して語りたく、勝手ながらサブジェクトを変えさせてもらいました。
神秘主義だけにとどまらない論議の展開となる可能性もあり(私はそれを望んでおりま
す)、適切なタイトルではないですが、今のところはとりあえず「スーフィズム」としま
した。
なお、海彦さんはこれから超多忙となるでしょうから、急いでお返事をいただく必要はご
ざいません。
シンガポールに落ち着かれて暇なおりに、息長く、この論議を続けてもらえば幸甚です。

> > スーフィズムとはどういう意味ですか?
>
> スーフィーとは神秘家を意味し、スーフィズムは神秘主義を意味します。

スーフィズムという言葉は見知っておりましたがそれが神秘主義とは知りませんでした。

神秘主義の外来語が大辞林、カタカナ語辞典(だいぶ古いものですが)、現代用語の基礎
知識にも載っていないとは不思議ですね。

> かつて西欧社会にとってアラブ・イスラム文明圏は自分たちの手の届かぬ憧れの
> 地でした。十字軍の遠征によって西欧社会はアラブ・イスラム文明圏に対抗する
> 自らのアイデンティティを打ち立てたものの、当時の力関係から見て彼らがアラブ・
> イスラム世界にかなうものは何もありませんでした。そこで、彼らは自らがアラブ・
> イスラム世界から学んできたという歴史を隠蔽したり、トマス・アクィナスのような
> 最高級の知識人をしてイスラム教は偽りと放縦の宗教であるといった間違った世
> 界観やイスラム観を構築するのに躍起になったのです。

海彦さんの解説を疑うわけではないのですが、これらのことを実際に学ぶに何か適切な
本があれば紹介いただけませんでしょうか。

> 特に13世紀以降の西欧
> ではこの種の偽造が進み、西欧史は大きく改竄されていきます(自らの文明的な
> ルーツはアラブ・イスラム世界に拠るものが大きいにも関わらず、古代ギリシア・
> ローマ文明こそが自らのルーツであるとしたのはその最たるものです)。

私のうろ覚えなので正しいのか解りませんが、西洋でなおざりにされていたアリストテレ
スの各学説はイスラム社会で熱心に研究されていて、それが逆輸入されてその後の西洋
論理哲学に影響するようになったと聞いております。

> そうした
> 流れの中でアラブ・イスラム世界は「暗黒の中世」に属するものとして西欧史の中
> から抹殺されていったわけですが、現代の一般的な欧米人が抱くイスラム・イメー
> ジも実はここに由来しており、欧米人経由でイスラムを知った日本人のイスラム
> 観はさらに歪んだものであることは認識しておく必要があります。

私の経験からもそうだろうと思います。
私は幼いころから青年時代までクリスチャンだったですが、だいたい、キリスト教徒の
人はイスラムに対して負のイメージを抱きやすいと思ってます。
クリスチャンだけに限らず一般日本人だって、西欧・キリスト教文明対アラブ・イスラム
文化の図式を見るとき、西欧的立場から見ている場合がほとんどですよね。
イスラムではないですが、古代地中海世界での様々な戦争でも常に西欧(ギリシア・
ローマ)は正義であり、西アジアの国家は野蛮という図式で見てしまうところがあると
思います。ペルシャ戦争なんか典型的ではないでしょうか。
マラトンの戦いを語る世界史の先生が、開明的なギリシア文明が野蛮で暗黒の専制
君主国家へ勝利した偉大なる瞬間である、なんて興奮的に断言するところがあるらし
いですが、自分はアジア人なのに、と皮肉っぽく思いたくなります。
以下の段落ですが、見事な解説ですね。一つ一つが大きく頷くところです。

> アラブ人あるいはイスラム教の特徴は、はるかに高度な文明を持っていた中国や、
> 全く異質な文化を持っていたアフリカなどにもごく自然に浸透していくと共に、相互
> に影響を与え合った柔軟性にあると思います。この点において、アラブやイスラム
> を敵として仮想する排他性によって自らのアイデンティティを形成してきた西欧、キ
> リスト教とは自ずから異なる点があります。

私はアラブ人、イスラム教文化などについてはよく知らないのですが、知らなくとも、
西欧文明に一時どっぷりと浸かったことのある経験から、何となく言われることが解
ります。

> ところが、イスラム教が各地において民
> 衆レベルで広く深く根付いていったのは11世紀以降のことであり、そこで大きな役
> 割を果たしたのがスーフィズムなのです。スーフィズムは、当時のイスラム教が儀
> 礼主義、律法主義に偏り、精神性を重視しなくなっていたことに対する批判として出
> 発しました。その特徴は現世無関心と信仰の内面性重視にありますが、

イスラム教の変遷を勉強する必要を痛感いたします。
仏教の変遷に大変よく似ております。
大乗仏教のかなりの部分がある意味で神秘主義とも言える面を持っておりますね。

> 当時はベ
> ルベル人やトルコ人、モンゴル人たちがイスラム世界内に侵攻して国を打ち立てた
> りしていた時代でもあり(十字軍の遠征は西欧側にとっては重大事でしたが、アラブ
> 世界にとっての重大事はむしろこうした事でした)、そうした乱世の人々の心に訴え
> 掛けるものもあったようです。

「十字軍の遠征は西欧側にとっては重大事でしたが、アラブ世界にとっての重大事は
むしろこうした事でした」はまさにそうでしょうね。
また、イスラム社会が受けた影響もはるかに東方からの侵攻の方が大きかったこと
だと思います。
十字軍なんて、押し込み強盗以外の何者でもないのですから。

> 前置きが長くなりましたが、スーフィーたちはイスラム商人や船乗りたちと共に旅を
> しながら各地を巡り、その結果イスラム教はアフリカの諸民族にも広まっていきまし
> た。スーフィズムには教条的な面もありますが、むしろ神秘的な面が強調されます
> し、一神教であるにもかかわらず神との内面的な合一を得たとされる人間の聖化を
> 認めたりしますので、土俗の信仰とは融和しやすい面があります。かくて、スーフィ
> ズムがアフリカの人々に受容され、その社会に浸透していく過程において、スーフィ
> ーたちが予想もしなかったような慣習や新たな伝統がアフリカ社会に生まれていっ
> たわけです。

スーフィズムというものがある程度解りました。有り難うございます。
土俗の信仰と融和していってスーフィーたちが予想もしなかったような慣習や新たな伝統
が生まれていった、というところが興味深いです。
こういった現象は他の宗教でもあることでしょうね。
日本の隠れキリシタンや修験道、本地垂迹説などにも当てはまるのではないでしょうか。

> > > FGMの危険さや悲惨さについてはよく理解できましたが、その目的を「女性の性
> > > 欲を奪い、思い通りの従順な女にするため」と決めつけてしまうのは、ちょっと短
> > > 絡的な気がします(結果的にはそうなっている面もあるのでしょうが....)。
> > それがすべてとは言いませんが、女性の割礼には男のエゴの影響も多分に一つの要素と
> > して存在するのではと思ってます。
>
> その可能性は否めませんが、ごく普通に考えて女性と喜びを分かち合えないセックス
> は男性にとっても苦痛ではないでしょうか? 私にはその点が引っかかりますので、
> これについては素直に頷きにくいのです。

なるほど。
女性と喜びを分かち合えないセックス云々はよく解ります。それは私の実感ででもありま
す。うむ、私の発言、もういっぺん検討してみます。
リワキーノ

Subject: [ML:06440] 「女性割礼」テレビ番組
Date: Thu, 11 May 2000 15:32:02 +0900
From: タクラマカン

アルバトロスクラブの皆様

しばらく女性の割礼について議論が続いていましたが、私が入っている別のメーリングリ
ストでこの女性の割礼についてのテレビ番組の案内がありましたので、ご存知の方もおら
れるでしょうがお知らせします。

>「未来への教室 ワリス・ディリー 
> タブーに挑むスーパーモデル」
>5月13日 土曜日 20:00?20:45 教育テレビ
>(再)5月19日 金曜日 00:15?01:00 総合テレビ

アルバトロスで議論があったと思ったらこの案内が来て、さらに今読んでいる本(「進化と
人間行動」長谷川寿一・長谷川眞理子著、東京大学出版会)でも1ページだけですが女性
の割礼のお話が出てきて、なんか続くなあと不思議な気分です。
それでは。
タクラマカン

[ML:06442] Re:「女性割礼」テレビ番組
Date: Fri, 12 May 2000 02:02:23 +0900
From: リワキーノ

タクラマカン様
貴重な情報を有り難うございます。
知りませんでした。
「女性の割礼」の話は皆さんに迷惑なのかな、と感じだしておりましたので、とても嬉し
かったです。
私としてはこの関係の正確な情報が得られたらMLで論議することを打ち切るのはかまわ
ないのですが・・・
13日は東京ですので、19日の再放送を見ることにします。

リワキーノ

Subject: [ML:06456] Re:「女性割礼」テレビ番組
Date: Mon, 15 May 2000 01:09:05 +0900
From: 海彦

タクラマカン様
> しばらく女性の割礼について議論が続いていましたが、私が入っている別のメーリン
> グリストでこの女性の割礼についてのテレビ番組の案内がありましたので、ご存知の
> 方もおられるでしょうがお知らせします。
>
> >「未来への教室 ワリス・ディリー 
> > タブーに挑むスーパーモデル」
> >5月13日 土曜日 20:00?20:45 教育テレビ
> >(再)5月19日 金曜日 00:15?01:00 総合テレビ
>
> アルバトロスで議論があったと思ったらこの案内が来て、さらに今読んでいる本(「
> 進化と人間行動」長谷川寿一・長谷川眞理子著、東京大学出版会)でも1ページだけ
> ですが女性の割礼のお話が出てきて、なんか続くなあと不思議な気分です。

貴重な情報をありがとうございます。19日に是非観てみようと思います。ちなみに私が今
読んでいる「性と聖」(クリフォード・ビショップ)という本にも女性の割礼の話が登場します。
同書はアフリカ西部マリのドゴン族の創世神話を紹介しているのですが、それによると神
アンマが粘土から大地を作った際、その大地は女性の姿をしており、彼女のヴァギナは蟻
塚、クリトリスは白蟻の塚であったそうです。独り身のアンマは大地と交わろうとしたが、白
蟻の塚に阻まれたため、それを切り崩してしまったと言います(クリトリス割礼のいわれ)。
ドゴン族の人々は、人間は生まれた際には男女両方の魂を持っていると信じており、少年
はペニスの包皮に女性の魂を、また少女はクリトリスに男性の魂を宿すとしているそうで
すが、大人になるためには反対の性を取り除き、自らの性を明確にせねばならないという
ことから、男女ともにイニシエーショとしての割礼が必要になるそうです。
他方、オーストラリアのアランダ族の間では、少年達は尿道をペニスの先から下まで石の
ナイフで切り裂かれるという凄まじい割礼を施されます。ペニスから流れ出る血は経血と
呼ばれ、傷口は「男根の子宮」または「男根の女陰」と呼ばれるそうですが、アランダ族に
とって少年から成人への移行は、男になるということだけではなく、男女双方の性を兼ね
備えた存在になることを意味するのだそうです。つまり、ドゴン族の割礼とアランダ族の割
礼には全く正反対の意味があったのですね。
女性の割礼論議はようやく端緒についたばかりです。もっと色々な方の様々な意見をうか
がいたいものです。
海彦

Subject: [ML:06476] Re: 「女性割礼」テレビ番組再放送はいつ?
Date: Fri, 19 May 2000 10:14:10 +0900
From: 奥深志

奥深志です。
[["Moriwaki <hmpiano@d1.dion.ne.jp>"]]さん

> 先日案内いただいた「女性割礼」のテレビ番組ですが、再放送があるはずの今日
> の朝刊番組欄を見たところ載っておりませんでした。
> 変更になったのでしょうか。それとも他の日の間違いでしょうか。
> もし調べてお解りになるようでしたらお知らせいただけたら有り難いのですが。

昨晩、放映されていました。10代後半の少年少女たちの、議論の質の高さに感心しまし
た。私たちがこのMLで交わした議論の、ほとんどが、盛り込まれていました。

Subject: [ML:06490] Re:「女性割礼」テレビ番組
Date: Sun, 21 May 2000 00:46:54 +0900
From: 菜穂子

菜穂子です。
奥深志 wrote:
>  10代後半の少年少女たちの、議論の質の高さに感心しました。私たちがこのMLで
> 交わした議論の、ほとんどが、盛り込まれていました。

番組を見ました。奥深志さんがおっしゃる通りだと思いました。
それにしても、女子割礼は1000年も続いている、現在でもアフリカでは約1億人の女の子
たちが女子割礼を受けている、といってました。重い事実ですね。

Subject: [ML:06545] 「女性割礼」テレビ番組再放送を見ました
Date: Thu, 1 Jun 2000 18:52:49 +0900
From: リワキーノ

リワキーノです。
「女性割礼」テレビ番組をやっと見ました。
沖縄のショータさんが録画したビデオを送って下さったのです。ついでに私が日付を
間違えた怪も教えてもらいました。
19日(金)00:15?01:00とは、19日未明の真夜中という意味だったのでね。18日(木)
24:15?25:00と言えば分かりやすいでしょう、と書いてこられました。私だけでしょ
うか?これを勘違いしたのは。
番組は奥深志さんが述べておられたように、MLで論議されたすべてが盛り込まれており
ました。
しかし、それ以上の新しい情報というのは無かったように思います。むしろエミータさんの
メールの方がはるかに実体について詳しい報告をされていると思いました。
したがって特にコメントはないのですが、女性の大半が女子割礼に対して否定的だったこ
とが印象的でした。
女子割礼の絶滅を訴えているソマリア出身のスーパーモデル、ワリス・デーリーさんが実
に魅力的でした。姉が読んだという「砂漠の女・デーリー」の著者のように思われます。
ショータさん、有り難うございました。
リワキーノ